さて、この日の目的地は台南。
個人的には台湾の中で台南が一番好きです。
ご飯や歴史、地元の人たちの温かさ、
好きなポイントは色々あるのですが、
実は私が台湾で初めて訪れた街、
というのが台南でして
その分、強い思い入れがあります。
ってなわけで、
環島5日目は嘉義から台南を目指します!
実は私、◯◯◯が大好きでして…
台湾どハマりキープは「想見你」のおかげ
突然ですが台湾ドラマについて語ります。
興味ない方は飛ばしても構いません…
が、
普段ドラマに興味ない私でも
どっぷりとハマってしまった、
とってもおすすめの台湾ドラマです。笑
私が初めて台湾に行ったのが2019年7月で、
同年12月までの半年で計4回台湾に行くという
どハマりっぷりを晒していました。
なんと1.5ヶ月に1回ペース。
我ながらアッパレなハマり具合。
しかし、その後すぐにコロナが流行し始め、
およそ3年弱、私は台湾お預けを喰らいます。
その間も台湾愛をずっと持ち続けられたのは、
「想見你」という台湾ドラマのおかげ。
想見你(邦題:時をかける愛)は
2019年台湾で放映された、
タイムリープ系サスペンス恋愛ドラマです。
(エンタメ要素てんこ盛り)
2020年の台湾テレビ番組アワードでは、
ドラマ作品賞・主演女優賞・脚本賞・革新的作品賞の
4部門を受賞するという記録的大ヒット作品。
私は中国語の勉強も兼ねて見始めたのですが、
気づいたら全エピソード5周くらいしてました。
もうハマるハマる。
ストーリーもいいし、俳優さんたちもいいし、
何もかも全てがいいんです!
語ると長くなるので語りませんが。笑
で、何が言いたいかというと、
この「想見你」の作中シーンの多くが
台南で撮影されているんです!
とはいえロケ地は散り散りばらばらなので、
普通の観光では訪れるのが難しい。
そこで今回みたいな自転車旅ですよ。
心置きなく好きなだけ見て回れるんです!
あぁ、幸せ。
ということで、
この日はちょいちょい聖地巡礼を挟みます。
想見你 聖地巡礼記①「通学路」
「想見你」の主人公たちは
2つの時代をタイムリープするのですが、
その1つが彼らの学生時代。
クラスから孤立するくらい冴えない女の子が
ちょっとやんちゃ系男子2人と出会うことで
物語が複雑に絡み出していきます。
そして彼らの運命の歯車が動き出す、
その出会いポイントこそが、
ここ、通学路なのだ!
んー、何もない。
見間違うことなき何もなさ。
すんごい田舎。
でも想見你大ファンの私は着いた瞬間、
「ウヒョー!スゲェー!!ヤベー!!!」
と奇声あげるくらいテンションぶち上がり。
作中ではこの場所が通学バスの停留所になっていて、
主人公女子がバスに乗りそこねてしまい
ここで立ち尽くしてしまうんです。
そこに原付バイクで通りかかった登校中の男子2人が
女子を見かねて後ろに乗せてあげようとします。
乗せてあげたあと何やかんやあって
「2台の原付で追いかけっこ」になるのですが、
それがまた青春でして。
「ちょ、待てよ!」的なセリフがあるのですが、
ひとり大声で再現してました。
ひとり楽しそうに「李子維 來囉!」と叫ぶ図
自分的「環島してよかったと感じた瞬間」の
トップ3に入るひとときでした。笑
想見你 聖地巡礼記②「おばあちゃんのかき氷屋さん」
その「想見你」の主役である、
やんちゃ系男子の2人は、
幼馴染であり親友。
どこへ行くにもだいたい2人一緒です。
そんな2人が下校後よくおしゃべりする場所が
このかき氷屋さん。
2人のうち1人の男子のおばあちゃんが
切り盛りしているお店です。
実在する老舗のかき氷屋さんでして、
台南市街から25キロ離れた場所にある
小さな町にあります。
お店の名前は 龍泉氷店
歴史は長く、
なんと100年も続いているお店らしいです。
店内に入るとドラマ作中で見たままの風景!
さらに主役3人のサインまで!
こりゃテンション上がるわ〜。
想見你成分が染みるわ〜(?)
ついでに水分と糖分も補給せねばなので、
早速かき氷を注文します。
こういうときは「綜合」を選んでおけば、
間違いないよね(自論)
注文したときお店のおばちゃんが、
「これも入れる?」と指さした先には
袋に入った謎の白い粉が。
勢いで「うん」と答えちゃいましたが
かき氷ができるのを待つ間、
徐々に不安な気持ちに。
なんかヤバい粉だったらどうしよう。。
と悶々としながら席に座ってたところに
「できたよ」とおばちゃんの声。
昔ながらのかき氷って感じです。
うん、甘くて美味しい。
奥底から葛きり的なプルプル出現。
これが先ほどの粉の正体だそうで、
粉粿(フングイ)といいます。
かき氷と相性ばつぐんでした。
さてリフレッシュもできたことですし、
もうちょっと頑張ります!
