前日に環島の難関である峠越えを達成し、
無事に台湾の西部から東部の横断を
果たすことできました。
台東からは東海岸を北上していきます。
さて、今日の目的地は
玉里(ユーリー)です。
台湾の玉里ってどこ?
そもそも聞いたこともない。
そんな人ばかりだと思います。
だって田舎ですから☆
(玉里出身の人、すみません)
今回はそんな田舎旅です。
池上の田園風景
台湾の米所
上の画像を見てみてください。
台湾東部って面白い地形をしてるんです。
街があるような平野部は
台東-花蓮間を南北に伸びる
細〜い部分(薄緑色)だけ。
だから東部を自転車で走っていると、
右も左も延々と続く高い山脈が見られます。
それはもう壮大で爽快な景色でした。
この台湾東部の細〜い平野は、
花東縦谷と呼ばれています。
花蓮と台東の間の縦の谷ってことですね。
この日はその花東縦谷を
台東から北に進んでいくわけですが、
途中に池上郷という米の名産地があります。
そう、台湾好きにはお馴染みの
池上弁当の池上です。
台湾鉄道の池上駅の駅弁として
広く台湾では愛されていて、
始まりは1940年代と歴史も深い。
池上弁当の特徴としては、
・池上産の米を使っている
・木箱に盛られている
・汁気がない
という3つらしいのですが、
個人的にもう1つ付け加えたい。
全 体 的 に 茶 色 い 。
主な具は豚の角煮やフライドチキンなど
中身の違いはあれど、
木製の弁当箱含めて全てが茶色。
まぁ食べ物が茶色いのは
池上弁当に限ったことではなく、
台湾料理全般に言えるんですけどね。
金城武の樹
見渡す限り田んぼという
池上の道を走っていたところ、
何やらでっかい看板が。
はて、金城武の樹とは?
金城武といえば
台日両国で有名な俳優さんですが。。
だめだ、「イケメン=樹」という
方程式が成り立つ情景なんて
どう頑張っても思いつかん。
ならば行って、
この二つのまなこで確かめるべし!
…
……
………
な ん と ま ぁ 、 た だ の 木 。
えぇ、見まごうことなき
普通の木でございました。
どうやら2013年に金城武が出演した
エバー航空CMの撮影地として
使われたようです。
映っているこの数秒間から
これだけ一大観光地っぽく盛り上げる
池上郷民の商魂、素敵です。
おもろいご夫婦
せっかくなので金城武樹で
写真を撮ろうと近くに寄ると、
撮影待ち数人分の列。
ほっほっほ。
池上郷民の思惑にまんまと乗せられとるわ。
(自分のことは棚上げ)
平日の真っ昼間だったのですが、
結構な人数が並んでいるのを見ると
意外とマジの有名観光地なんでしょうか。
列に並んでしばらくして
私の順番の1つ前まで来たのですが、
その人たちがなかなかハケていかない。
見たところご夫婦らしき男女。
何やら言い争っていると思いきや、
あーでもないこーでもない、と
撮影アングルにこだわっている様子。
急ぐ旅でもないので
微笑みながら待っていると、
「お待たせしちゃってごめんなさいねぇ。
そうだ、あなたも撮ってあげるわ!」
と言ってくれたので、
お言葉に甘えました。
立ち位置とか自転車の停め方とか、
こだわりご夫婦のご指示の通り
言われるがまま従います。
その撮っていただいた写真がこちら。
おぉ、足が長く見える。笑
車線や自転車など
手前から奥に伸びる線を意識すると
被写体に統一感を出せるのだそう。
いやはや、お見それしました。
この一部始終を見ていた
列に並んでいた他の人たち。
「良いこと聞いた!」と
真似する人たちが続出。
こうなるとまるで気分は
インフルエンサーにもなったかのよう。
流行はこうして作られていくものなのだ。
と、世の中の摂理をしみじみと感じつつ、
玉里への道を進みます。
玉里到着
田舎、だがそれがいい
ひたすらに田んぼ道を進み、
無事に玉里に着きました。
冒頭で「玉里は田舎」と言い放ちましたが、
田舎には似つかわしくない規模で
なんとまぁ駅がデカい。
なんでやねん、とツッコミを入れたくなるほど
駅がデカかったので調べてみました。
玉里駅は台湾東部の台湾鉄道の駅のうち、
花蓮と台東と並ぶ一等駅なのだそう。
つまり特急だろうと急行だろうと、
台湾東部では花蓮・玉里・台東の駅にのみ
全種別の列車が停まるということ。
おいおい〜、さらに謎が深まるやん。
たった3つの一等駅の1つに数えられるなんて
玉里って実はただの田舎ではない…とか?
調べた限りでは、
そんな田舎具合を楽しむという
観光需要があるようです。
大きな都市開発はなく空気や水が綺麗。
温泉やサイクリングも楽しめる。
富士山より高い「玉山」の国家公園もある。
まさに「何もないがある」という
田舎ならではの強みがあるわけですね。
そう考えると玉里も
魅力的な町に見えてきました。
玉里麺(ユーリーメン)
そんな玉里が誇る名物料理がありまして、
日本統治時代に日本人が持ち込んだ
ラーメン文化と現地食材が統合した麺料理。
なんとその名も…
玉 里 麺(ユーリーメン)!!!
