キャリア

キャリアに悩んだとき知っておくべきこと

人生において「キャリア」は避けて通れないテーマです。

 

一般的には20歳前後から社会人となり65歳で定年を迎えるので、

40年という長い期間を、仕事に費やすことになります。

 

人生の半分以上にあたるくらい影響力のあることですから、

「自分に合ってる仕事って何だろう」

「今の仕事を続けていても本当に大丈夫かな」

というように、悩みを抱えることはごく自然なことです。

 

今回は、キャリアに悩んでいる人に向けて

「お悩み解決のきっかけ」となる記事を書きました。

 

誰にとっても簡単に分かるような内容にしていますので

ぜひキャリアを考える上で参考にしてみてください。

  

キャリアの相談先

さて、キャリアに悩んだときはどうすればいいでしょうか?

もちろん家族や知り合いに相談するという方法も一つです。

あるいはキャリアについての本を購入して読んでみるのもアリでしょう。

 

でも「キャリア相談」を専門とするプロに話を聞いてほしいこともありますよね。

そんなサービスを提供している組織・団体がいくつか存在しています。

 

社会人、学生などの自身のステータスによって選択肢が変わってきますので、

どんな相談サービスがあるか一緒に見ていきましょう。

 

人材紹介系の企業(転職エージェントなど)

「転職したい!」と思った人が最初にコンタクトを取ろうとする相手。

それが転職エージェントではないでしょうか。

 

でも初めて登録しようとするとき、

「求人情報をゴリゴリ紹介されないかな」

「自分と合わない企業に無理やり就職させられないかな」

なんて考えると結構緊張しますよね。

 

確かにそういった一面を感じさせるエージェントもいます。

転職したい人を企業に就職をさせることで、

企業から報酬を得るお仕事ですからね。

 

転職者側は無料なので、

その辺りは割り切って考えなければいけません。

(一部には転職者側も有料になるサービスもありますけどね)

 

ただ一方で、優しくキャリア相談に応じてくれるエージェントもいます。

「転職者と企業の両方が納得のいく就労支援をすること」

これも人材紹介企業の評判に関わる大切なお仕事だからです。

 

残念ながら、良いエージェントに巡り会えるかどうかは運次第です。

「この人ちょっと違うな」

こう感じた場合は、他の人材紹介企業にスパっと切り替えてしまいましょう

 

民間企業のキャリア相談サービス

相談したい側がお金を払うサービスもあります。

それが民間企業によるキャリア相談サービスです。

 

キャリア=人生、という認識が浸透してきているこのご時世。

ビジネスとしてキャリア相談を行う企業が増えてきました。

「キャリア相談 サービス」とgoogle検索すると結構見つかります。

 

こうしたサービスを使う場合、求人情報は紹介してくれません。

その分、お悩みを深掘りすることで、根本から解決することを目指します。

自分について深く理解していく、というイメージです。

 

マンツーマンでのキャリア相談となるため、費用は比較的お高め

でも初回限定の無料相談体験を用意している企業がほとんどです。

 

「自分のキャリアって何だろう」

「自分がやりたいことが全然分からない」

 

こんなディープなお悩みをお持ちなら、

まず無料相談を試してみるのもアリですね。

 

自治体サービス(ハローワークなど)

「お金を払うのはちょっと…」

という人は無料で受けられる自治体サービスを利用しましょう。

 

え?自治体のサービスと聞くと何か古臭いイメージがあるから嫌だって?

まぁその気持ちは分からなくもないです。

 

でも意外と自治体もあなどれませんよ。

ハローワークではキャリアコンサルタントが相談に乗ってくれますし、

スキルを身に付けるためにいろいろな職業訓練を案内・提供してくれています。

 

しかも条件次第ではありますが、

給付金を受給しながら、

無料で訓練できる制度

という手厚すぎるサポートも。

求職者支援制度

 

ね、思ったよりすごいでしょ?

