六十四卦

15. 地山謙(ちざんけん) -易経・六十四卦-

2020年9月21日

キーポイント

艮(☶)の山が、坤(☷)の地より下にあるため、へりくだって謙虚の形をとっている卦です。

一陽が陰に囲まれながらも驕らないことから、多くの人から信用を集めるでしょう。

苦労はあってもコツコツと励んで、最終的には信頼を得て願いを叶えることができます。

勢いはありませんが、平穏無事な卦です。

 

地山謙(ちざんけん)について

卦辞(地山謙の概要)

謙は亨(とお)る。君子は終わりあり。

謙虚であれば願いは叶う。高位の人であれば、初めは良くないが最後には運が開ける。

 

六十四卦における配列(序卦伝)

大を有する者はもって盈(み)つるべからず。故にこれを受くるに謙(けん)をもってす。

(火天大有によって)大いに有する者は、満ちて奢るようではいけない。ゆえにこれを受けるに謙をもって表す。

 

地山謙の占考

関連ワード

謙譲、謙遜、謙虚、自重、控えめ、下積み、縁の下の力持ち。

 

運勢

苦労が多いが耐え忍ぶことで信用が倍増する時。

私利私欲を抑えて他人から信用されるような働きをすることで、次第に運気も上昇していく。

地道な姿勢でチャンスを待つと良い。

普段から恵まれている人にとっては停滞。

 

願望

何事にも慎ましく控えめにすれば叶う。

辛抱することで最終的に利を得る。

人を凌ぐことは不可。

 

恋愛・関係

目立った進展はない。

これまで不仲だった関係であればわだかまりは解ける。

男性にとっては女難の恐れ。

 

結婚

意思表示が伝わりづらく、進展が遅い。

急いでも縁談はまとまらない。着実に進めること。

婚後当分は我慢が必要な生活となるが、先は明るい。

初縁の人は少し不満・不足に思うことあり。

 

性格

内は篤実、外は柔和であり、謙虚な性格。

積極性には乏しく、社交下手。

縁の下の力持ちのような人で、外に向かうよりは内を守る方が適している。

先に苦労するが、後々伸びる。

 

事業・方策

苦労があっても堅実なものを選ぶべし。

新規事業には向かない時。

人のために尽くす姿勢を忘れないこと。

 

住居

現状を受け入れて耐え忍ぶこと。

移転はトラブルのもと。

 

相場

これまで高値にあったものは下降し安定することが多い。

逆にしばらく動いていないものはやがて上昇する兆しあり。

 

旅行

近場であれば無事。

遠方の旅行や豪勢な旅行は不可。

 

病気

胃腸の腫瘍、中毒、泌尿器科系、腰痛、下痢、経水不順、鬱など。

急変はしないが、症状が停滞し持病となる。重病の場合は凶。

 

地山謙の爻辞

※爻は下から数え、九は陽・六は陰を表す
 (例えば「初九」は一番下の陽の爻のこと)

初六

謙々たる君子。用(もっ)て大川(たいせん)を渉(わた)る、吉なり。

(謙遜に謙遜を重ねる君子の処世態度である。このような態度であれば大川も渡り切れる。危険を冒しても乗り切れるため吉。)

→ 謙遜しすぎるほどにへりくだることで、大きな事を成し遂げるチャンスを得る。ただし、チャンスが目の前に訪れても、人に先立つようなことは控えること。

 

六二

鳴謙(めいけん)す。貞(さだ)にして吉なり。

(陰爻陰位で中に徳があるため、自然と謙遜さによる名声はとどろく。そうすることは正道を守ることであり吉である。)

→ 謙虚に誠意をもって人と交際すること。目上の引き立てを待っていれば開運となる。

 

九三

労謙(ろうけん)たる君子。終わりあり吉。

(五陰爻に慕われる陽爻陽位の九三は、大きなが功労がありながら謙遜して奢らない。そうした君子に国民は服従し、最後には吉を得るだろう。)

→ 責任を一身に背負うような努力が必要な時。苦労から逃れようとするのではなく、それを全うしようとする姿勢によって、のちに開運する。

 

六四

利あらざるなし、謙を撝(ふる)え。

(上卦にありながら、陰爻陰位による謙遜さを有しているため利がある。上の地位にあることを奢っているわけではないと、謙遜さを発揮すべし。)

→ 自分が先立つより、目下の有能な人物を引き立てることで吉。自身の苦労はあまり報われない。

 

六五

富まず、その鄰(となり)と以(とも)にす。用(もっ)て侵伐(しんばつ)するに利あり。利あらざるなし。

(富はないのに、隣人に親しまれている人と同じように、徳をもって好まれる。これでもなお嫌う人物がいれば、武力で征伐して良い。他のことにおいても利あり。)

→ 謙虚さと厳格さを使い分ける必要がある。自衛のために剛健さが重要となる時。

 

上六

鳴謙(めいけん)す。用(もっ)て師(いくさ)を行(や)り、邑国(ゆうこく)を征するに利あり。

(謙遜の名声が鳴り響く。そうなれば人々が味方するので軍隊を動かすことも可能である。ただし力量が足らず、征伐できるのはせいぜい自治領くらいである。)

→ プライドは高いが実力が伴っておらず、何かと物事が停滞する。自信過剰になっては望みは叶わない。

 

(参考:鹿島秀峰「現代易占詳解」、本田濟「易」ほか)

  • この記事を書いた人

しんのすけ

1986年、愛知生まれ。アメリカの大学卒業。金融危機下でなんとか就職するも、会社の歯車として働くことに疑問を感じていた。その後「やりたいことをやる」という信念のもと、現在に至るまで7社5職種+独立・起業のキャリアを経験。プライベートでは易学の研究や中国語の勉強も。台湾が大好き。

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