そのまんまのネーミングと侮ることなかれ。
玉里麺はその製法上、
玉里でしか食べられない幻の麺。
聞いたところ加工食品も添加物も
一切使っていないオーガニックさから、
保存が全然きかないそうです。
つまり他の地域へ輸送もできず、
出来立てしか食べられないという
オンリーワンなユーリーメン。
町の至る所に玉里麺のお店はあるのですが、
今回お邪魔したのはこちらのお店。
馬蓋先美食玉里面
2000件ほどの口コミが集まり、
☆4.2を誇る人気店。
前日に峠でお会いした峠さん(仮名)と
入店してみます。
どうやら改装したばかりらしく、
店内はまるでオシャレなカフェのよう。
注文方法も近代的で、
席にあるQRコードから注文できます。
台湾で初めてですよ、QRコード注文。
中国語が話せなくても注文できるのいいね〜、
と峠さんとお話ししていたら、
割とすぐに料理が到着。
こちらが幻の麺、玉里麺(70元)です。
汁なしと汁ありが選べますが、
私は汁なしをチョイス。
タレと麺を絡めながらいただきます。
玉里麺で使われる麺は、
茹でたあとに水で締めるのではなく、
風に当てて冷ますのだそうです。
そのため麺はもっちり食感。
日本のラーメンにあるコシを期待すると
少し物足りない気もしてしまいますが、
これはあくまで玉里麺。
日本のラーメン文化が、
台湾の田舎で局地的に発展していたと
考えながら食べる麺はとても感慨深いです。
一緒に饂飩スープも注文しており、
「中国語の饂飩はうどんじゃなくてワンタン」
と、峠さんへのウンチク披露はもはやルーティン。
玉里でしか食べられない玉里麺、
美味しゅうございました。
晩ご飯の中華料理
玉里麺だけでは少し物足りず、
一杯やりながらご飯が食べられるお店を
峠さんと探します。
小さな町なので選択肢は多くないのですが、
たどり着いたお店がこちら。
喜臨門
ザ・地元の中華料理、
という感じのお店です。
お店に入ると団体客が盛り上がっていて、
地域に愛されてる感が伝わってきます。
家族経営なのかお店の人は少なく、
注文するのもちょっと待ちますが、
そんなゆったりした時間の流れもまた良し。
まずビールを喉に流し込みたい我々は、
ド定番とおつまみになりそうな料理を注文。
中華といえば麻婆豆腐
こちらは宮保鶏丁
宮保鶏丁(ゴンバオジーディン)は、
鶏肉とピーナッツを唐辛子と炒めた四川料理。
唐辛子を避ければそんなに辛くなさそうですが、
視覚からの情報を惑わすかのごとく、
他の具材も満遍なく辛い。
ビールがあっという間に消えてなくなります。
麻婆豆腐は意外とマイルドなお味でした。
町の中心地から離れている場所にあるので
観光客はまず来ないでしょうが、
いいお店でした。
今日のお宿
まず初めに言っておくと、
今日のお宿はアタリでした。
この環島中に泊まったお宿の中で、
1, 2を争うレベルです。
夕方にチェックインしようとしても
オーナーがなかなか現れないという
ちょっとしたトラブルはありましたけど。
まぁそれも田舎の時間の流れ方でしょう。
そんなユルめのお宿がコチラ。
途中玉里青年旅舍 On My Way Yuli Hostel
屋内の雰囲気がいい意味で異様。
昭和レトロ感を全面に押し出そうとして、
途中でよく分からなくなりました
なんかそんな感じです。笑
こういうのが欧米系にもウケるのか、
ドイツやアメリカから来た人も宿泊していました。
これだけ物が溢れているので
自転車を屋内に停められるか心配でしたが、
結果的には問題ナッシング。
早い時間には外に停める必要がありましたが、
夜になり屋内共用スペースに人がいなくなった後
オーナーが移動させておいてくれました。
チェックイン時間に遅刻してくるし、
なんか無愛想で無口なオーナーでしたが
根っこは優しい人でした。
そしてセキュリティ面も
かなりしっかりしてます。
メインエントランスと屋内個室には
番号入力型の電子式ロック。
もちろんそれぞれ番号は異なります。
物理的な鍵を持たなくていいのは楽チン。
それに加えて、
シャワーとトイレも超キレイ。
嬉しいウォシュレット
洗濯機も無料で使えます。
乾燥機はありませんが、
物干し竿で自然乾燥が可能です。
謎の日本語が書かれた横断幕
寝る前に共用スペースで
峠さんと缶ビールで乾杯していたところ、
原付で環島中の女の子がおしゃべり仲間に。
出身は台湾の小琉球という離島で、
SUPのインストラクターなのだそう。
なんかカッコええやないかぃ。
小琉球には行ったことないので、
「いつか行くから、そのときはSAP教えてね」と
お互いのインスタをフォロー。
連絡先の交換方法がインスタなんて
おじさん初めてだったので緊張しました。
ちなみにここと同系列のゲストハウスが
台湾全土に6施設あるようです。
お馴染みの観光地、台北や九份にも
他のお宿にも泊まってみたいものですな。
途中玉里青年旅舍 On My Way Yuli Hostel
1泊 587元 / ドミトリールーム(平日料金)
価格:★★★★★
接客:★★★★☆
立地:★★★★☆
施設:★★★★★
充電:★★★★★
個人的評価:4.6 / 5.0
【備考】
・屋内に自転車駐輪可
・洗濯機無料、乾燥は物干し竿で
・ベッド脇に電源コンセントあり
※金額は変わる可能性あるため参考程度に
【Day 10】今日の出費・走行距離
コンビニでお昼ご飯 130元
玉里麺とスープ 150元
中華料理 200元(1人分)
途中玉里青年旅舍 587元
コンビニでビールとおつまみ 49元
合計 1,116元
= 日本円換算 5,022円 (1元=4.5円)
走行距離:91.50 km
= 累計距離:944.99 / 1,217.88 km
次の目的地は花蓮!