初日に関しては大切なことを、
この冒頭でお知らせしておきます。
1日で台北→苗栗は無謀でした。
1日で台北→苗栗は無謀でした。
大事なことなので2度言いました。
距離にして約150キロ。
出発から到着まで12時間。
宿に着くころには闇夜。
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初日で元気だから行けるっしょ。
と、軽い気持ちで決めましたが
めちゃくちゃしんどかったです。
自転車素人はマネしたらダメ、絶対!
ということで本編です。
なぜそんなツラい選択を?
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台北からの出発を記す前に、
ちょっとだけ説明させてください。
・初日のルートがどれだけ無謀だったか
・なぜそんな選択をしたのか
ということを。
台湾観光局の「環島」資料によると、
初日は台北〜新竹(約80キロ)が推奨行程。
私もその推奨を踏襲するつもりでした。
でも朝8時に台北を出発した私は、
14時すぎに新竹到着しちゃったんですよね。
走行時間を考えれば
すでに6時間くらい走っていたのですが、
そこは自転車素人の私。
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まだ明るいからもうちょっと進もっと!
と、軽い気持ちで新竹を通過します。
ちなみにちょっとした言い訳として、
この日は新竹で口コミのいい宿が空いてなかったこと。
そして台湾人の知り合いからは、
「新竹には何もないよ〜」と聞いていた(失礼)こと。
まぁこの日のゴール地点、
苗栗にも何もないと聞いていたのですが(失礼)
こうしたボタンの掛け違い(?)が、
無謀な選択を後押しをしてしまったわけです。
走行距離の目安
自転車素人にとって、
距離の感覚がピンと来ていなかったのが問題でした。
私個人(36歳 男性)の経験ですと
目安はこんな感じ。
距離 | 所要時間 | 走行後 |
50 km | 3.5 時間 | ぜんぜん余裕 |
80 km | 6 時間 | まだまだ元気 |
100 km | 7.5 時間 | いい汗かきました |
120 km | 9 時間 | 結構しんどい |
150 km | 12 時間 | もう2度とやらん |
距離が長くなるにつれて、
疲労度や休憩頻度が増えていきます。
すると自然と所要時間も長くなりますし、
何よりメンタルに良くないです。
せっかく台湾まで来てるのに、
苦しい思いはしたくないですよね。
到着地で観光する時間も考慮すると、
1日平均だいたい100キロくらいが目安。
時間や気持ちに余裕を持って
計画を立てることをオススメします。
台北から環島ルートへ
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さて、お待たせしました。
ここから台北出発の振り返りです。
朝8時に宿を出発。
今回は台湾を反時計回りで環島していくため、
初日は西から南下していきます。
まずは台北中心地の西を流れる
「淡水河」を目指します。
淡水河沿いにはサイクリングコースがあり、
このコースが「環島1号線」の入り口。
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この先とてもお世話になる、
頼れるサイクリング用のルートです。
いざこの看板を目の当たりにしたとき、
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おぉ…ついに環島キター!!
という実感とともに、
胸奥からじわじわと感動が込み上げてきました。
もう迷子ですか?
こうして気持ちよく走っていたのでが、
数十分ほどで「あれ、迷ってる…?」という不安が。
Googleマップを見ながら走っているのですが、
マップどおりのルートに環島看板が見当たらない。
この辺りは河が途中で枝分かれしていたり、
橋が何個もあったり。
ルートの選択肢が多すぎるため、
いちいち看板を立てていないのかもしれません。
どのルートも大きな違いはないのでしょうが、
スタートしたばかりの私は少し不安を覚えました。
結局Googleマップのルートで間違いはなかったですが、
台北出発直後は注意してくださいね。
サイクリングコースの罠
台湾の川沿い・海沿いには、
よくサイクリングコースが設けられています。
ほとんどの場合、車は走行不可なので安全ですし、
信号もないから止まる必要もなく超快適。
でもそんなサイクリンコースにも、
結構凶悪な罠が潜んでます。
台湾の郊外でちょいちょい遭遇したのが、
「工事中につき通行止め」の看板。
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これを見ると、ものすっごい萎えます。。
郊外だと道の数が少ないので、
別の道から行こうとすると結構な遠回り。
というかそもそも他に道の選択肢がないこともあるので、
その場合は来た道を戻るしかありません。
でもね、サイクリングコースって
だいたい一本道なんですよ。
(なのでほぼ「ふり出しに戻る」状態)
本来は気持ちよく走れるはずのサイクリンコース。
ただし、漕いだ時間と距離を「無」にするような、
こんな血も涙もない現実(看板)に遭遇することがあります。
そのときは出家したお坊さんのごとく、
ひたすらに心も「無」にして引き返しましょう。
新竹到着
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台北出発から約80キロ、
時間にして6時間ちょっと。
途中で少し迷いながらも新竹到着です。
新竹のとある地域に入ると、
やたらと高級そうなビル街が出現。
「何もない」と聞いていた新竹ですが、
なぜこんなに摩天楼が立ち並んでいるのか。
よくよく考えてみると納得の理由でした。
ここには「新竹科学工業園区(通称:竹科)」という、