念願の八田與一記念館
日本人としてずっと訪れたかった
ドラマ「想見你」の聖地巡礼とは別に、
絶対行きたかったスポットが
もう1つあります。
それが 八田與一記念館 のある、
烏山頭水庫風景区です。
水庫というのは、
中国語で「ダム」という意味です。
嘉義・台南地区を中心とする嘉南平野は
現在でこそ台湾最大の農業地帯ですが、
昔は農業に全く向かないエリアでした。
日照り・豪雨・排水不良。
悪条件が3拍子揃った不毛な土地。
とはいえ台湾国土のほとんどは山岳なので、
広大な嘉南平野を何とかして活用したい。
そこで日本統治時代に立ち上がったのが、
水利技術者の八田與一氏でした。
八田氏の高い技術力と行動力、
そして作業員を第一に考える人間力により
台湾最大の農水施設、嘉南大圳(たいしゅう)完工。
総貯水容量1,540億リットルを誇る烏山頭ダム。
(アメリカのフーバーダム完工までは世界最大)
そして、16,000kmにもわたる水路。
着工後に起こった関東大震災により
大幅なコスト・人員削減を強いられるも、
八田氏はわずか10年で嘉南大圳を竣工させました。
まさに偉業です。
嘉南大圳によって農地整備が進み、
農作物の生産量が大幅に向上。
嘉南平野は肥沃地帯に生まれ変わりました。
嘉南大圳竣工後、
八田氏は太平洋戦争中に戦死してしまいますが、
今でも八田氏に感謝している台湾人は少なくありません。
私の知り合い(日本人)が台湾を訪れたとき、
知らない台湾人から急にこう話しかけられたと
とても驚いていました。
なぁ、あんた日本人だろ?
八田さんって知ってるか?
めっちゃ偉大な人だよ、ありがとな!
ちょうど慰霊祭のあと
八田與一氏の命日は5月8日。
彼の功績を讃えて毎年この日になると
烏山頭ダムで慰霊祭が行われます。
失礼ながら私は慰霊祭について
全然知らなかったのですが、
私が訪れたのは偶然にも3日後の5月11日。
没後81年を迎えてもなお
慰霊祭には多くの人が訪れ、
八田像の周りには多くの百合の花が。
八田氏の功績の大きさに、
思わず鳥肌が立った瞬間でした。
地元の小学生たちも
八田與一記念館を訪れると、
八田氏の生い立ちや
嘉南大圳による恩恵が展示されていました。
一番左が八田與一氏
同じ日本人として誇りを感じながら
展示物をじっくりと見ていると、
記念館スタッフの方々から声をかけてもらいました。
日本人かい?
あ、環島中なのか、すごいねぇ〜。
我々はみんな八田さんには感謝してるんだよ。
特に地元の人たちにとって、
八田氏の存在の大きさは計り知れないようです。
その感動をかみしめながら
お二人とおしゃべりしていると、
何やら可愛い団体客が。
あぁ、この子たちは地元の小学生だよ。
社会見学として八田さんのことを勉強しに来たんだ。
とのことでした。
見たところ小学5年生くらいの年代でしょうか。
八田氏についての説明をみんな熱心に聞いています。
何十年もの時を超えて
今では異国となった台湾で
こんな小さな子たちにも知られる八田氏。
子どもたちが学ぶ光景を目の当たりにしながら、
この事実にあらためて気付かされたとき、
私は身震いするほど感動しました。
日本人にとって馴染みが薄いのがとても残念ですが、
八田與一氏の偉大さをしみじみ実感しました。
日本人として1回は行くべき
おすすめの場所です。
台南到着
ここに来て買わざるを得なかったもの
冒頭で書いたとおり、
台湾都市の中で一番台南が好きな私。
台北から5日間かけて
ようやく台南に辿り着きました。
しかしその時間と距離と引き換えにした
大きな代償があります。
足 が か ゆ い
(水虫じゃないよ)
自転車を漕いでたら
速度的に虫には刺されないだろうと、
膝から下は露出していた私。
でも休憩など止まっているときは、
普通に刺されるわけで。
(当たり前じゃ)
お見苦しいですが両足刺されまくりです
そしてどうしてか日本の蚊より
かゆみが強く感じられるわけで。
それもそのはず。
台湾には 小黒蚊 と呼ばれる、
超強力な吸血虫がいるのです。
厳密には蚊の仲間ではなくブユ系で、
小バエのような見た目。
サイズは黒ゴマほどと小さい上に、
蚊のような羽音もないためほぼ気づきません。
日本人は耐性がないこともあり、
刺されると大きな腫れや激しいかゆみが
1週間ほど続きます(掻いたらさらに長引く)
しかも虫刺されの跡があざのように残り、
目立たなくなるまで3ヶ月ほどかかりました。
私は寝てるとき無意識にめっちゃ掻いてしまい、
朝起きたら患部を見たら流血や水ぶくれ。
これはメンタルにも睡眠にも良くない!
というわけで台南のドラッグストアへ。
日本製かゆみ止め、お値段150元。
日本でも500円くらいしましたっけ?
