さて、この日の移動は主に鉄道なので
自転車に乗る距離は約46kmだけ。
いつもの距離の半分ほどですね。
台北に戻るまでの日数は残り2日となり、
11日間走り続けて疲れきった心身にとって
短い距離で済むのはとても助かります。
鉄道に乗った紫色のラインが100km弱。
割合的には3分の2ほどでしょうか。
この日の前日に、
自転車をそのまま列車に載せる
「人車同行(中国語)」は練習済み。
そのときちょっとした失敗がありましたが、
おかげでもう怖いものなし!
※前日の記事はこちらから
(人車同行の解説に飛びます)
この日の目的地である、
礁渓(ジャオシー)は温泉の街。
そしてその通り道にある、
蘇澳(スーアオ)という町は
なんと珍しい炭酸冷泉で有名な地。
冷泉・温泉のどちらも入浴して、
体力の完全回復を狙います!
冷泉・温泉巡りの日
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まずは朝ごはん屋さんへ
乗りたい列車の時間まで、
まだまだ余裕があります。
というわけで久々に
地元の朝ごはん屋さんへ。
花蓮駅から2kmほどの距離にある、
蛋餅(ダンビン)が美味しいと評判の
こちらのお店を選びました。
大漢街早餐店
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レビューも☆4.4と好評価です。
蛋餅(ダンビン)とは
パリパリでモチモチの食感がたまらない、
朝食でよく食べる台湾オムレツのこと。
蛋餅の他にも台湾朝食には欠かせない、
台湾握り飯の飯糰(ファントゥアン)と
冷たい豆乳を注文します。
注文方法はメニューに書き込むタイプ。
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人気店かつ人手が足りないようで、
ピーク時には最大50分待ちになると
メニュー表に書かれていました。
私は朝8時前に行って
待ち時間は10分ほどでしたが、
そのあとから混んできました。
朝にこちらのお店に行く場合は、
早めの時間が良さそうです。
さてこちらが本日の朝ごはんです。
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この蛋餅のもちもち具合が
画面越しでも伝わるでしょうか?
画像を見てるだけでお腹が空きます。笑
台湾握り飯の飯糰(ファントゥアン)の
中身はこんな感じです。
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サクサクさを演出する揚げパンと、
肉でんぶ(肉鬆)が定番の具材。
日本のおにぎりと違うのがまたイイ。
もち米でぎゅうぎゅうに握ってあるので
見た目以上にボリューミーです。
少食の人はこれの半分で満足できるはず。
ちなみにこのお店の他の席に、
たまたまガチめのサイクリストが4人いて
そのうちの1人が話しかけてくれました。
朝みんなで自転車に乗って、
このお店でご飯を食べてから
出勤するのが日課なのだそう。
これこそ本当のリア充ですね。笑
しばらく話をしたあとに、
「環島加油!(環島がんばって!)」と
送り出してくれました。
冷泉とは?
冷泉のある蘇澳(スーアオ)に行く前に、
あまり聞きなれない冷泉について書きます。
まぁ読んで字のごとくですが、
冷泉とは温泉の冷たいバージョンのこと。
蘇澳冷泉は年間を通して22度をキープ。
水風呂より少し温かい(?)くらいですね。
冷たい温泉というだけなら
特に行く理由にはならないのですが、
蘇澳冷泉は世界的に珍しい炭酸冷泉。
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奇泉でスーパークールなのです
炭酸冷泉はここ蘇澳以外には、
日本・イタリアにしかないので
貴重な体験です。
運動後の水風呂は
疲労軽減に効くって言いますしね。
礁渓温泉とは?
ついでにこの日の目的地である、
礁渓(ジャオシー)の温泉についても
触れておきます。
環島Day 8で四重渓温泉に行きましたが、
下の記事でも書いたように
台湾の温泉は水着・水泳帽着用が一般的。
でも日本人からすると
「温泉入るなら真っ裸だろぉ〜」と
台湾でもワイルドに入浴したいところ。
そんな日本人的願望を叶えてくれるのが、
礁渓にある森林風呂です。
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ここの温泉であれば、
水着なんて身につけずに
生まれたままの姿で入浴できます。
もちろん浴場は男女別です。
※女性はシャワーキャップが必要
蘇澳新駅まで台湾鉄道で
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自転車をそのまま載せる「人車同行」移動
さて、冷泉・温泉の話題から、
いったん自転車旅に話を戻します。
花蓮から出発して、
まずは蘇澳冷泉を目指します。
冒頭に書いたように、
人車同行の方法は、
この日の前日に学習済み。
自動券売機を使えば楽勝という
必殺テクを駆使したことで、
今回は何の問題もなく移動できました。
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蘇澳新駅までの移動時間は1時間20分ほど。
自転車用の切符は58元(約260円)ですが、
この2倍の人間運賃を支払うこともお忘れなく。
この日の前日に私は払い忘れて
駅員さんに止められました。笑
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実は、冷泉のある施設の最寄駅は
蘇澳新駅ではなく蘇澳駅なのですが、
蘇澳駅に行くには乗り換えが必要です。
蘇澳新駅ー蘇澳駅の距離は3kmしかないので、
花蓮駅から乗り換えなしで行ける
蘇澳新駅で下車することにしました。
蘇澳冷泉公園の定休日に注意
蘇澳新駅で降りてから、
まずは蘇澳駅前にある
蘇澳冷泉公園に向かいます。
ここは市民プール感覚で入れる冷泉で、
足湯(足水?)もあるため
服のままでも楽しむことができます。
料金は大人120元。
私は水着を持ってきているので、
プール並みにはしゃいでやるぜ!
