六十四卦

51. 震為雷(しんいらい) -易経・六十四卦-

2021年1月19日

キーポイント

震為雷は六十四卦の中で一番勢いがあります。

震(☳)には春の訪れという意味もあり、前進するには良い時期です。

ただし、ただ勢いに任せていると支障をきたすので、慎重さも心掛けましょう。

順序や方法を守りながらまい進すること。

 

震為雷(しんいらい)について

卦辞(震為雷の概要)

震は、享(とお)る。震の来(きた)るとき虩々(げきげき)たり。笑言唖々(しょうげんあくあく)たり。震は百里を驚かす。匕鬯(ひちょう)を喪(うしな)わず。

震において、願い事は叶う。地震が来た瞬間は、人は恐れて周りを見回す。しかし、それが過ぎれば笑い声が起こるくらい平穏になるだろう。雷は百里離れていても人を驚かすが、神を祭る人は雷を恐れない。祭りに使う匙と酒を損なうこともないだろう。

 

六十四卦における配列(序卦伝)

器を主(つかさ)どる者は長子にしくはなし。故にこれを受くるに震(しん)をもってす。

(火風鼎による)鼎という器を使って行う祭りは長男の役割である。ゆえにこれを受けるに長男を意味する震をもって表す。

 

震為雷の占考

関連ワード

動く、進む、働く、震動、雷鳴、努力、勉強、長男

 

運勢

運気が急変する兆しがあり、気持ちが落ち着かない時。

しかし現時点では、幸運も凶運も実態を感じられるほどではない。

準備を怠って、反射的に動き出してしまうと損をする。

 

願望

願望成就に向けて動きはあるが、まだ叶う時ではない。

成就に近づくには努力を重ねることが必要。

 

恋愛・関係

積極的な気持ちが生じる時だが、そのまま進むと争いごとが起こる。

急がずに落ち着いて、お互いを配慮する気持ちを得てから進むのが良い。

そうすれば良い関係が続く。

 

結婚

まとめるのが難しく、不安定な縁談。

たとえまとめることができても、婚後も不安定な生活となる。

 

性格

活発で行動力がある。

運動神経が良い人。

性急で思慮不足な人。

騒がしい人。

 

事業・方策

勢いが生まれて、複数の事業に着手したくなる時。

ただし、行動力が伴わず上手く行かない。

一つの事業に打ち込むのが良い。必ず栄える。

 

住居

現状の住まいでは落ち着かない。

移転するのが良い。

 

相場

上下の変化が激しい時。

突然に高値圏まで上昇したり、あるいは逆に暴落したりすることもある。

 

旅行

準備不足により障害が多い。

交通事故に注意。

 

病気

発狂、ヒステリー、肝臓の疾患、足の疾患、外傷など。

病状は変動することが多いが、見た目ほどは悪くならない。

 

震為雷の爻辞

※爻は下から数え、九は陽・六は陰を表す
 (例えば「初九」は一番下の陽の爻のこと)

初九

震(しん)の来(きた)るときに虩々(げきげき)たり。後に笑言(しょうげん)啞々(あくあく)たり。吉。

(地震が来た瞬間は、人は恐れて周りを見回す。しかし、それが過ぎれば笑い声が起こるくらい平穏になるだろう。吉である。)

→ 驚くようなことが起こるが、たいていは無事である。ただし無事だと言って油断せず、過ちを犯さないよう気をつけること。そうすれば吉を得る。

 

六二

震(しん)来(きた)る厲(あやう)し。憶(おお)いに貝(たから)を喪(うしなっ)って、九陵(きゅうりょう)に躋(のぼ)る。逐(お)うなかれ七日にして得ん。

(地震が起こって危険である。資産を大いに失い、高い丘に登って避難しなければいけないほどである。しかし失った資産を追わなくても、七日経てば戻って来るだろう。)

→ 突発的な災いが起き、一時的に非難しなければいけない時。危険なことには近寄らない方が良い。たとえ何かを失うことになっても、そのうち勝手に戻って来るので無理に取り戻そうとする必要はない。

 

六三

震(ふる)いて蘇々(そそ)たり。震いて行くときは眚(わざわい)なし。

(地震が起こって、恐怖のあまり立ち尽くしてしまう。地震が起こったあとに前進するなら、過ちを犯さないよう気をつければ災いはないだろう。)

→ 自分の力量を過信した結果、何も得られずに落胆する時。その後に反省することができれば災いは訪れない。自分の悪いところを改めることができれなければ更なる厄災を招く。

 

九四

震(ふる)いて遂(つい)に泥(なず)む。

(身を奮い立たせようとするが、最後には泥の中に落ちてしまう。)

→ 環境や条件に恵まれず、自分の力量を発揮できない。しかし、前進することを諦めてはいけない。継続の先に道は開ける。

 

六五

震(ふる)いて往くも来(きた)るも厲(あやう)し。億(おお)いに有事を喪うことなし。

(地震が起こって、どこに行っても危険である。しかし中庸を維持していれば、大きな損失を被ることはないだろう。)

→ 突発的な災いが起き、混乱に包まれた環境に身を置くことになる。こういう時こそ、動揺せずに冷静な行動をすることができれば、被害を最小限に抑えることができる。

 

上六

震(ふる)いて索々(さくさく)たり。視ること矍々(かくかく)たり。征けば凶。震うことその躬(み)に于(おい)てせず、その鄰(とな)りに于(おい)てするときは、咎(とが)なし。婚媾(こんこう)言(ものい)うあり。

(地震が起こって、気力を失ってしまい元気がなくなる。落ち着くことができずにあたりを見まわす。進もうとすると凶である。しかし、自分の身に被害が及ぶ前に、隣の被害を自分のものと捉えて、事前に準備をすることができれば咎めはない。縁談には反対される。)

→ 突発的な災いが起き、自分の気力がすっかり萎えてしまう。落ち着いて行動することもできず、そのまま前進すれば不幸となる。不幸にならないためには、他人の行動を見て、良いところは見習い、悪いところは改めること。

 

(参考:鹿島秀峰「現代易占詳解」、本田濟「易」ほか)

  • この記事を書いた人

しんのすけ

1986年、愛知生まれ。アメリカの大学卒業。金融危機下でなんとか就職するも、会社の歯車として働くことに疑問を感じていた。その後「やりたいことをやる」という信念のもと、現在に至るまで7社5職種+独立・起業のキャリアを経験。プライベートでは易学の研究や中国語の勉強も。台湾が大好き。

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