いよいよ環島最終日。
温泉で癒してくれた礁渓から
港町の基隆(ジーロン)を経由して
環島スタート地点の台北に戻ります。
ここ数日間は比較的自然が多い場所だったので、
都会帰還にどこか抵抗感を感じます。笑
こういう長旅の最後の日って、
「早く帰って休みたい」
vs
「もう終わっちゃう寂しさ」
こういう葛藤があるってよく言いますけど、
環島の旅は圧倒的に後者です。
もちろん足もお尻も痛いんですけど、
時間さえ許すのであれば
何ならこのまま2周目に突入したいくらい。
それくらい台湾の人はみんな優しかったし、
台湾のご飯はぜんぶ美味しかったし、
台湾の自然や歴史は価値観を変えてくれた。
名残惜しさを噛み締めながら、
環島最終日の13日目、スタートです。
豪雷で目を覚ます
最終日の感傷に浸りながら出発、
といきたいところなのですが
明け方に轟く爆発音で目が覚めました。
本当に爆弾かと感じた轟音は
礁渓を囲む山々のどこかから聞こえてきた
落雷の音でした。
当然、建物を叩く雨音もかなり激しめ。
この悪天候の中、自転車で走るんかーぃ、
と朝からちょっと憂鬱モード。
待っていても雨は止みそうにないので
6時過ぎに泣く泣く出発しました。
礁渓-台北の道は要注意
天気が良ければ…
礁渓から30分ほど走ると、
外澳(ワイアオ)ビーチに出ます。
綺麗な砂浜に加えて
サーファーにも人気のスポットらしく、
夏シーズンには多くの人で賑わうそう。
しかし豪雨の中、
「ひと目でもビーチを見てみよう」
という気持ちにはならず。
さっさと雨と浜風から逃れたい。
その一心で自転車を漕ぎます。
途中に謎のアラビアンな建物があっても、
本来なら亀の姿形にそっくりな亀山島が
綺麗に見える休憩所に着いたのに、
島の影も形もまったく見えなくても、
立ち寄りはほどほどに
ひたすら自転車を漕ぎ続けます。
雨が止んでくれることを祈りながら。
大型車に注意
台湾北東部の道路は、
これでもか!というくらい
本当に大型車が多い。
この道路は基隆(ジーロン)という
台湾で2番目に大きい港町に繋がっており、
そこまで荷を運ぶトラックだらけ。
※ちなみに台湾最大港は高雄
そして左手には緑生い茂る山々、
右手にはくねくね曲がりながら伸びる海岸線。
その間に人類が無理やり作った道路。
そんな地形のため路側帯が狭い場所も多く、
大型車が横をビュンビュン通り過ぎて
かなり怖い。
台湾人もこの道を自転車で通るときは、
本当に気をつけて、と言っていました。
トンネル内めっちゃ怖い
車と接触する可能性がある状況って
常に気を張ってないといけないから、
メンタルも結構削られるんですよね。
しかも雨降ってるから尚更です。
早く海岸の道からサヨナラしたい〜!
トンネル道
礁渓を出てから約2時間、
距離にして30キロほどの地点に
救世主が現れます。
ぱぱぱぱん、
トンネル道〜!
ここを通ることで
海外沿いの道を
ちょっとショートカットできます。
大型車からも雨からも
少しの間おさらばできる〜!
と思いきや、
閉まっとるやなぃかーい。
よく見ると開いてる時間が決まっていて
朝は8:30から開放とのこと。
来るのが早すぎました。。
祝日は開放しないようなので
時間以外に日にちにも注意。
8:30になると向こう側から人が来て
内側から門を開けてくれました。
トンネル内はこんな感じです。
宜蘭県と新北市の境界線もあります。
2.3kmと短い距離ですが、
涼しくて快適な道でした。
トンネルを出るとまた
海岸線の道路に戻るんですけどね。。
ちなみにトンネルを出た後に、
海岸方面ではなく山の方面の道を行くと
あの有名な九份に行けます。
以前にこの環島ブログでも書いた、
同じく環島をしていた日本人の峠さん(仮名)は、
山道を越えて九份に行ったそうです。
初の台湾で環島を敢行するという
強モノな峠さんとの出会いはこの記事で。
九份はなかなかに高い山の中にある街なので、
私は大人しく海岸線沿いの道を選びました。笑
コンビニで朝ごはん休憩を挟みながら、
台湾第二の港町である
基隆(ジーロン)に向かいます。
港町 基隆(ジーロン)
基隆の歴史紹介
その昔、ここ基隆という街は
中国語読みで同じ発音の、
「雞籠(ジーロン)」と呼ばれていました。
この地は台湾がまだ清国の一部だったころ、
西欧列強と戦闘を行う際の
軍事的な重要地点として扱われていた街。
こうした背景によって
「基地隆昌」という言葉から
基隆に文字が変わったそうです。
渋滞と雨の街
基隆の地理的重要さは
日本統治時代に突入しても変わらず、
さらに区画整備が進んでいきました。
当時の基隆は碁盤の目のごとく
道路が張り巡らされた
台湾随一の美しい街並みだったそうです。
しかし太平洋戦争の被害により
