環島

【環島 Day 1】台北→苗栗 (156km) 〜自転車素人なのに台湾一周〜

2023年7月8日

 

初日に関しては大切なことを、

この冒頭でお知らせしておきます。

 

1日で台北→苗栗は無謀でした。

 
1日で台北→苗栗は無謀でした。

 

大事なことなので2度言いました。

 

距離にして約150キロ。

出発から到着まで12時間。

 

宿に着くころには闇夜。

 

●●●
晋之助

初日で元気だから行けるっしょ。

 

と、軽い気持ちで決めましたが

めちゃくちゃしんどかったです。

 

自転車素人はマネしたらダメ、絶対!

 

ということで本編です。

 

なぜそんなツラい選択を?

台北からの出発を記す前に、

ちょっとだけ説明させてください。

 

・初日のルートがどれだけ無謀だったか

・なぜそんな選択をしたのか

 

ということを。

 

台湾観光局の「環島」資料によると、

初日は台北〜新竹(約80キロ)が推奨行程。

 

私もその推奨を踏襲するつもりでした。

 

でも朝8時に台北を出発した私は、

14時すぎに新竹到着しちゃったんですよね。

 

走行時間を考えれば

すでに6時間くらい走っていたのですが、

そこは自転車素人の私。

 

●●●
晋之助

まだ明るいからもうちょっと進もっと!

と、軽い気持ちで新竹を通過します。

 

ちなみにちょっとした言い訳として、

この日は新竹で口コミのいい宿が空いてなかったこと。

 

そして台湾人の知り合いからは、

「新竹には何もないよ〜」と聞いていた(失礼)こと。

 

まぁこの日のゴール地点、

苗栗にも何もないと聞いていたのですが(失礼)

 

こうしたボタンの掛け違い(?)が、

無謀な選択を後押しをしてしまったわけです。

 

走行距離の目安

自転車素人にとって、

距離の感覚がピンと来ていなかったのが問題でした。

 

私個人(36歳 男性)の経験ですと

目安はこんな感じ。

 距離 所要時間走行後
50 km3.5 時間ぜんぜん余裕
80 km6 時間まだまだ元気
100 km7.5 時間いい汗かきました
120 km9 時間結構しんどい
150 km12 時間もう2度とやらん

距離が長くなるにつれて、

疲労度や休憩頻度が増えていきます。

 

すると自然と所要時間も長くなりますし、

何よりメンタルに良くないです。

 

せっかく台湾まで来てるのに、

苦しい思いはしたくないですよね。

 

到着地で観光する時間も考慮すると、

1日平均だいたい100キロくらいが目安。

 

時間や気持ちに余裕を持って

計画を立てることをオススメします。

 

台北から環島ルートへ

さて、お待たせしました。

ここから台北出発の振り返りです。

 

朝8時に宿を出発。

 

今回は台湾を反時計回りで環島していくため、

初日は西から南下していきます。

 

まずは台北中心地の西を流れる

「淡水河」を目指します。

 

淡水河沿いにはサイクリングコースがあり、

このコースが「環島1号線」の入り口。

 

 

この先とてもお世話になる、

頼れるサイクリング用のルートです。

 

いざこの看板を目の当たりにしたとき、

 

●●●
晋之助

おぉ…ついに環島キター!!

 

という実感とともに、

胸奥からじわじわと感動が込み上げてきました。

 

もう迷子ですか?

こうして気持ちよく走っていたのでが、

数十分ほどで「あれ、迷ってる…?」という不安が。

 

Googleマップを見ながら走っているのですが、

マップどおりのルートに環島看板が見当たらない。

 

この辺りは河が途中で枝分かれしていたり、

橋が何個もあったり。

 

ルートの選択肢が多すぎるため、

いちいち看板を立てていないのかもしれません。

 

どのルートも大きな違いはないのでしょうが、

スタートしたばかりの私は少し不安を覚えました。

 

結局Googleマップのルートで間違いはなかったですが、

台北出発直後は注意してくださいね。

 

