どうも、易経を学ぶ晋之助です。
この記事を書いているのはコロナ禍の真っただ中。
コロナの抑え込みに成功している台湾がメディアで紹介されることも多く、その度に「あ~、台湾行きてぇな~!」と台湾欲が口から漏れています。
今回はその欲を抑える(むしろ促進する?)ために、漫画『台湾ごはん何食べる?』を紹介していきます。
読みやすい絵柄、豊富なグルメ情報量、そして観光雑誌も顔負けのナビ機能。
台湾好きなら持っておいて損はないこの漫画を、台湾にハマり過ぎて3ヶ月に4度も訪問した私が紹介していきます。
台湾に思いを馳せながら、一緒に読み進めていきましょう!
どんな漫画?
あらすじ
日本人の美菜(ミナ)と台湾人の阿米(アーミー)。2人の女子が観光もそこそこに、ひたすらに台湾グルメに舌鼓を打ちまくります。
酒飲み&食いしん坊の美菜は2度目の台湾訪問。
「とりあえず、台湾といえば小籠包でしょ!」
と、テンションMAXの美菜に対して、案内してくれる阿米はクールに言い放ちます。
「日本人ほど台湾人は小籠包に熱狂しないんだよ。小籠包への日本人の熱狂っぷりって台湾人からすると不思議なんだよね。だって台湾には小籠包以外も美味しい物だらけなんだから。」
日本人のイメージとギャップがあることにショックを受けながらも、美菜の美食センサーは聞き逃しませんでした。
「じゃあ、今回の旅のテーマは台湾人が本当に好きな台湾美食に決定だよ!阿米のオススメ教えてね!」
って感じで、美菜と阿米の2人がありとあらゆる台湾グルメを食べていくよー!
『台湾ごはん何食べる?』というタイトルには、「幅広いバリエーションの台湾グルメはどんな好みにも合わせられるぜ!」という台湾人の自信が込められているのかもしれませんね。
台湾人漫画家がローカル飯を超網羅!
なんと『台湾ごはん何食べる?』の作者は台湾人。
台北市生まれの漫画家AKRU(アクル)さんは台湾で数々の賞を受賞しており、さらには日本でも集英社のジャンプ+で「古本屋槐軒事件帖」という作品を掲載したこともあります。
そんな台湾人漫画家のAKRUさんに台湾グルメの漫画を描かせるなんて、説得力ありすぎ。空腹と台湾への旅欲を刺激するの間違いなさすぎ。
さらには、この漫画を作るにあたって797名の台湾人にアンケートを取ったそうです。
そのため登場人物の美菜と阿米の2人が作中で食べている台湾グルメは、全てオススメの声が多かった料理とお店ばかり!
取り上げられているジャンルだけでも…
- ・小吃(シャオチー = 軽食)
- ・餐廳(ツァンティン = レストラン)
- ・夜市(イエシー = 食べ歩きメシ)
- ・早餐(ザオツァン = 朝ご飯)
- ・甜點(ティエンディエン = スイーツ)
と、盛りだくさん。
料理の種類もざっと数えてみたところ100近くあって「台湾グルメ、これほぼ全部載ってんじゃない…?」と思わずうなってしまうくらい濃い内容です。
おすすめポイントは?
絵と説明がほどよいバランス
内容が濃いのは嬉しいけど、気になるのが文章の多さ。
漫画なのに文章が多すぎると読む気が削がれてしまい、せっかくの内容が伝わりづらくなってしまいますよね。
「漫画で分かる!」的なビジネス本を読んでみたら、実際は説明文章がズラッと並べられていた…なんて悲しいこともありますよね。
そういうのってむしろ分かりづらいよねー!