 

あるいは若者向けに特化した「ジョブカフェ」というサービスもあります。

 

「若者が自分に合った仕事を見つけるための全サービスを1か所で提供する」

という目的で作られました。

 

各都道府県に設置されていて、ハローワークと併設されているところも多いです。

(ジョブカフェ一覧はこちらから)

 

場所によってはイベントやセミナー、学生向けサービスも実施していて、

「無料でいいの?」と思うくらいかなり充実した内容と言えます。

 

お金が掛からないことを考えると、気軽に足を運びやすいですね。

 

キャリア形成サポートセンター(厚生労働省委託事業)

地方自治体だけでなく、国としてもキャリア相談の場を設けています。

それが厚生労働省が主体となって運営している「キャリア形成サポートセンター」です。

略して「キャリサポ」とも呼ばれています。

 

このサービスも結構あなどれないですよ。

まず、国とは思えないくらい見やすいサイトになってます。

だって、ほら、政府とか自治体のサイトって見づらいのが多いじゃないですか。

その点は利用者目線になってサイトを作ってくれているような気がします。

 

さらにキャリアについての理解を進めやすいように、

「マンガで分かる!」とか「アニメで分かる!」というコンテンツも用意されています。

どうしたんだ厚労省、すごいじゃないか!(賞賛)

 

あとはもちろん、キャリアコンサルタントによるキャリア相談もできます。

はい、こちらも無料です。

しかも嬉しいことに 対面 or オンライン が選べますし、

平日夜や土曜でも実施してくれています。

 

国のサービスも意外と悪くないでしょ?

それだけ国や自治体も、個人のキャリアについてちゃんと考えているってことです。

まぁそれを国民に知らせる手段が上手じゃないなぁとは思いますが…

 

というわけで「知らないと損!」くらい言えるコンテンツですので

ぜひチェックしてみましょう!

 

学校

最後に紹介するキャリア相談の場は学校機関です。

学生さんが頼りやすいのが大学によるサービスですよね。

 

キャリアセンター、就職センター、就職部など。

名前の違いはあるかもしれませんが、

ほとんどの大学で用意されているはずです。

 

就職活動に関するガイダンスやイベントを開催しているので、

「働くこと」について考える良い機会になるでしょう。

もちろん個別相談も積極的に活用していくのが良いですね。

 

キャリアカウンセラーやキャリアコンサルタントに対して、

自分の悩みを打ち明けることもキャリアを考える上ではとても重要

第三者のアドバイスから意外なアイデアを発見できることもあるからです。

それがキャリアのプロの意見ならなおさら。

 

あるいはインターンシップを紹介してくれることもあります。

就活するときの強力なアピールポイントとなるので、ぜひ挑戦しましょう。

 

「社会人として働く」というのはアルバイトと少し違うものです。

責任感とかスキルアップとか、そんなプラスαのことが求められます。

 

インターンはそんな社会人としての働き方を疑似体験できる貴重な機会です。

就活にはもちろん、今後のキャリアプランを考える上でも必ず役立ちます。

 

キャリア開発 (career development)

どうせ就職や転職をするなら「やりたい仕事」を選びたいですよね。

もっと言えば「好きなこと」を仕事にできたら理想的です。

ただ、そんな仕事を簡単に見つけることができれば誰も苦労しません。

 

自分にとって理想のキャリアを実現するために必要なこと。

それは「キャリア開発」について考えることです。

キャリア開発とは、個人が自身のキャリアを積極的に管理・運用することを指します。

 

キャリア開発の例としては、

  • これまでのキャリアの振り返り
  • 労働市場の調査
  • 必要な自己啓発の判断
  • 新しいキャリアの選択
  • キャリアチェンジ

 などが挙げられます。

 

キャリア開発の目的は、自身のキャリアを開発・発展させるプロセスを描くこと

そうすることで理想的なキャリアを実現させる土台を作るわけです。

 

今回はキャリア開発の観点から、

「キャリア選択の考え方」と「キャリアチェンジについて」お伝えしていきます。
 

キャリア選択の考え方

キャリアを選択するために考えるべき3つの要因、

それが客観的要因、主観的要因、そしてクリティカルコンタクト(批判的接触)です。

 

  1. 客観的要因
    • キャリア選択者が合理的な考え方をすることが前提。
    • 仕事のメリットを具体化し、客観的に評価をする必要がある。
    • 評価の対象となるのは、給与・福利厚生・勤務地・キャリアアップの機会など。
  2. 主観的要因
    • 心理的および社会的要因によってキャリア選択を決定する。
    • 会社の印象・仕事の評判などが要因。
  3. クリティカルコンタクト(批判的接触)
    • 組織とのコミュニケーションに対する実感が、キャリア選択の決定において重要な要因となる。
    • たとえば、採用担当者との連絡手段、対応の迅速さ、あるいは丁寧さなど。