と、思ったのですが…
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誰もいないじゃん。
いや、これはお客さんがいないだけで
独り占めできるチャンスでは!?
そう思って窓口に行くと…
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毎周四公休、だと…?
(=毎週木曜定休)
今日木曜日じゃん。
やってないじゃん。。
実は私がここを訪れたのは2度目でして、
前回はコロナ明けのタイミング。
そのときも営業してませんでした。
なんとご縁のない。。
でも気を落とす必要はありません。
ここ蘇澳冷泉公園のすぐ隣に、
個室で楽しめる冷泉施設があります。
…お願いですから、
そっちもお休みってオチは
やめてくださいお願いします。
個室冷泉で堪能
その個室冷泉は
蘇澳冷泉公園から
徒歩5分ほどにあります。
蘇澳冷泉伝統湯屋
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こちらの定休日は
月の最終木曜とのこと。
この日は木曜でしたが5月中旬なので、
無事に冷泉を楽しむことができます。
月末の訪問じゃなくて本当に良かった。。
施設に入るとすぐにカウンターがあり、
「大人1人」と告げて支払いを済ませると
チケットと個室の鍵が渡されます。
お値段は1人300元(約1,350円)で、
入浴時間は40分です。
※複数人なら1人200元で1個室使えます
40分を超過してしまうと、
さらに300元かかるので注意。
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もらったチケットに
個室の番号と入退室時間を
記入してくれます。
退室時間の10分前になると、
個室の外からノックの合図があるので安心。
(突然のノックにまぁまぁビビります笑)
個室はこんな感じです。
タオルの貸し出しはないので、
自分で持参していきましょう。
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炭酸冷泉は無色透明で無味無臭。
掛け流しなので浴槽内の冷泉は
常に循環していて綺麗な状態です。
飲用としても胃や肝臓に効果があり、
冷泉を使った炭酸ソーダや羊羹が
地元の名産です。
個室でこっそり飲んでみましたが
源泉は炭酸水ほど炭酸が強いわけでなく
あんまり美味しいものではないです。笑
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手を入れて数分の炭酸具合はこれくらい
その昔、1890年代までこの炭酸冷泉は
虫の死骸が浮かび動物も近づかないことから
地元民から有毒な水だと誤解されていました。
日本統治時代に日本人が発見して以降、
医療効果があると認識されて今に至ります。
さて、40分の時間制限もあるので、
早速入浴し…たいところですが、
水温22度が冷たすぎてまず太ももまで。。
それでもしばらくすると
血行が良くなってきたようで、
少しずつ肩まで浸かることができました。
皮膚の内側のポカポカ具合と、
外側の冷泉による冷たさ具合の戦いが
不思議な感覚をもたらしてくれて面白い。
今回は体の疲労もあって
時間ギリギリまで冷たさに耐えられましたが、
普通の状態なら15分くらいで満足かも。
ちなみに聞くところによると女性の方が
比較的長く冷泉に浸かっていられるとのこと。
体質が男性と違うから、らしいです。
さて、40分間しっかり冷泉を堪能し、
さっぱりした体で記念写真をパシャリ。
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さてここから、
温泉のある礁渓(ジャオシー)に向かいます。
宜蘭駅を通過
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アーティスティックな宜蘭駅
冷泉を堪能した蘇澳も、
これから行く温泉地である礁渓も、
宜蘭(イーラン)県の一部です。
蘇澳から礁渓へ向かうルートは、
台湾鉄道の一等駅である
宜蘭駅に寄ることができます。
宜蘭駅舎に寄ってみましたが、
なんというかとってもファンシー。
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ここ宜蘭出身である世界的絵本作家、
幾米(ジミー)がデザインを手がけ
2014年に完成した駅舎です。
この駅舎の向かい側にある広場も
幾米(ジミー)がデザインしたそうです。
丟丟噹森林広場
その広場がこちらの、
丟丟噹(ディオウディオウダン)森林広場。
宜蘭駅舎と同じテイストで、
子どもが喜びそうなメルヘンな雰囲気。
実際に遊んでいる子が何人かいました。
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ちなみにこの汽車のモニュメント、
重量3,000kgあるそうです。
そこは全然メルヘンじゃないのね。。
宜蘭駅周辺には
日本統治時代の建物が残っていたり、
お酒のミュージアムがあったりします。
ただ今回は早く温泉に入りたいので、
泣く泣く宜蘭巡りはスルーして
礁渓への道を急ぎます。
温泉の街 礁渓到着
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日本っぽい温泉街
礁渓(ジャオシー)にわざわざ来る
日本人はきっと少ないでしょう。
だって、日本の温泉街っぽいんだもの。
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中規模ホテルが乱立している様は、
昔ながらの温泉街の雰囲気ムンムン。
物価も観光地価格で少し高めの印象。
台湾鉄道を使うと台北から約1時間。
台湾に来てまで礁渓を目指す人はきっと、
主要観光地では満足できなくなった強者です。
ちなみに礁渓には至るところに足湯があり、
観光客や地元の方で賑わっています。
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足だけじゃなく全身で温泉を浴びたいので、
ササっととお宿のチェックインを済ませて
温泉施設へと向かいます。
台湾では珍しい真っ裸温泉
さて今までも何度か触れてきたように、
台湾の温泉では水着・水泳帽の着用が
義務化されている施設がほとんどです。
「裸を晒す日本文化の方が異質だよね…」
…なんて諦めることなかれ!