その点、『台湾ごはん何食べる?』はとても分かりやすいのです。
カンタンに言うと絵マシマシ、文章少なめ!なんです。
漫画の中で台湾人の阿米(アーミー)が各料理の説明をするのですが、スッと頭に入って来るくらいちょうど良い情報量で説明してくれます。
それに加えて、小吃(軽食)・餐廳(レストラン)・夜市(食べ歩きメシ)といった各ジャンルの章末に1~2ページほど、具体的な説明文が用意されています。
このページは各ジャンルで出てきた料理の「オススメのお店」の説明なので、気になる料理が出てきた時にじっくり読んでみるといいでしょう。
絵と文章のバランスがとにかく絶妙なので「一回読んだら終わり!」とはならず、読みやすく飽きにくい構成にまとまっています。
食欲をそそる絵のタッチ
表紙絵から分かるように、のほほん系のタッチが『台湾ごはん何食べる?』のテイストです。
決してリアルさを追求したようなディテールにこだわった作風ではありません。
そのため「グルメ漫画の絵は、写真と見間違えるくらいじゃないとヤダ!」という方には物足りないかもしれません。
ただ、シンプルな絵柄なのに料理の特徴をよく捉えているので、一度でも実物や写真を見たことのある人だったら「あー、この料理ね。分かる分かる!」「あー、もう一回食べたいなぁ~!」となるはず。
そしてまだ知らない料理に対しても、分かりやすい説明があるので想像するには十分!
この漫画を買ってしまったが最後、今すぐにでも台湾への航空券を予約したくなることでしょう。
そしてお店情報は「台湾人のコメント」や「QRコード」付き!
ここでもう一度「台湾ごはん何食べる?」で紹介されているグルメジャンルをおさらいしておきましょう。
- ・小吃(シャオチー = 軽食)
- ・餐廳(ツァンティン = レストラン)
- ・夜市(イエシー = 食べ歩きメシ)
- ・早餐(ザオツァン = 朝ご飯)
- ・甜點(ティエンディエン = スイーツ)
紹介されている台湾グルメは、みんな大好き牛肉麵や滷肉飯から、台湾版おにぎりの飯糰(ファントゥアン)や伝統スイーツの豆花(ドウファ)・仙草(シェンチャオ)まで。
そんな豊富なバリエーションから、作中で52のお店がオススメされています。
そして忘れることなかれ!このオススメは797名の台湾人の生の声に基づいているということを!
なんとオススメされている52のお店すべてに「台湾人のコメント」が付け加えられています。
たとえば、豚肉がたっぷりのった豬柳涼麵が人気のお店「芝郷涼麵(ジーシャンリャンミェン)」のコメントを抜粋すると、
『子供のころから通っている。ゴマペーストが爽やかで、麺の味もいい。量が多くて、安い。夜食にするならここの涼麵がベスト!20時までなので、仕事帰りにテイクアウトします。』
んー、「子供のころから」なんてコメントは台湾人にしかできませんよね。
さらに!この漫画の最後には52のお店の一覧が載っており、それぞれのお店にQRコードがついているんです。
このQRコードをスマホで読み取ると、Googleマップのアプリが立ち上がってお店の場所が瞬時に表示されます。
もちろんアプリ上でナビボタンを押せば目的地までナビしてくれるので、現地に行った時に役立つこと間違いなし!
旅行雑誌でもなかなか見られないような、こんな読者への心遣いだけでもこの漫画には値段以上の価値がある気がします。
作中に出てくる(個人的)おすすめ台湾グルメ
水餃(シュイジャオ)
ここからは作中に出てきた台湾グルメの中から、個人的なオススメを紹介します。
まず、水餃(シュイジャオ)はいわゆる日本で言う水餃子、
なのですが!