基隆の街は荒廃。
戦後に無計画な建築が進められた結果、
整っていた区画は失われていき、
今では渋滞の多い街となりました。
また、基隆は雨の街でもあり、
雨の日が年間200日あることも
珍しくないそうです。
実際、今回で2回目の基隆でしたが
2回とも雨が降っていました。
台湾の小話で、基隆に向かう人がいれば
「財布を忘れても傘は忘れるな」
と言われているほど。
ハリウッドサインのオマージュ?(KEELUNGは基隆の国際表記名)
自転車で基隆を訪れる際は、
車の量と雨に注意しましょう。
写真映え漁港
基隆の観光スポットとしては、
水餃子の美味しい仁愛市場や
海鮮グルメ豊富な廟口夜市が挙げられます。
が、
雨の中で長居する気力もなく、
ゴールの台北が目前だったので
基隆は写真だけ撮って再出発します。
最近インスタグラムなどでよく見る
基隆の写真映えスポットがこちら。
正濱漁港
周辺にはカフェやレストランも多く、
天気が晴れていたらゆっくりお茶しながら
写真を撮るなんてのもいいですね。
ついに台北にカムバック
故宮博物院
台北市内に入るころに
ようやく雨が止んでくれました。
気温も体温もテンションも
ようやく上がってきたところで、
この環島旅で最後の観光スポットへ。
台北の観光地としてお馴染みの
故宮博物院です。
故宮博物院
ここ故宮博物院に展示されている品々は、
北京の紫禁城(別名:故宮)にあった所蔵品を
中華民国政府が持ち出してきたもの。
第二次世界大戦や国共内戦の戦火から
宋・元・明・清朝の歴史的貴重品を守るため
大陸から台湾に運ばれてきました。
それゆえに故宮博物院という名の施設は
今も北京と台北の2都市に存在しています。
ちなみに自転車を置く駐輪場が見当たらず
本館の近くまで自転車を引いて進んでいると
警備のおじさんにすごい剣幕で怒られました。
マシンガン中国語が理解できなかったので
「我是日本人」という超便利ワードと
英語か簡単な中国語で話してほしいと頼むと、
「我是台湾人!!!」
と返ってきました。
そういうことを聞きたいんとちゃうねん。笑
自転車が置ける場所を教えてほしいと
何度も身振り手振りで伝えた結果、
駐車場に停めるよう言われました。
ちょっと最後は優しくなった
ツンデレなおっちゃんでした。笑
白菜がない
故宮博物院といえば、
翡翠で作られた白菜の置物が有名。
他の展示物をゆっくり見て回るほど
体力的な余裕がなかったので、
翡玉白菜をメインに見ようと思いきや、
白菜いないじゃん。
翡玉白菜は嘉義にある分院に
一時的に貸出されているとのこと。
もっと早く知っていれば
環島中に嘉義通ってたのに。。
でも魯肉飯のお肉と呼ばれることもある
肉の形した石はありました。
ちなみに故宮博物院の入場料は、
350元(= 約1,575円)です。
悠遊卡で支払いもできます。
実はDay0で当たった
5,000元分の悠遊卡の残金が
この時点でもまだ1,000元以上。
約2週間滞在しているのに
5,000元の電子マネーは使い切れない。。
残った分を使うために
また台湾に来るよう仕向ける、
台湾観光局の上手い手口だと思います。笑
相棒自転車の返却
ついにこのときが来てしまいました。
13日間、一緒に台湾を駆け巡った
相棒とのお別れです。
自転車をお借りしたサイクルショップ、
馬修単車 Mathew Bikeは
故宮博物院から自転車で10分ほど。
馬修単車 Mathew Bike
苦楽をともにしてきたことで、
愛着が湧いてしまい
返却することに寂しさを感じます。。
13日前のレンタル開始時に、
試し乗りをさせてもらった
川沿いのサイクリングロードを通ってお店へ。
環島中のいろいろな思い出が
楽しさと寂しさを伴って込み上げてきます。
そしてついに、
お店に到着。
ゴールッ…
余韻に浸りたいところですが、
お店のスタッフさんが流れ作業的に
返却のプロセスを進めていきます。笑
自転車本体の損傷具合を含めて、
お借りした自転車グッズが
揃っているかお店の人と確認。
環島7日目に高雄でチェーンが切れたとき、
地元の自転車屋で支払った修理代は
このとき払い戻ししてくれました。
チェーン修理と同時にお願いした
すり減っていたブレーキパッドの交換分は
残念ながら自腹。
修理や整備については
ひと悶着ありましたが、
真摯な姿勢で対応していただきました。
総じて素晴らしいお店だと思います。
自転車で台湾環島を行うときは、
馬修単車 Mathew Bikeさん、
おすすめです。
こちらのホームページから予約もできますよ。
台北で晩ご飯
さて、自転車を返却して
ささっとホテルにチェックインしたあと、
台北で晩ご飯をいただきます。
翌日に自転車を漕がなくていい夜、
こんなにも気持ちが軽いとは…!
