どうも!走る台湾でら好き易者、晋之助です。(「易」についてはこちらの記事へ)
旅行先の土地を走る「旅ラン」はランナーにとって欠かせない楽しみ。かくいう私も台湾を訪れる度に、台湾各地を走ってきました。首都台北でいえば、中正紀念堂や台北101などの人気観光地から、路地裏の風情ある飲食店や地元に根付いた廟(寺院)などのオンリーワンの発見まで、たくさんのスポットを巡ることができます。
徒歩や交通機関で観光するより、街中をランニングすることで多くの台湾の魅力に出会えるのですが、台湾の街中を走るときに気を付けるべきこともあります。
今回は台湾ランニングの魅力と注意点、また台湾のランニング事情をお伝えしていきます。台湾ランを楽しむための説明書として参考にしてみてください!
台湾ランはここがタマラン!
観光スポット・廟(寺院)
台北で言えば、台湾三大観光名所のひとつとも言われる「中正記念堂」は台北駅からほど近く、敷地がとても広いためランニングコースに組み込みやすいスポットです。日中でなければ人が少ないところも走りやすいポイント。
また、龍山寺をはじめとする台湾の寺院である廟(びょう)を訪れるのもオススメです。龍山寺には100を超える神様が祀られていて、健康・恋愛・勝負必勝などの幅広いご利益をお祈りすることができるスーパーパワースポット。そもそも廟は街中でよく見かけるくらい台湾の生活に根付いていますので、適当に街中ランニングをしていても有名無名さまざまな廟に立ち寄れるはずです。
台湾の廟についてはこちらの「道教」の記事で詳しくご紹介しています。
公園
街中ランでは公園にもよく遭遇します。台北駅から約3キロの場所にある「大安森林公園」は東京ドーム5個分ほどもある総面積の台北屈指の大きさの公園。公園の周りをくるっとランニングするとこれまた約3キロ。台北駅と大安森林公園をセットにするとちょうどいい距離のランができそうです。
また、台湾の公園は運動している人がたくさん。朝方に訪れるとウォーキングしている人や音楽体操(ラジオ体操みたいなもの)をしている人、思い思いに運動している地元の人たちを見かけます。こうした現地の雰囲気を感じることも旅ランの醍醐味ですね。
日本語に出会う
台湾の街中で日本語を見かけることがあります。私たち日本人にとってちょっと嬉しいイベント。日本食レストランや居酒屋で日本語が見られるのは当たり前ですが、なぜかよく目にするのが平仮名の「の」の文字。
「茶の魔手」は、台湾茶が楽しめる台南で有名なティースタンド。もちろん日本のお店ではありません。茶の魔手に限らず、台湾の街中では「の」を用いた店名や商品名を目にすることができます。
こうした表記は2010年ごろから始まったようで、きっかけは「高品質な日本製品」を日本語を使って連想させるというマーケティング戦略。中国語だと「の」は「的」と書くのが本来の表記のため、「的に比べると見た目がやわらかく見える」といった効果もあるみたいです。
台湾の街中ランで気を付けるべきこと
歩道がとっても走りづらい
さぁホテルを出発してランニング開始!というときに台湾の街中を走ろうとすると目につくのは歩道の整備状態。バイクや椅子・机が並んでいて通行スペースが狭くなっていたり、敷地の境目に段差があったり、気を付けていないと歩道は結構走りづらい。段差でいえば画像はまだマシな方で、場所によっては敷地の境目が階段になっているところも珍しくありません。
厳密にいうとこのスペースは歩道ではなく「騎楼」と呼ばれる私有地なのです。本来は車道ギリギリまでが私有地なので、所有者の思うように通路スペースに椅子や机を出して飲食の営業したり、屋根をつけて雨風をしのげるようにしたりできるのです。
敷地によって騎楼のデザインが異なるので、狭い通路や段差によるアップダウンが生まれるというわけです。もちろんランニングだけでなく観光でスーツケースを引きながら歩いているときも注意が必要なので、気を付けて通行してください。
バイクに注意!