サイクリングコースの罠

台湾の川沿い・海沿いには、

よくサイクリングコースが設けられています。

 

ほとんどの場合、車は走行不可なので安全ですし、

信号もないから止まる必要もなく超快適。

 

でもそんなサイクリンコースにも、

結構凶悪な罠が潜んでます。

 

台湾の郊外でちょいちょい遭遇したのが、

「工事中につき通行止め」の看板。

 

 

●●●
晋之助

これを見ると、ものすっごい萎えます。。

 

郊外だと道の数が少ないので、

別の道から行こうとすると結構な遠回り。

 

というかそもそも他に道の選択肢がないこともあるので、

その場合は来た道を戻るしかありません。

 

でもね、サイクリングコースって

だいたい一本道なんですよ。

 

(なのでほぼ「ふり出しに戻る」状態)

 

本来は気持ちよく走れるはずのサイクリンコース。

 

ただし、漕いだ時間と距離を「無」にするような、

こんな血も涙もない現実(看板)に遭遇することがあります。

 

そのときは出家したお坊さんのごとく、

ひたすらに心も「無」にして引き返しましょう。

 

新竹到着

台北出発から約80キロ、

時間にして6時間ちょっと。

 

途中で少し迷いながらも新竹到着です。

 

新竹のとある地域に入ると、

やたらと高級そうなビル街が出現。

 

 

「何もない」と聞いていた新竹ですが、

なぜこんなに摩天楼が立ち並んでいるのか。

 

よくよく考えてみると納得の理由でした。

 

ここには「新竹科学工業園区(通称:竹科)」という、

台湾のシリコンバレーと呼ばれる地域があります。

 

新竹に本社を置いている半導体でおなじみ、

台湾企業「TSMC」は世界的に有名ですよね。

 

日本でも熊本県に進出するTSMCですが、

年収レンジは600万〜1200万円とのこと。

 

熊本ではかなり高待遇ではないでしょうか。

 

さすがは台湾のシリコンバレー企業。

 

ここ新竹に高層マンションが

雨後の竹の子のごとく建設されているのも納得です。

 

新竹なだけに。

 

すごい雨と◯◯に襲われる

雨にはユニクロ

冒頭で書いたように、

 

そんな新竹を通り過ぎて

苗栗に向かうことに決めました。

 

この決断が新竹の神様を怒らせたのか、

苗栗に入る前あたりから雨が降ってきました。

 

しかも次第に激しさを増していきます。

 

●●●
晋之助

初日から雨かぁ。ついてないな。

 

ユニクロのポケッタブルパーカーを、

バッグから取り出します。

 

このパーカー、環島中は重宝しました。

 

いくら温暖な台湾とはいえ、

雨に濡れたまま走行すると冷えてきます。

 

撥水加工のあるこのパーカーを着ると、

ある程度の寒さや雨は防いでくれます。

 

そしてその名のとおり、

使わないときはポケットに入るサイズに。

 

少ない荷物でやりくりする自転車旅には、

この超コンパクトアイテムはありがたいお供でした。

 

※ただし防水ではないので強い雨だと内側まで染みてきます

 

雨が降るとヤツらの時間

雨足は強くなる一方でしたが、

苗栗への道は車も少なく走りやすい。

 

その日の宿は苗栗の三義という場所にあり、

苗栗市街地からもなかなか遠い。

 

宿選びを後悔しながらも、

雨の自転車旅もいい思い出かなと感じていました。

 

そう、ヤツらに遭遇するまでは…

 

●●●
晋之助

ヤツらの名は、大水螞蟻。。

 

大水螞蟻(ダー シュイ マー イー)とは、

雨が降ると大量発生するという

台湾全土に分布する飛ぶ白アリです。

 

「飛ぶ白アリ」って字を見るだけで、

 

え、ヤダ、怖い。

もう絶対敵わないと感じるこの強敵感。

 

4〜6月の雨季になると、

大群でお引越しするアリさんなんですって。

 

どれくらい大群かというと、

降っている雨粒の数と同じくらいでした。

 

マジで。

 

おぞましいにも程があるで、しかし。。

 

白アリさんが気になって仕方ない人は、

こちらの大水螞蟻の説明記事を見るのです。

(グロ注意)

 

苗栗は田舎道。

 

ほぼ唯一の光源である街灯に

数メートルずつ等間隔で群がってるわけです。

 

もうね、自転車の走行中、

雨粒に叩かれてるのか虫にぶつかってるのか。

 

本当に分からないくらいでした。
(いや、結局どっちもなんですけど)

 

ちなみにこのときほど、

 

●●●
晋之助

マスクしてて良かったぁぁぁ!

