環島最難関コースである、
日月潭の登りを何とか走破して
一夜明けた朝。
意外と爽やかに起床できた気がします。
さて、宿の屋上テラスから
日月潭の湖面でも優雅に眺めようか、
と、階段を上がろうとしたその瞬間。
膝がめっちゃガクガク笑っとる。
階段についてる手すりのありがたさよ。。
そして立ち漕ぎのしすぎで、
背中の筋肉もちょっと痛い。
環島4日目にして
早くも肉体的ダメージです。
ま、この日の序盤はガッツリ下り坂だし、
目的地の嘉義市内も平坦。
なんとかなるでしょう!
というわけで朝9:20ごろ、
日月潭からスタートです。
ようやく環島仲間に遭遇
※画像はイメージです
欧米系のイケメン
台北から苦節(?)3日間。
道中ずっと1人で走ってきました。
途中、桃園から苗栗の媽祖廟(拱天宮)に
自転車でお参りに行くおじちゃんはいましたが、
ガチ環島仲間には遭遇しませんでした。
(桃園〜苗栗で100kmあるから、そのおじちゃんも十分スゴいんですけど)
疲労もまぁまぁ蓄積してきて、
環島挑戦というアゲアゲ↑テンションより
寂しさが勝ろうとしていたこの日。
4日目にして、ようやく環島仲間に遭遇します。
遠くの方に見える、
私と同じように自転車後部に
左右ぶら下げた大きなバッグ。
富士山に登る外国人観光客よろしく、
装いはTシャツと短パンスタイル。
信号待ちで追いつくも
現地人が乗る原付バイクだらけで
近くまで行けませんでしたが、、
長身の金髪碧眼イケメンやないかーぃ。
見た感じガチの自転車乗りではなかったので、
普通の欧米アニキも環島するくらい
台湾一周ってポピュラーなのね。
彼とは道中抜きつ抜かれつで
お互い認識はしていましたが、
結局ゆっくり話せず終いでした。
それでもこの日の目的地の嘉義市内で
たまたますれ違ったとき、
"Hey! (キラーン)”
って会釈してくれました。
キャーカッコイイー!!
来世は金髪イケメンに生まれたいもんだぜ。
竹山神社跡
このイケメンに遭遇する少し前、
南東県の竹山鎮を走っているとき。
突然、道脇に神社の鳥居が現れました。
日本なら鳥居くらい当たり前ですが、
台湾で鳥居がドンっと出現したことが
超違和感で思わず停車したのを覚えています。
あとあと調べてみると、
竹山神社の跡があったのだそう。
日本統治時代に良質の竹が採れたことから、
このあたりは竹山と名付けられて
盛んに開発が行われていたらしいです。
ぱっと見では鳥居以外の拝殿は見えなかったので、
そのまま通り過ぎてしまったのが残念でした。。
車籠埔断層保存園区
921大地震の最大震度地
実は環島を実施する前に、
色々な筋から観光地情報を集めていました。
そしてオンライン中国語レッスンの
美人先生に教えてもらったのがここです。
車籠埔断層保存園区
科学館のような施設なのですが、
Googleのクチコミが
めっちゃ多いしめっちゃ高評価。
入館料は50元。
日本円だと約230円、めちゃ安です。
車籠埔(しゃろうほ)断層とは、
1999年に台湾中部で起きた
921大地震によって出現した断層です。
最大震度7相当の揺れに襲われ、
当時の総統だった李登輝氏が
対応に奔走していました。
この施設では
丁寧に掘り起こされた断層を、
リアルに見ることができます。
断層を見る機会なんてほぼないので、
かなり圧倒されました。
台湾と日本。
同じ地震大国として地震の怖さを
あらためて思い知らされます。