 

自分がどんなキャリアを選択するか。

このことについてじっくりと考えることが可能であれば、この3つの要因理論が効果的です。

 

しかし実際にキャリア選択を迫られたとき、そんな余裕はないことがほとんどです。 

その結果として、理想とは異なる妥協によるキャリアに縛られている人もいます。 

 

自分にとって最適なキャリアを選択するため、

考えるべきことは意外とたくさんあります。

 

自分の長所・特技、ワークスタイル、ワークライフバランス、社会的評判、ストレス耐性、そして報酬などです。

 

ただでさえキャリア選択という一大事を迎えているのに、

こんなに多くのことを並行して考えるのは無理な話です。

 

キャリア選択によるプレッシャーが大きすぎて不安に押しつぶされそうなとき

そんなときはまずこの意識を持つようにしてみてください。

 

その日その日の中で、自分が正しいと思う選択をひとつずつ行うこと。

 

自分が選択できる範囲で構わないので、

その中でベストだと思うことを自分の意思で決定しましょう。

 

こうした日々の積み重ねが、

将来大きな決断をするときのための練習となります。

 

現代の働き方を考えると、

「一度キャリアを選択したら一生その仕事のまま」

ということはレアなケースです。

 

日常の中で自分にとって最適な決断をしながら、

長期的な観点でキャリアプランを立てられることが理想なのです。

 

キャリアチェンジ

キャリアを変えることについて考えてみましょう。

キャリアチェンジは、人生においてもっとも重要な局面です。

 

ここ数年だけでも「働き方」は劇的に変化しており、

今後これまで以上に多くの人がキャリアチェンジを実践することが予想されます。

 

アメリカでは、一個人が経験する職業数はなんと12回

2021年アメリカ合衆国労働省労働統計局統計

 

また、Time.comという記事によると、

働いている人のうち3人に1人が、

1日あたり約1時間、別の職を探しているそうです。

 

「1つの仕事に縛られる必要はない」

というのがアメリカの考え方です。

 

無理にアメリカの真似をする必要はありませんが、

自由なキャリアを実現させたいという思いは、

どの国の人にとっても共通のことでしょう。

 

キャリアを変えることに対して不安を感じている場合は、

「アメリカ人みたいな考え方もある」と思えると

ちょっと安心できるかもしれません。

 

キャリアの意味

最後にキャリアの意味について考えてみます。

 

ざっくり「キャリア」という言葉を説明すると、

学業・仕事など様々な経験を通して形成される「人生という旅」と言えるでしょう。

 

ただ、厳密にキャリアという言葉を説明しようとすると、

なかなか難しいのが正直なところ。

 

なぜなら「キャリアの価値」が注目されている現代において、

あらゆる場面でキャリアという言葉が使用されているからです。

 

まずは分かりやすく社会的なキャリアの定義から、

「キャリアとは何か」を見ていきましょう。

 

キャリアとは何か

オクスフォード英語辞典では「キャリア」という言葉を、

「人生の経過、または進捗」と定義しています。

 

やはり本来のキャリアの意味としては、

私たちの生活、学業、仕事など様々な要素と深く関係する「人生そのもの」と言えるようです。

 

ただ一般的には、人生の一部である「仕事」がキャリアの意味だと捉えられていることがほとんどです。

「キャリアウーマン」といった言葉がいい例ですね。

 

あるいは「仕事」に近しい定義として、

特別な訓練や教育を伴う業務や専門職として表現されることもあります。

 

例えば 「教育におけるキャリア」「金融業でのキャリア」 など、

ひとつの業界内で長期的に突き詰めていくような一連の業務や職業というイメージです。

 

ちなみに日本の厚生労働省が定義している「キャリア」は、

そのイメージに近いようです。

「キャリア」とは、過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すものです。「職業生涯」や「職務経歴」などと訳されます。

(引用)平成14年7月、厚生労働省「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書

(うーん、日本人が書いた日本語の文章なのに何か分かりづらい。。)

 

ま、シンプルにまとめるとキャリアの定義として、

  • 「人生そのもの」と捉えられる場合
  • その人生の一部である「仕事」「業務」「職業」など働くことに関連するものを指す場合

この2パターンがあるということです。

 