と思ったことはありません。

 

マスクなかったら口内への侵入を許すどころか、

しまいにはきっと巣作りされてましたよ。。

 

もうこんな地獄絵図は勘弁です。

 

4月から6月に環島する方、

雨が降ったら「飛ぶ白アリ」に要注意です。

 

苗栗の宿に到着

夜20時ごろ。

 

びしょ濡れになりながらも

ようやく宿に到着。

 

台湾人からも「田舎」と呼び声の高い苗栗。

 

その苗栗のさらに郊外にある

三義という場所。

 

そこそこ山の中にありまして、

最後の最後で追い討ちをかける登り坂46。

 

白アリ飛行部隊の弾幕を超えたと思ったら、

お次は続々と道に飛び出してくるカエルちゃんたち。

 

●●●
晋之助

田舎すげぇ、田舎こえぇ。

 

ということで、お疲れ。自分。

よく無事に着いた!

 

そう、俺たちの冒険はこれからだ…!

 

 

と、打ち切り終了してもいいくらい

メンタルにダメージを食らってましたが、

 

ま だ 初 日 で す 。

 

もうとりあえずぐっすり寝たいぞぃ…

 

今日のお宿

そんなボロボロの私を出迎えてくれた、

今日のお宿はこちら。

 

Miaoli Sanyi Travelling Homestay

 

ザ・バックパッカー宿、という感じの

アットホームなお宿です。

 

チェックイン時、スタッフのお兄さんに

どこから来たの?と聞かれて、

 

「台北から、チャリで来た」

 

と言い放ったあと、

私を見るお兄さんの目の

まんまる具合が忘れられません。

 

あ、ですよね。

やっぱりおかしいっすよね。

 

でも、接客が素敵なお兄さんでした。

 

雨でずぶ濡れだった私に対して、

 

「キミの靴濡れすぎて

歩くとジュボって音してるやんwww」

 

と笑いながら「靴にこれ詰めてな」と、

吸水用に新聞紙を渡してくれました。

 

私の頬も涙で濡れてまうやろー!

 

台湾の厳しさと温かさを知った

ステキな環島初日となりました。

 

Miaoli Sanyi Travelling Homestay

1泊 650元 / ドミトリールーム(日曜夜 料金)

価格:★★★★☆
接客:★★★★★
立地:★★★☆☆
施設:★★★★☆
充電:★★★★☆

個人的評価:4.0 / 5.0

 

【備考】
・自転車は屋内に駐輪可
・洗濯機はないが、手洗い用に洗剤&脱水機完備
・個別ロッカーなし

 

※金額は変わる可能性あるため参考程度に

 

【Day 1】今日の出費・走行距離

台北で朝ごはん 150元
セブンイレブンで水2本 30元
道に迷ってカフェで一服 290元
ファミマで水2本 30元
セブンイレブンで夕食 203元
苗栗のバックパッカー宿 650元

 

合計 1,353元

= 日本円換算 6,089円 (1元=4.5円)

 

走行距離:156.30 km

= 累計距離:156.30 / 1,217.88 km

 

次の目的地は台中

 

  • この記事を書いた人

しんのすけ

1986年、愛知生まれ。アメリカの大学卒業。金融危機下でなんとか就職するも、会社の歯車として働くことに疑問を感じていた。その後「やりたいことをやる」という信念のもと、現在に至るまで7社5職種+独立・起業のキャリアを経験。プライベートでは易学の研究や中国語の勉強も。台湾が大好き。

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