六十四卦

40. 雷水解(らいすいかい) -易経・六十四卦-

2020年12月12日

キーポイント

これまで抱えていた苦難が解け始めることを表しています。

可能な限り早く行動して、すべて解決するように心掛けると良いでしょう。

また、解には「解散」といった「散る」というような意味もあるので、まとまらないことを表していることもあります。

 

雷水解(らいすいかい)について

卦辞(雷水解の概要)

解は、西南に利あり、往くところなければ其(そ)れ来(きた)り復(かえ)って吉なり。往くところあれば、夙(はや)くして吉なり。

解では、西南の方角が良い。行動する必要がない時は、本来の場所に帰って安らぐと良い。解決すべき問題があって行動しなければならない時は、できるだけ早く解決して、そのあとに本来の場所に帰るのが良い。

 

六十四卦における配列(序卦伝)

蹇とは難なり。物もって難に終るべからず。故にこれを受くるに解(かい)をもってす。

(水山蹇による)蹇とは困難のことである。物事が困難のまま終わるはずはないので、いずれ困難は解消される。ゆえにこれを受けるに解をもって表す。

 

雷水解の占考

関連ワード

解け散る、解決、解消、解散、緩む、雪解け、春

 

運勢

これまでの困難が解決して状況が好転する時。

そのため、気の緩みやずさんな行動が生じるので注意が必要。

散財の恐れあり。

 

願望

素早く行動すれば叶う。

願望を達成できそうな時に油断をしないこと。油断から大きな失敗が引き起こされる。

 

恋愛・関係

出会いがなかったことに悩んでいた人には良い運気が到来する。

親しい関係の相手とは、気の緩みから不仲となる恐れあり。

 

結婚

婚期を逃していた人には縁談が舞い込む。

速やかに取り決めるのが良い。

気が緩んでいると、縁談が解消となってしまうことがあるので注意すること。

 

性格

外見はゆったりと構えているように見えるが、内心には知力を抱えている人。

あるいは、方向性がまとまらないまま放浪しがちな人。

 

事業・方策

これまでの困難から脱出して、好機がある時。

何事も迅速に行動すると良い。

 

住居

不具合のあるところは改築すると吉。

また、住居に欠陥があれば移転するのも良い。

 

相場

これまで低値圏にあったのなら上昇する傾向にある。

ただし、高騰した後に予期せぬ材料からまた下落する。 

旅行

西南の方向に行くと吉。

旅行中は気を緩めないこと。盗難や事故に遭う恐れあり。

 

病気

胃腸や肺など内臓の疾患。内部の病根が表面化して悪化していく傾向がある。

長く患っている病気は回復に向かう。

 

雷水解の爻辞

※爻は下から数え、九は陽・六は陰を表す
 (例えば「初九」は一番下の陽の爻のこと)

初六

咎(とが)なし。

(困難が解決し、安全な状態にある。しかも目上からの支援もある。そのため何の咎めもない。)

→ 今まで苦労していたことから解放され、運気が上向く時。目上の助力や指導を受けるとさらに良い。

 

九二

田(かり)して三狐(さんこ)を獲(え)、黄矢(こうし)を得(う)。貞(ただ)しければ吉なり。

(狩猟にて人を惑わす狐を射て逃がせば、その矢は失われるが、まっすぐ射止めれば狐も矢も手に入る。正道を守れば吉。)

→ 正当な手段をもって、小人物や悪人を退治して、正義を行う時。正しさを心掛ける姿勢で、積極的に困難を解決するよう努力すること。

 

六三

負(お)い且(か)つ乗る、寇(こう)の至るを致す。貞(ただ)しくとも吝(りん)。

(能力もないのに高位に就けば、その位を盗もうとするものを招き寄せてしまう。たとえ正しいことをしようとしていても、分不相応な地位に就いたことを恥ずべきである。)

→ 力量以上のことはせずに、謙虚な姿勢で臨むこと。見栄を張ると第三者から思わぬ非難を浴びる。自己反省をしながら地道に努力を重ねるべし。

 

九四

而(なんじ)の拇(おやゆび)を解く。朋(とも)至りて斯(ここ)に孚(まこと)あり。

(良からぬ相手との交遊を断ち切れば、良い友人の信用を得ることができるだろう。)

→ 悪い人間関係や古い習慣を絶って、新しい環境を整える時。

 

六五

君子維(こ)れ解(と)くことあれば吉なり。小人に孚(しる)すことあり。

(君子は君子と親交を深めるべきであって、小人物との交わりは断ち切らねばならない。交友関係の改善状況は、周囲に小人物がいなくなったかどうかが証拠となる。)

→ 物事を解決するなら、治安や秩序を乱す要素や人物を取り除くことから始めるべし。力量のある協力者を見つけるのが良い。

 

上六

公(こう)用(もっ)て隼(はやぶさ)を高墉(こうよう)の上に射る。これを獲(え)て、利あらざるなし。

(自らの地位と権限をもって、不相応の高位を狙う小人物を退治するべし。何の不利もないだろう。)

→ 使えるものは全て使って、支障や障害を積極的に打破する時。思い切り行動しても、何の失敗もない。

 

(参考:鹿島秀峰「現代易占詳解」、本田濟「易」ほか)

  • この記事を書いた人

しんのすけ

1986年、愛知生まれ。アメリカの大学卒業。金融危機下でなんとか就職するも、会社の歯車として働くことに疑問を感じていた。その後「やりたいことをやる」という信念のもと、現在に至るまで7社5職種+独立・起業のキャリアを経験。プライベートでは易学の研究や中国語の勉強も。台湾が大好き。

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