日本の救助隊
台湾と日本の地震についてのお話を、
もう少しだけ書かせてください。
1999年台湾で起こった921大地震。
このとき「いの一番」で駆けつけたのが
日本の救助隊でした。
この迅速な対応を見た、
当時の総統、李登輝氏は
「将来日本で危機があれば、
真っ先に駆けつけるのは台湾の救助隊だ」
と語ったそうです。
そのあと起こった東日本大震災で
この約束を果たすかのように、
台湾はすぐに救助隊の派遣を打診。
しかし当時の民主党政権と折り合いつかず、
台湾の救助隊が受け入れられたのは
中国や韓国の救助隊到着後になったそう。
すでに李登輝氏は総統の職を退いていましたが、
いちばんに駆けつけるという約束を
果たせなかったことについて、
「私にとって生涯の痛恨事である」
と吐露していたようです。
日本政府が中国に配慮したのは明らかで、
こういう話を知ってしまうと
やるせない気持ちになりますね。
地震以外のテーマも豊富な科学館
さて話は戻りまして、
車籠埔断層保存園区について。
こちらは地震がメインの科学館ですが、
ほかのテーマの展示も豊富。
電気や動物についてなど、
お子さんが飛びつく内容ばかり。
正直私としましては、
台北の故宮博物館より楽しかったです。
(私、故宮博物館を1時間で出てきました)
さらにこの科学館には、
映画館並みの映像シアターもありまして、
ボロボロの体には休憩場所としてもありがたい。
この日は平日でお客さんも少なく、
ちょっとの間だけ目を閉じて
身体を休ませてもらいました。
まさか警察のお世話に
街のサイクリングステーション
車籠埔断層保存園区で
リフレッシュさせてもらってすぐ。
私は警察のお世話になりました。
まぁ、実のところ、
何かやらかしたわけではありません。
環島コース沿いの警察派出所には、
サイクリストのサポートをしてくれる
補給所の機能を持つ派出所があります。
分かりやすい看板があるので親切
あれは台北でのことでした。
この自転車を借りるとき
サイクルショップの店員さんから、
「タイヤの空気圧は 3, 4日おきにチェックして!」
と言われていたのを思い出し、
今日は絶対空気入れんと!
と思っていたところです。
しかし、何も悪いことしていないとはいえ、
異国の派出所に入っていくのは
けっこービビる。
入ろっかやめよっか考え中〜
なんて昔のCMさながらの葛藤の後、
意を決して入り口の自動ドアを開けました。
台湾の警官さん、ええ人や〜
お邪魔した派出所はこちら。
南投県政府警察局竹山分局延平派出所
屋内に入っていくと、
うゎ〜、なんかこのカウンターとか
台湾のドラマで見たことあるよ〜。
…なんてドキドキしながら
入る前の小一時間、脳内練習しておいた
「すみません、空気入れ借りられますか?」
という中国語を、
お兄さん警官に向かって言い放つと、
快く貸してくれました。
そしてなぜか一緒に外に出てくれる。
なぜか一緒に自転車に空気を入れてくれる。
もしや暇だったの?
空気を入れてるときに、
いろいろと立ち話をしました。
環島するってすげーなぁ。
俺、年末に沖縄に行くんだぜ。
簡単な日本語教えてくれよ!
…人懐っこ!
台湾の警官、人懐っこ!
人懐っこさが滲み出る写真
もしこの辺を通る人がいたら、
積極的にお世話になりましょう。
最後にお礼を言って
立ち去ろうとしたら、
水足りてる?
コーヒーも持っていきなよ。
砂糖なしと砂糖あり、どっちもあるぜ!