この動画は台北の大通りを撮ったものですが、ご覧の通り日本と比べてバイクの量が段違いに多いです。バイク天国(地獄?)の台湾では、お世辞にも運転マナーが良いとは言えません。
狭い路地ではバイクと歩行者の距離がやたら近く、何なら歩道をバイクが走っていくことも珍しくありません。日本のように「歩行者優先」の感覚で台湾でランニングしていると痛い目にあう可能性があります。
そんな交通事情の台湾はやっぱり事故が多発していて、私も朝ご飯屋さんに並んでいるときに車とバイクの衝突事故を目撃しました。事故を始めて目の当たりにしたので「あわわ、えらいこっちゃー!」と思っていたら、なぜか周りの台湾人のリアクションが薄い。何なら事故の当事者たちも淡々とした態度。
「あぁ、台湾の人は交通事故に慣れているのかなぁ」とカルチャーショックを受けた瞬間でした。
気候によるコンディション
台湾は熱帯・亜熱帯の地域なので、年間を通して気温は高めです。真夏にランニングする場合は朝7時でも汗びっしょり。6月~10月ごろまで最高気温は30度を超えるので、冬場以外は暑さ対策をしっかり行いましょう。
また台湾は降水量も多く、夏場はスコールによるにわか雨でランニングを中断しなければいけないことも。もちろん湿度も高いので熱中症には注意です!
ちなみに台湾人は極度の寒がり。台北経済新聞の調べによると「ダウンは20度を下回ったら着る、という人が5割」なのだそう。台湾の暑い気候ならではですね。
台湾のマラソン事情
台湾のマラソン大会がアツい
日本のランニングブームは誰もが知るところですが、台湾もこの10年ほどでマラソン大会の開催数は増加傾向にあります。一時、開催にあたっての審査や規制が厳しくなり開催数減った年もありますが、それでも世界屈指のマラソン大会開催数を誇ります。
有名都市で開催される台北マラソン・高雄マラソンや、台湾中部の米の産地「田中鎮」で行われる田中マラソンなどは、台湾国内からだけでなく日本を含めた海外から数千人の参加者が集まるビッグイベントです。
私たち日本人からすると台湾は時差や移動距離の影響が少ないため、気軽に参加できる海外マラソンの開催地と言えるでしょう。
マラソン大会のエイド・賞品
上でご紹介した田中マラソンの2019年大会の動画です。再生すると分かるように、なんと補給所(エイド)ではチキンやエビ、ステーキなどが振舞われています。こうしたエイドの豪華さは田中マラソンに限ったことではなく、他の大会でも見られることなのです。
バナナの産地である高雄「旗山マラソン」のバナナづくしエイド(画像中央)をはじめとして、他の大会でも牛肉・豚肉・ソーセージ、果てはビールやワインが振舞われる大会も。もう何でもアリです。
エイドがこれだけ豪華ならば、賞品も豪華です。開催年度や場所にもよりますが、既述のバナナ産地「旗山マラソン」では、抽選でバナナの木1本が贈呈されました。といっても木を持って帰れるわけではなく(むしろ無理…)、バナナの木の命名権と成長過程の報告、収穫時期にバナナ15kg分が送付される権利。
他にはダイヤの指輪が当たる大会や、自動車1台が当たる大会(当選者はその車で帰宅したらしい)といった、ユニークな大会があるのも台湾のマラソンの特徴のひとつです。比較的マイナーな大会による宣伝効果を狙った抽選のようなので毎年同じような賞品が用意されるかは不明ですが、台湾でのマラソン大会参加を検討される場合はぜひ賞品やエイドにも注目してみてください。
台湾人は体を動かすのが好き?
台湾の街中ランをすると分かるのですが、夜に学校の近くを通ると校内に大勢の人がいるのを見かけます。台湾の学校は夜間に運動場を一般開放しているので、みんなウォーキングやランニングなど思い思いに運動しています。
早朝の公園でも散歩や音楽体操に励む人が多いのはすでにお伝えした通り。そして公園にはバスケットボールのゴールが設置されているところも珍しくありません。
総じて台湾は運動する環境が整っているため、マラソンブームが起きているのも自然な流れだったようです。
まとめ
シューズとウェアさえあれば楽しめるのがランニングの素晴らしいところですが、事前準備として情報があった方が良いのも事実。台湾のランニング環境・事情を把握しておくことで、滞在中により確実に台湾ランを楽しめるはずです。
それでは記事のまとめです。
いかがでしたでしょうか?この記事が台湾で旅ランを楽しむランナーたちの役に立てれば嬉しいです!