とはいえ豪華なレストランに行くわけでもなく
今日も今日とて、がっつり台湾メシです。
今日の晩ご飯はこちらで購入。
巷仔內大腸煎
店内はとても混み合っていたので、
持ち帰りの「外帯(ワイダイ)」を選択。
「大腸」から連想するのはソーセージですが、
この大腸圏は一般的な肉詰めではなく、
なんと、もち米詰めソーセージなのです。
とろみスープの肉焿麺も一緒にオーダー。
しめて125元(= 約563円)でした。
大腸圏の食感は強いて言うなら
いなり寿司が一番近いような気がしますが、
日本では食べられない料理です。
もち米がぎゅうぎゅう詰めされているのに、
口あたりはふわっとしている感じ。
意外とスッと完食できてしまいます。
肉焿麺も優しい味付けのスープが
麺とよく絡まって美味。
環島旅で疲れた体に染み渡ります。
帰国日は翌々日なのですが、
環島の道のりとしては
この日が最終日。
環島の最後の晩餐として
美味しくいただきました。
台北のビールバーで打ち上げ
このブログにも何度か登場していただいた
台湾南部の峠でお会いした峠さん(仮名)と
環島完走打ち上げ会を行いました。
疲れた体に染み渡る美味しいビールを
楽しませてくれたお店がこちら。
(峠さんが案内してくれました)
碧耳猫 BeerCat
メトロの中山駅と台北駅の
だいたい中間地点くらいの場所にあります。
店内は和やかな雰囲気で
マスターらしき男性と
若いお姉さんがテキパキ対応してくれます。
台湾の地ビールを含めて
いろいろな種類のビールが楽しめる
素敵なお店です。
そしてBeer Catという店名の通り、
店内を我が物顔で闊歩するニャンコ様。
ニャンコ好きには堪らないバーですね。
もちろん注文したのは
台湾の地ビール。
ポップで風変わりなラベルとは反対に、
爽やかなで飲みやすい口当たり。
南国のビールってコクや深みというより、
ゴクゴク飲ませる銘柄が多いですよね。
環島の締めくくりとして
思い出に残る打ち上げでした。
今日のお宿(今日だけ豪華)
いつもは民宿のドミトリールームに
宿泊してきた環島旅でしたが、
この日だけ豪華な宿を予約しました。
(Booking.comに飛びます)
台北を代表する5つ星ホテルなのですが、
ここを選んだ理由は簡単。
有効期限が迫っているポイントを
消費したかったから、です。
そうでもなければ高級ホテルなんて
泊まれる身分ではございません。笑
横浜のインターコンチネンタルホテルに
仕事で何度か泊まっていた時期があり、
ポイントとステータスがアップ。
気がつけば最高ランクの
ダイヤモンドエリート会員になってました。
同系列のリージェントホテルですが、
本来は1泊5万円前後のところ
ポイントのおかげで4,500円ほどに。
早速チェックインしてお部屋訪問です。
うむ、広い。広すぎる。
今までのドミトリー宿では
プライベート空間はベッド1つ分だったので、
困惑するほど広く感じます。笑
ウェルカムアメニティとして、
果物と台湾烏龍茶のサービス。
(プラチナ会員以上が対象)
そのほかの会員特典として、
ウェルカムドリンクも楽しむことができ、
ロビー階のレストランで注文できます。
ただ、ディナータイムの少し前の時間帯に
注文しに行ってしまったため
少しぞんざいと思える対応をさせてしまいました。
もちろん私の配慮不足ではあるのですが、
5つ星ホテルの期待値と費用を考えると
なんだかなぁという体験でした。
朝食会場はこんな感じです。
ビュッフェスタイルで、
一般的な朝食料理に加えて
もちろん台湾オリジナルの品々も。
とても素晴らしいホテルでしたが、
宿泊費は今までのお宿の約10倍。
満足度も10倍になったかと言われると、
そこまでではなかったです。
お宿のスタッフや宿泊客たちとの
人情味あふれるやり取りがあるような
ドミトリー宿の方が個人的には好きだな。
単に貧乏性な性格なだけかもしれませんけど。笑
1泊 12,911元 / King Classic City View(金曜夜 通常料金)
価格:★☆☆☆☆
接客:★★★★☆
立地:★★★★★
施設:★★★★★
充電:★★★★★
個人的評価:4.0 / 5.0
※金額は変わる可能性あるため参考程度に
【Day 13】今日の出費・走行距離
コンビニで朝ごはん 116元
故宮博物院 入場料 350元
リージェント台北 約1,000元
巷仔內大腸煎で晩ご飯 125元
碧耳猫 BeerCatでビール2杯 480元
合計 2,071元
= 日本円換算 9,320円 (1元=4.5円)
走行距離:108.23 km
= 累計距離:1,217.88 / 1,217.88 km
これで環島の旅は終わりですが、
この翌日も丸1日使って
台北マイナースポットを巡ります。
もうちょっとだけ続くんじゃ。