と、たくさん飲み物くれました。
いい人具合がエグいんじゃ〜。
はじめての台湾警察体験は、
文句のつけようがない
素晴らしい思い出になりました。
こういう人情味のあるやり取りって、
疲れていても一瞬で元気になれるもんですね。
めっちゃパワーもらうことができました。
嘉義到着
KANO
そんなこんなで嘉義市に着きました。
嘉義と聞いても、
いまいちピンと来ない人も
多いのではないでしょうか。
私にとっての嘉義のイメージは、
「KANO 1931海の向こうの甲子園」
という映画の印象が強いです。
1931年の夏の甲子園、
決勝まで駒を進めた台湾の学校が
初優勝をかけて熱戦を繰り広げる。
という日本統治時代の台湾に
フォーカスした作品です。
お察しの通りその学校こそ、
嘉義農林学校という実在した学校でした。
嘉義農林だから、
KANOというタイトルなわけですね。
はじめは弱小だった野球部の部員たちが、
永瀬正敏演じる監督の厳しい練習を通して
選手としても人間としても成長していく。
という実話をもとにしたストーリー。
このKANOは台湾で大ヒットを記録したようで、
当時のエースピッチャーの記念像が
嘉義市街の中心地に建てられています。
ゆっくりですが回転してます(周りの店舗からお尻を向けられたくないという苦情があったとか)
ちなみに作中には、
大沢たかお演じる八田與一氏も出てきて
台湾好きは必見の作品です。
阿里山森林鉄路車庫園区
嘉義といえばもう1つ、
阿里山山脈を中心とする山岳群があるのも
ここ嘉義です。
台湾茶をお土産で買っていくとき、
「阿里山茶」というブランドも見かけるので
聞いたことある人もいるのでは。
阿里山は上質なヒノキの産地であり、
日本統治時代に伐採されたヒノキは
明治神宮の初代大鳥居として使われていました。
そのヒノキを運搬するために作られた、
阿里山森林鉄路という鉄道の
記念公園が嘉義市内にあります。
それが阿里山森林鉄路車庫園区です。
退役した機関車たちを間近で見られるほか、
運行している列車の車庫にもなっているようです。
KATOWORKS TOKYOと表記のある日本の機関車も
園内マップ
私は運が良かったので
嘉義駅から戻ってくる列車を見ることができました。
なんとこのクオリティにして、
入場料は驚愕価格の0元。
安心してください、無料ですよ!
私は鉄道好きというわけではありませんが、
それでも楽しむことができたので
かなりオススメのスポットです。
嘉義の絶品チャーハン
宿でチェックインを済ませたあと、
しばし嘉義の夕飯リサーチタイム。
するとなんと、
「台湾で最もおいしい炒飯の店トップ10」
の4位に入ったお店が嘉義にあると判明!
ちなみに上位トップ3は全て台北のお店なので、
これはもう地方No.1と言っても過言ではないはず。
さっそくレッツらゴー!(古い)
嘉義駅からほど近い徒歩5分の距離にある、
慶昇小館というお店です。
夕飯どきの18時半ごろに入店したので、
店内にはもうすでに人がたくさん。
この辺から人気具合がうかがえます。
まず店先すぐテイクアウト待ちの列があり、
物理的にも精神的にも入店をブロック。
でもここで負けてはいけません。
その列をかき分けて進むも店内は満席。
お店の人に店内で食べることを伝えて
レジ前で少し待ちました。
本来であれば席についてから
記入式メニューをレジに持っていき注文、
という形なのですが。。
お客さんの多さに動揺しまくっていた私。
それを見かねたのか店員さんが忙しい中、
「何が欲しい?」と注文を聞いてくれました。
このあと夜市にも行きたかったので、
軽めのキャベツチャーハンを注文して、
その場でお会計。
その後、空いた席に通されて、
ようやくありつけたこのチャーハンを見よ!
黄金米粒の宝島やぁ〜
ひとくち目を口に運んだとき、
衝撃が走りました。
こんなに美味いチャーハンを食べたことがない。
パラパラというよりはしっとりめ。
それでいて油の重たさをあまり感じさせず、
初体験の香ばしさが鼻から抜けていきます。
(沙茶醤という調味料によるものらしい)
どの調味料・具材も主張しすぎず、
それぞれが上手く調律されたチャーハン。
なんとこれで60元ですよ。
日本円だと270円(4.5円換算)ですよ。
慶昇小館さん、
いい仕事してますね〜。
私の人生で一番美味しいチャーハンでした。
これで台湾4位って、
トップ3はどんだけなんでしょ。
嘉義は火雞肉飯も有名
みなさん、雞肉飯(ジーローファン)を
ご存知でしょうか。
かの有名な魯肉飯は豚肉でして、
この雞肉飯は字の通り鶏肉です。
そして嘉義は「火雞肉飯」が名物。
炙った鶏肉という意味かと思いきや、
火雞肉とは七面鳥の肉なんですって。
その火雞肉飯でクチコミの良いお店を探して、
行き着いたところがこちら!