台湾のシリコンバレーと呼ばれる地域があります。
新竹に本社を置いている半導体でおなじみ、
台湾企業「TSMC」は世界的に有名ですよね。
日本でも熊本県に進出するTSMCですが、
年収レンジは600万〜1200万円とのこと。
熊本ではかなり高待遇ではないでしょうか。
さすがは台湾のシリコンバレー企業。
ここ新竹に高層マンションが
雨後の竹の子のごとく建設されているのも納得です。
新竹なだけに。
すごい雨と◯◯に襲われる
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雨にはユニクロ
冒頭で書いたように、
そんな新竹を通り過ぎて
苗栗に向かうことに決めました。
この決断が新竹の神様を怒らせたのか、
苗栗に入る前あたりから雨が降ってきました。
しかも次第に激しさを増していきます。
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初日から雨かぁ。ついてないな。
バッグから取り出します。
このパーカー、環島中は重宝しました。
いくら温暖な台湾とはいえ、
雨に濡れたまま走行すると冷えてきます。
撥水加工のあるこのパーカーを着ると、
ある程度の寒さや雨は防いでくれます。
そしてその名のとおり、
使わないときはポケットに入るサイズに。
少ない荷物でやりくりする自転車旅には、
この超コンパクトアイテムはありがたいお供でした。
※ただし防水ではないので強い雨だと内側まで染みてきます
雨が降るとヤツらの時間
雨足は強くなる一方でしたが、
苗栗への道は車も少なく走りやすい。
その日の宿は苗栗の三義という場所にあり、
苗栗市街地からもなかなか遠い。
宿選びを後悔しながらも、
雨の自転車旅もいい思い出かなと感じていました。
そう、ヤツらに遭遇するまでは…
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ヤツらの名は、大水螞蟻。。
大水螞蟻(ダー シュイ マー イー)とは、
雨が降ると大量発生するという
台湾全土に分布する飛ぶ白アリです。
「飛ぶ白アリ」って字を見るだけで、
え、ヤダ、怖い。
もう絶対敵わないと感じるこの強敵感。
4〜6月の雨季になると、
大群でお引越しするアリさんなんですって。
どれくらい大群かというと、
降っている雨粒の数と同じくらいでした。
マジで。
おぞましいにも程があるで、しかし。。
白アリさんが気になって仕方ない人は、
こちらの大水螞蟻の説明記事を見るのです。
(グロ注意)
苗栗は田舎道。
ほぼ唯一の光源である街灯に
数メートルずつ等間隔で群がってるわけです。
もうね、自転車の走行中、
雨粒に叩かれてるのか虫にぶつかってるのか。
本当に分からないくらいでした。
(いや、結局どっちもなんですけど)
ちなみにこのときほど、
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マスクしてて良かったぁぁぁ!
と思ったことはありません。
マスクなかったら口内への侵入を許すどころか、
しまいにはきっと巣作りされてましたよ。。
もうこんな地獄絵図は勘弁です。
4月から6月に環島する方、
雨が降ったら「飛ぶ白アリ」に要注意です。
苗栗の宿に到着
夜20時ごろ。
びしょ濡れになりながらも
ようやく宿に到着。
台湾人からも「田舎」と呼び声の高い苗栗。
その苗栗のさらに郊外にある
三義という場所。
そこそこ山の中にありまして、
最後の最後で追い討ちをかける登り坂46。
白アリ飛行部隊の弾幕を超えたと思ったら、
お次は続々と道に飛び出してくるカエルちゃんたち。
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田舎すげぇ、田舎こえぇ。
ということで、お疲れ。自分。
よく無事に着いた!
そう、俺たちの冒険はこれからだ…!
と、打ち切り終了してもいいくらい
メンタルにダメージを食らってましたが、
ま だ 初 日 で す 。
もうとりあえずぐっすり寝たいぞぃ…
今日のお宿
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そんなボロボロの私を出迎えてくれた、
今日のお宿はこちら。
Miaoli Sanyi Travelling Homestay
ザ・バックパッカー宿、という感じの
アットホームなお宿です。
チェックイン時、スタッフのお兄さんに
どこから来たの?と聞かれて、
「台北から、チャリで来た」
と言い放ったあと、
私を見るお兄さんの目の
まんまる具合が忘れられません。
あ、ですよね。
やっぱりおかしいっすよね。
でも、接客が素敵なお兄さんでした。
雨でずぶ濡れだった私に対して、
「キミの靴濡れすぎて
歩くとジュボって音してるやんwww」
と笑いながら「靴にこれ詰めてな」と、
吸水用に新聞紙を渡してくれました。
私の頬も涙で濡れてまうやろー!
台湾の厳しさと温かさを知った
ステキな環島初日となりました。
Miaoli Sanyi Travelling Homestay
1泊 650元 / ドミトリールーム(日曜夜 料金)
価格:★★★★☆
接客:★★★★★
立地:★★★☆☆
施設:★★★★☆
充電:★★★★☆
個人的評価:4.0 / 5.0
【備考】
・自転車は屋内に駐輪可
・洗濯機はないが、手洗い用に洗剤&脱水機完備
・個別ロッカーなし
※金額は変わる可能性あるため参考程度に
【Day 1】今日の出費・走行距離
台北で朝ごはん 150元
セブンイレブンで水2本 30元
道に迷ってカフェで一服 290元
ファミマで水2本 30元
セブンイレブンで夕食 203元
苗栗のバックパッカー宿 650元
合計 1,353元
= 日本円換算 6,089円 (1元=4.5円)
走行距離:156.30 km
= 累計距離:156.30 / 1,217.88 km
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