わざわざ台湾で買うよりは、
日本から持ってくる方が良さそうです。
(当たり前じゃ)
ただ、後で知ったことですが、
小黒蚊に対して
日本製かゆみ止めは効きが弱いそうです。
痒さのあまりかゆみ止めを塗りまくって
2週間で1本使い切るほどでしたが、
確かにそれでもかゆみは治りませんでした。
小黒蚊に刺されたら、
まず水や氷で患部を冷やす。
それでも我慢できない場合は、
パッケージに「小黒蚊」と書いてある
かゆみ止め薬を買う。
最終手段は皮膚科へゴー、
だそうです。
蚊に比べると吸血する口は短いので、
衣服の上から血を吸われることはないそうです。
ベストは肌を露出しないことですね。
ただ、小黒蚊以外に一般的な蚊もいますし、
温暖な台湾では一年を通して
虫に刺される可能性はあります。
台湾を訪れる際は、
虫刺され対策を念入りに。
【晩ご飯】有名なのに無名
チェックインを済ませて
しばらくロビーの椅子で
恒例の晩ご飯リサーチです。
ちなみにメインのリサーチ方法は
Googleマップに「ディナー」と入力して、
クチコミが好評のお店をチェックしていきます。
時間があればインスタグラムも使います。
いろんな人が「オススメのお店」を
投稿していることが多いので。
今回は宿から近くて、
かつ口コミの点数が高かったこちら。
無名米糕(炮店米糕)
無名という名を冠するも、
レビュー数3,000越えの☆4.3!
もはや「有名」に店名変えてもいいレベル。
18時40分ごろに入店したのですが、
主力メニューの米糕はもう売り切れ。
一般的な米糕はプリンみたいに成形された
もち米の塔みたいなおこわっぽいものですが、
台南の米糕はぜんぜん違うらしいです。
普通にお椀に盛られたもち米の上に
滷肉や魚鬆(でんぶ)がのっかっている、
見た目は魯肉飯にも見える一品なのだそう。
売り切れで食べられず残念ですが、
代わりに3品注文しました。
注文方法はメニューを見ながら、
白紙に自分で書いていくスタイル。
日本人なら難易度やさしめですね。
・はまぐりのスープ
・肉燥飯
・乾麺
これで占めて95元(約430円)
めちゃコスパ良くないですか?
味もばつぐんに美味しかったです。
特にはまぐりのスープ。
見た感じ薄味のようですが、
はまぐり出汁のパンチが意外と強め。
スープなのに空腹度が満たされるくらい。
他の肉燥飯と乾麺も
もちろん美味。
場所も台南の中心部、
大きなラウンドアバウト(円環)の近くで
アクセスしやすい立地もGood!!
台南を訪れたらまた来たいお店です。
今日のお宿
台南で泊まったお宿はこちら!
清淨背包客棧-民權館Quiet Hostel - Minquan Inn
(Booking.com に飛びます)
館内には宿泊客との写真が
たくさん飾られていて、
人気のお宿のようです。
写真の中には知った顔が。
台湾界隈では有名なYouTuber、
サンエン台湾の面々も宿泊したみたいです。
このお宿の良かったところは、
コスパの良さと優しさのある接客。
宿泊代はなんと400元。
1元 = 4.5円の円安状況でも
2,000円以下のお手頃さ。
そのぶん施設がボロい、
ということもないです。
むしろ新しさすら感じられる内装。
1つだけ不満点を挙げるとすると、
壁が薄いこと。
上の階や隣の部屋の音が結構漏れます。
気になる方は、
耳栓を持参するのが良いでしょう。
まぁドミトリータイプなので、
どのみち音対策は必要ですね。
接客は本当に良かったです。
南部の人たちは人情味があるというか、
他人に話しかけるハードルが低いんですかね。
ご飯食べた?(台湾でよくある挨拶)
ご飯まだならグルメマップあるよ。
あ、冷蔵庫にフルーツあるから食べていいよー。
もう最後のセリフなんて、
親戚のおばちゃんと同じレベル。笑
トイレやシャワーなどの水回りも清潔。
有料ですが洗濯機と乾燥機も完備。
今回の環島旅でトップ3に入るオススメ宿でした。
清淨背包客棧-民權館Quiet Hostel - Minquan Inn
1泊 400元 / ドミトリールーム(平日料金)
価格:★★★★★
接客:★★★★★
立地:★★★★★
施設:★★★☆☆
充電:★★★★★
個人的評価:4.6 / 5.0
【備考】
・屋内に自転車駐輪可
・洗濯機、乾燥機完備(有料:それぞれ10元)
・個別の鍵付きロッカーあり
※金額は変わる可能性あるため参考程度に
【Day 5】今日の出費・走行距離
綜合かき氷 50元
烏山頭水庫風景区入場料 100元(八田與一記念館)
台南の宿 400元
日本製かゆみ止め 150元
晩ご飯 95元
洗濯 10元
合計 805元
= 日本円換算 3,623円 (1元=4.5円)
走行距離:90.49 km
= 累計距離:502.51 / 1,217.88 km
次の目的地は高雄!
合わせて読みたい