こちらが台湾でも希少な
裸で入れる大衆温泉施設、
「森林風呂」です
森林風呂
施設の雰囲気はどことなく日本風。
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一般チケットは200元(=約900円)です。
窓口でボトルの水が欲しいか聞かれますが、
施設内に無料の水飲み機が設置されています。
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この案内に書いてあるのを見ると
女湯ではシャワーキャップが必要とのこと。
私は男なので目視確認はできていませんが。。
宿のアメニティにシャワーキャップがあれば
持ってくると良さそうです。
男湯はキャップ着用の必要はなく、
すっぽんぽんで入浴可能。
さていざ入浴すると、
木々に囲まれた露天スペースに
温度別の浴場が複数箇所かあります。
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日本の露天風呂とほぼ同じです。
これは癒されるぅ〜。
男湯にはサウナがあるのですが、
女湯にはどうやらなさそうです。
確認できないのが残念ですが(くどい)
しかし、快感に浸ってるなか、
なんか妙な違和感が。。
いろんなお湯を試そうと
浴場を行ったり来たりしていると、
何やら目で追われてる気がする。
気のせいならいいのですが、
2人のおっちゃん入浴客の熱視線が
私に集まっているような。
ここで急に真面目なお話ですが、
台湾は同性婚が法で認められている、
アジアで唯一の国です。
LGBTの権利・情勢において
アジアで一番先進的だと言われています。
そういった台湾の社会的背景を考慮すると
中高年が多い入浴客の中で
若めボディを平然と鑑賞する人はいるのかも。
実際に声を掛けられる、
なんてことはなかったですが
日本人にとっては不慣れな経験でした。
ちなみにこちらの森林風呂は
24時間営業です。
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深夜1時〜7時は清掃が入りますが、
入浴はできそうです。
早朝風呂が好き!
なんて人にもオススメ。
今日のお宿
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礁渓でこの日に泊まるのは、
森林風呂が目と鼻の先にある
こちらのお宿。
(Booking.comに飛びます)
他のお値段高めの宿泊施設には
施設内に温泉があるお宿も多いですが
こちらは森林風呂が近いのが強み。
ここのお宿のシャワールームは
清潔感にあふれていましたが、
使わず終いでした。
内装も綺麗で、
コーヒーやお茶などが無料で飲める
嬉しいフリードリンクのサービス付き。
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ドミトリーの部屋も
過ごしやすい雰囲気でした。
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ベッド脇には1口ですがコンセントがあり、
壁からパタンと倒して使える簡易デスクも。
電気はルームキーを差して使うタイプです。
1点、少し気になったのは、
ドミトリー部屋の床に
まぁまぁ綿ぼこりが落ちていたこと。
あと珍しかったのは、
チェックアウト時にフロント横まで
使い終わったリネンを返却するシステム。
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エコ的な観点からするとありですよね。
ただ、次の日は朝早くに出発したので
他の宿泊客を起こさないよう
無音でリネンを剥がすのは大変でした。笑
1泊 536元 / ドミトリールーム(平日料金)
価格:★★★★★
接客:★★★☆☆
立地:★★★★☆
施設:★★★★☆
充電:★★★★☆
個人的評価:4.0 / 5.0
【備考】
・屋内に自転車駐輪可
・鍵付きロッカーあり
・ランドリー設備あり(洗濯機・乾燥機、各40元)
・ベッド脇に電源コンセント・簡易デスクあり
※金額は変わる可能性あるため参考程度に
【Day 12】今日の出費・走行距離
大漢街早餐店で朝ご飯 105元
花蓮-蘇澳新区間の鉄道運賃(人間) 116元
花蓮-蘇澳新区間の鉄道運賃(自転車) 58元
蘇澳冷泉伝統湯屋 300元
コンビニで軽食 92元
East Hostel 536元
森林風呂 200元
コンビニで夜ご飯 250元
合計 1,657元
= 日本円換算 7,457円 (1元=4.5円)
走行距離:45.57 km
= 累計距離:1,109.65 / 1,217.88 km
いよいよ環島の旅も、
寂しいもので残り1日。
最後の目的地は台北!