日本の水餃子を想像しながら台湾の水餃を食べると、「ウマっ!」とうなりながら目ン玉ひんむくことになりますのでご注意を。
水餃子との大きな違いは皮の中に詰まったジュワジュワの肉汁。
個人的には小籠包より水餃の方が肉汁レベルは上です。
肉のうまみが凝縮された肉スープがプルプルモチモチの皮から出てくる様は、まさしく「肉汁の洪水や~」状態。
ぜひ台湾に行ったらいろんなお店で試してほしい一品です。
葱抓餅(ツォンジュアビン)
葱抓餅(ツォンジュアビン)は簡単に言うと、ネギ入りクレープのこと。
クレープといってもデザートではなく、ピザやお好み焼きに近い料理です。
作中では「台湾の朝ご飯」の説明をしている時にチラッと出る程度なのですが、もうね、超オススメ。
表面はパリパリしていて香ばしく、中はモチモチ。何枚でも食べられちゃいそう。
日本でも業務スーパーで購入できるので、知り合いの日本在住台湾人は何枚も買い込んでます。
フライパンで簡単に作れちゃうのがポイントです。
作り方も味付けもとってもシンプルなのに、なぜこんなにも美味しいのか。
全く、罪な奴だぜ。葱抓餅…
「近くに業務スーパーがないよー!」という方でも、ちょっと割高ですがオンラインショッピングでお買い求めいただけます。
紅油抄手(ホンヨウチャオショウ)
紅油抄手(ホンヨウチャオショウ)はピリ辛汁なしワンタン。
メジャーな台湾料理に比べるとちょっと端っこに追いやられている感が否めませんが、味は人気料理と堂々と張り合えるレベルです。
見た目がかなり辛そうに見えるソースですが、実際に食べてみると甘さと辛さが絶妙にブレンドされていて、このソースだけを延々と嘗め回していたくなるくらい。
ただし、花椒(ホアジャオ)という山椒の仲間が調味料として使われていることが多いので、山椒が苦手な方は気を付けるのが良いかもしれません。
ちなみにこの紅油抄手、日本でも有名台湾レストラン「鼎泰豐(ディンタイフォン)」で食べることができます。
鼎泰豐に行く機会があれば注文してみてください。ハマれば2,3皿追加で食べたくなりますよ。
いつか台湾に行けるその日のために…
コロナの影響
『台湾ごはん何食べる?』の発売は2020年11月ごろだったのですが、世界はコロナ禍の真っただ中。
出版時期もコロナによって延期の影響を受けたようです。
台湾人漫画家のAKRU(アクル)さんは漫画の最後で、「この漫画を読みながら次の旅へ思いをめぐらせる、そんな時間がみなさんの安らぎになりますように。」という言葉を残しています。
日本のみなさんに、絶対、食べてもらいたい。
漫画の帯にあるこのフレーズには、漫画家さんや製作スタッフの気持ちが凝縮されているように感じます。
台湾好きな日本人として、彼らの気持ちに応えながら台湾を盛り上げていけたらいいですね。
一人旅・グループ旅行のどちらでも活躍
一人旅が好きなら、この漫画にある台湾人の生情報をもとに料理やお店をリサーチしてみると面白いと思います。
台湾にはどう注文すればいいかがちょっと分かりづらいお店もありますが、そうしたお店についても注文方法と一緒に紹介されているので、台湾のローカルっぽさを感じたい方はチャレンジしてみると良いでしょう。
グループで台湾旅行する時にも、この『台湾ごはん何食べる?』はピッタリです。
漫画の長所である読みやすさを活用して旅行前にみんなで読んでおくことで、台湾グルメについて深く知りながら旅行プランを立てるのに役立ってくれるはず。
読みやすく分かりやすく食色を刺激する漫画、『台湾ごはん何食べる?』
ぜひお手に取ってみて、台湾グルメに思いを馳せながら、次の台湾旅行の参考にしてみてください。
まとめ
何度も台湾に行っていますが、台湾グルメへの思いが尽きることはありません。
台湾人漫画家AKRUさんが描いた『台湾ごはん何食べる?』は、そんな台湾欲を満たしてくれる素敵な漫画でした。
残念ながらコロナ禍の今は、台湾に行けるのはまだもう少し先のことになりそうです。
漫画『台湾ごはん何食べる?』を読みながら、思いっきり台湾旅行を楽しめるその日を想像して待ちましょう!