六十四卦

31. 沢山咸(たくさんかん) -易経・六十四卦-

2020年10月17日

キーポイント

沢(☱)の水が上から下に流れていき、山(☶)は上へと伸びていき、お互いの気が交わっています。

お互いが好感を持つ恋愛の卦です。早めの行動によって希望が叶う時です。

ただし、色恋沙汰に心を奪われやすいため、大切なことが疎かにならないように注意しましょう。

 

沢山咸(たくさんかん)について

卦辞(沢山咸の概要)

咸は、亨(とお)る。貞(ただ)しきに利あり。女(じょ)を取(めと)るときは吉なり。

咸は、願い事叶う。ただし、正道を守ることが条件である。そうすれば利もある。嫁を取ることで吉となる。

 

六十四卦における配列(序卦伝)

天地ありて然る後に万物あり。
万物ありて然る後に男女あり。
男女ありて然る後に夫婦あり。
夫婦ありて然る後に父子あり。
父子ありて然る後に君臣あり。
君臣ありて然る後に上下あり。
上下ありて然る後に礼儀錯(お)くところあり。

天地があって、そのあとに万物が生まれる。
万物があって、そのあとに男女が生まれる。
男女があって、そのあとに夫婦が生まれる。
夫婦があって、そのあとで父子が生まれる。
父子があって、そのあとに君臣が生まれる。
君臣があって、そのあとに上下関係が生まれる。
上下関係があって、そのあとに礼儀を尽くす姿勢が生まれる。

※沢山咸は易経下巻の最初の卦である。易経上巻では万物の始まりである「天地」が最初に置かれていたため、下巻では人間世界の始まりである男女を表す沢山咸が一番初めに置かれている。

 

沢山咸の占考

関連ワード

感応、通じる、恋愛、結婚、速やか。

 

運勢

意外な吉事がある時。

速やかに願いが叶うので、早めに行動を起こすこと。

ただし大切なことを疎かにしないように、慎重さも必要。

 

願望

チャンスを感じやすい時なので、迅速に行動すると吉。

予期していないタイミングで願望が叶うこともある。

 

恋愛・関係

意気投合して親密度が高まる時。

良い出会い、または結婚に恵まれる。

感情に流され過ぎないように注意は忘れないこと。

 

結婚

お互いに好感を持ちあって良い縁談となる。

いつまでも恋人のような関係が続く仲。

婿や養子を取るのも吉。

 

性格

気遣いができ、行動力がある人。

感受性が豊かで、芸術のセンスがある。

恋愛に溺れて異性問題を起こしやすい人。

 

事業・方策

心が通うような姿勢を大切にすべし。

理論的ではなく、感情に訴えかけるアイデアが吉。

 

住居

現状で十分に平穏。

チャンスがあれば移転も吉。

 

相場

大きな動きはなく、小刻みに上下する。

大きな利益は望めない。

 

旅行

平穏な旅行となる。

新婚旅行など、男女で行く旅行が特に吉。

旅先での女難に注意。

 

病気

季節の変化などによる気鬱、感染症、伝染病、性病など。

初めの症状は軽いが、油断していると重くなる。

 

沢山咸の爻辞

※爻は下から数え、九は陽・六は陰を表す
 (例えば「初九」は一番下の陽の爻のこと)

初六

その拇(おやゆび)に咸(かん)す。

(何かに感応して足の親指が動こうとしている。)

→ 変化が起こる始まりの時だが、動くには力が弱い。自ら動こうとするのではなく、自然に動くべき時が来るのを待つのが良い。

 

六二

その腓(こむら)を咸(かん)す、凶なり。居れば吉。

(何かに感応してふくらはぎが動こうとしている。自制せず動けば凶となる。動かなければ吉。)

→ 感情のままに動けば凶。今は動くときではなく、現状維持に努めていれば吉である。

 

九三

その股(もも)に咸(かん)す、執ることそれ随(したが)う。往けば吝(りん)。

(何かに感応して、足に従って股が動こうとしている。股は自ら動くことはできず自主性がないため、進もうとしたら恥をかく。)

→ 他人の誘いに乗って失敗する。進むことは控えて、現状を維持するとき。

 

九四

貞(ただ)しければ吉にして悔い亡(ほろ)ぶ。憧々(しょうしょう)として往来すれば、朋(とも)爾(なんじ)の思いに従う。

(正道を守っていれば吉となり、悔いも消滅する。もし自分の欲のためだけにうろうろと行ったり来たりしていれば、せいぜい限られた友人だけがあなたの思いに感応するだけだろう。)

→ 私利私欲に心が乱れて、チャンスを逃す。正しい行いをするよう心掛け、公明正大なことに感応していくべき時。

 

九五

の脢(せじし)に咸(かん)す。悔いなし

(何かに感応して、背中の肉が動こうとしている。背中は体の裏側にあるため孤高なものである。ゆえに何かに後悔することはない。)

→ 冷静な態度を保つと良い。感情を理性でコントロールすること。ただし、その状態は安全ではあるが、孤独を感じることになる。

 

上六

その輔頬舌(ほきょうぜつ)に咸(かん)す

(何かに感応して、上あご、頬、舌が動こうとしている。)

→ 言葉に注意をすべき時。他人のもうけ話には乗らないように。また、自分の言葉で信頼を失わないように。

 

(参考:鹿島秀峰「現代易占詳解」、本田濟「易」ほか)

  • この記事を書いた人

しんのすけ

1986年、愛知生まれ。アメリカの大学卒業。金融危機下でなんとか就職するも、会社の歯車として働くことに疑問を感じていた。その後「やりたいことをやる」という信念のもと、現在に至るまで7社5職種+独立・起業のキャリアを経験。プライベートでは易学の研究や中国語の勉強も。台湾が大好き。

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