キャリアの由来

そもそも「キャリア」という言葉は、

ラテン語で「戦車」という意味を指す carrus に由来します。

 

英語だと chariot=チャリオット ですね。

ジョジョ好きならピンと来るかも。

 

キャリアのことを轍(わだち:車輪の通った跡)と表現する人もいますがこれがその背景です。

 

さて、その「戦車」に由来する言葉が、

「仕事」の意味を持つようになったのはいつごろからなのでしょう。

 

オンライン語源辞典によると、

「キャリア」に「職業的生活の過程」という意味が出現したのは、

なんと1803年のこと。

 

それを裏付けるようにドイツの詩人ゲーテの「literary career」など、

1800年に出版された本の中でキャリアという言葉が使用されています。

 

どちらかというと新しい響きを感じる「キャリア」という言葉ですが、

200年以上前から存在していたというわけです。

 

キャリアにおける成功の移り変わり

最近ビジネス書やキャリアに関する学術書などで

「キャリアサクセス」という言葉を目にするようになりました。

文字通りキャリアにおける成功という意味です。

 

キャリアサクセスの要素として挙げられるのは、

  • 「どんな仕事で成功を収めたか」
  • 「どういう方法で成功を収めたか」

といった職業や業務の範囲と、その達成方法です。

 

ほんの数十年前までは1, 2つの会社で働くことが一般的であり、

昇進、昇格、昇給といった会社が決定するステータスによって

キャリアサクセスのレベルが決められていました。

 

1950年代に定義された「キャリア発達理論」(D・スーパー)にも、

この時代背景が色濃く反映されています。

(この理論は「キャリアの古典」とも呼ばれるありがた~い理論です)

 

キャリア発達理論の基礎となる考えとして

「ライフステージ」というものがあります。

 

分かりやすく一言で紹介すると、

「とんとん拍子でキャリアを進められると人生って5段階に分けられるね」

というものです。

 

つい数十年前までのキャリアサクセスとは

「ステップを踏みながら時間を掛けて組織の階層を登っていくもの」

と認識されており、比較的予測しやすいものでした。

 

しかし経済や技術の変化スピードが加速している現代において、

キャリアを予測することがかなり難しくなっています。

 

なぜなら会社が面倒を見てくれる終身雇用型の働き方は、

もはや化石のように古いもの。

 

今や個人の責任でキャリアの管理をする必要があり、

そうなると「キャリアサクセス」を語るとき、

必然的に個人の主観が目立つようになります。

 

たとえば、仕事の満足度、キャリアの満足度、ワークライフバランス、個人的な達成感、個人の価値観に合う仕事、などなど。

 

以下のようなキャリアサクセスに必要な要素を「キャリア資本」と言います。

  • 社会的資本(いわゆるコネ)
  • 人的資本(個人のスキル、経験、資格)
  • 経済的資本(成功達成に必要となる金銭的なリソース)
  • 文化的資本(ある特定の環境下で効果的に行動できるスキル)

これらのキャリア資本を蓄積できれば、

キャリアサクセスの可能性をアップさせることができるのです。

 

誰もが「キャリアを成功させたい!」と思うのは当たり前のこと。

 

そのキャリアサクセスを達成するためには

キャリア資本の様々な要素を、

私たち一人ひとりが考える必要があるのです。

 

  

まとめ

ひとくちに「キャリア」と言っても、

様々な背景や歴史があることが分かりました。

 

ただ、確実に言えることは、

自分のキャリアは自分で管理しなければいけないということ。

 

そして大切なのは悩みを抱え続けるのではなく、

悩み解決のため実際に行動に移してみること

 

あなたのキャリアはあなたのものであり、

誰かに代わってもらえるものではありません。

 

ご自身にとってベストなキャリアを選択できるよう、

少しずつでも構わないので、

キャリアという人生の道を一歩ずつ進んでいきましょう。

 

  • この記事を書いた人

しんのすけ

1986年、愛知生まれ。アメリカの大学卒業。金融危機下でなんとか就職するも、会社の歯車として働くことに疑問を感じていた。その後「やりたいことをやる」という信念のもと、現在に至るまで7社5職種+独立・起業のキャリアを経験。プライベートでは易学の研究や中国語の勉強も。台湾が大好き。

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