阿楼師火鶏肉飯です!
って閉まっとるやないかーぃ。
駅から徒歩20分くらいの場所にあって、
疲労体に鞭打って結構歩いたんですけどね。。
地元民から愛される人気店だそうで、
営業中であれば行列必死。
めっちゃ残念です。
これを見てくれたどなたか、
ぜひ私の仇を討ってください(なんでや)
お休みなら仕方ないので、
嘉義で有名な文化路夜市へ。
ここで火雞肉飯のリベンジや!
と思ったけど意外と雞肉飯店が少ない。
全長約500mの文化路夜市を
1.5往復したところで探すのをやめ、
「えいや!」で入ったお店がこちら。
郭家雞肉飯
もう歩き疲れたんで、
宿に持って帰って食べようと、
今回はテイクアウト(外帯)で注文。
…と当時を振り返りながら
このブログを書いている今、
あることに気づきました。
店内に火雞肉飯って書いてなくね?
雞肉飯としか書いてなくね?
いろいろ後追いで調べても、
確信的に「ここのは火雞肉飯だ」という
情報に辿り着けませんでした。
この写真と味覚の記憶だけが頼りだ!
んー、写真を見ても七面鳥の肉か分からん。
確か…お肉がとても柔らかくて、
ちょうどご飯が進むあっさりめの味付け、
という記憶です。
とにかく美味しかったのは間違いないです。
ちなみにお値段50元( = 225円)でした。
お客様の中でどなたか、
鶏肉博士様はいらっしゃいますでしょうか。
いらっしゃいましたらぜひ
チキン or ターキー の
真偽のほどお教えください。
今日のお宿
この日に泊まった宿、
めちゃめちゃ素晴らしかったです。
こちらの Planet 23。
(Booking.comに飛びます)
おそらくまだオープンしたてで、
施設すべてがキレイ&快適。
(2023年5月現在)
共有キッチンには
無料のエスプレッソマシンがあって
さらに朝食用のトーストも無料。
台湾の朝ごはん屋さんもいいけど、
宿で朝ゆっくりできるのも良かったです。
有料ですが洗濯機と乾燥機も完備。
お洗濯できるの地味に大事ですよ。
また、宿名にPlanetとあるように
宇宙的な雰囲気がテーマのお宿。
見るが良い、
このベッドスペースを!
男の子喝采のロマン空間。
照明操作ボタンとか宇宙船の操縦席みたいで、
もうワクワクしすぎて寝れんですわ。
何よりこの宿が良かったポイントは、
スタッフのお兄ちゃんが超親切。
英語はペラペラだし、
何と日本にもワーホリで来たことがあって、
宮城県の山元町というところにいたらしい。
日本語は上手く話せないけど、
おもてなしの心を学んだそうな。
私の拙い中国語でも
一生懸命理解してくれようとして、
心温まる時間を過ごすことができました。
一つだけ宿の惜しい点を挙げるなら、
駅を挟んで繁華街の反対側にあること。
まぁ駅を横断することはできるので、
あまり不便に感じることはなかったです。
※横断するには嘉義駅の改札で通行用の券を受け取って、反対側の改札にある箱に入れればOK
コスパもよく、素敵なお宿でした。
おすすめです。
1泊 583元 / ドミトリールーム(平日料金)
価格:★★★★★
接客:★★★★★
立地:★★★★☆
施設:★★★★★
充電:★★★★☆
個人的評価:4.6 / 5.0
【備考】
・屋内に自転車駐輪可
・洗濯機、乾燥機完備(有料:それぞれ20元、10元)
・個別の鍵付きロッカーあり
※金額は変わる可能性あるため参考程度に
【Day 4】今日の出費・走行距離
車籠埔断層保存園区入場料 50元
キャベツチャーハン 60元
雞肉飯 50元
夜市で買った果物ジュース 70元
嘉義の宿 583元
洗濯 20元
乾燥 10元
合計 843元
= 日本円換算 3,794円 (1元=4.5円)
走行距離:103.05 km
= 累計距離:412.02 / 1,217.88 km
次の目的地は台南!