六十四卦

52. 艮為山(ごんいざん) -易経・六十四卦-

2021年1月25日

キーポイント

艮(ごん)は山を表し、誠実さと温情をもって頑固にその場所にとどまっています。

艮(☶)は陽爻が下から上がっていき、二つの陰爻の上に止まる形です。

自分のいるべき場所を守って、自然に来るものに対応するのが良い時期。

ただし周りとの接触が少ないため、心配や苦労が多いため気を付けること。

 

艮為山(ごんいざん)について

卦辞(艮為山の概要)

その背に艮(とど)まりて、その身を獲(え)ず。その庭に行きて、その人を見ず。咎なし

背は身体のなかで最も動かない箇所であり、止まるべくして止まっている。そのため、身体があっても無いのと同じである。また、外の庭に行っても人の目が気になることはない。こうして心が止まるべきところに止まっていれば、咎めはない。

 

六十四卦における配列(序卦伝)

震とは動くなり。物もって動くに終るべからず。これを止(とど)む。故にこれを受くるに艮(ごん)をもってす。

(震為雷による)震は動くという意味である。物はいつまでも動いていることができない。ゆえにこれを受けるに艮をもって表す。

 

艮為山の占考

関連ワード

止まる、動かない、ふさぐ、沈黙、憂苦、篤実、頑固

 

運勢

運気が停滞し、何事も順調に進めることはできない。

無理に進むのは良くない。止まることが良いこととなる時。

 

願望

トラブルが多く、思い通りに進むことができない。

願望は叶え難い。

 

恋愛・関係

消極的な姿勢により孤立しがちな時。

閉鎖的なため、人と親和することができない。

 

結婚

何かと支障が生じて、縁談はまとまらない。

婚後は、お互いが自分の言い分を譲らないため、不和になりがち。

 

性格

保守的で頑固な人。

口数は少ないが、愚直で真面目。

努力はしているものの、なかなか利益を得られない人。

 

事業・方策

最も信頼のおける事業に集中すること。

新規事業や拡大計画は上手く進まない。

 

住居

階層を増やして、上に増築するのが良い。

移転は思いとどまるのが無難。

 

相場

高値圏で動きが止まる。

利益は少ない。

 

旅行

旅先で、トラブルや怪我が起きやすい。

見合わせるのが良い。

 

病気

脳内出血、背中の痛み、脊髄の病気、腰痛、打撲など。

病勢に変化はないが、病がとどまって持病となりやすい。

 

艮為山の爻辞

※爻は下から数え、九は陽・六は陰を表す
 (例えば「初九」は一番下の陽の爻のこと)

初六

其(そ)の趾(あし)に艮(とど)まる。咎(とが)なし。永貞(えいてい)に利あり。

(足が動く時に最初に動くはずの趾が止まっている。動きがないため咎めもない。ただし、永く正道を守るよう心掛けること。)

→ 前進することを控え、動かずに止まっていることで無事を得る時。私利私欲を捨てて、謙虚で正しい姿勢を保つことも重要。

 

六二

其(そ)の腓(こむら)に艮(とど)まる。拯(すく)わずして其(そ)れ随(したが)う。其の心、快(かい)ならず。

(ふくらはぎが止まっている。上にある腰のことを救いたいのだが、自分の力不足のためやむを得ず悪い腰の言うことに従っている。そのため、心は不快となる。)

→ 動きたくても動けない。目上の命令が正しくないと分かりながらも、従うしか方法がない。不愉快さを感じる時。

 

九三

其(そ)の限(こし)に艮(とど)まる。其(そ)の夤(せじし)を列(さ)く。厲(あやう)きこと心を薫(ふす)ぶ。

(腰が止まっている。動くべきものが動かないことで、背筋は引き裂かれるようである。動かない頑固さにより上下左右の人たちに憎まれ、そうなると心が火で燻べられているように感じるくらい危険である。)

→ 周囲から憎まれて孤立する。進んでも止まっても状況を打開できないが、止まることしかできない。不安が尽きない時。

 

六四

其(そ)の身(み)に艮(とど)まる。咎(とが)なし。

(胴が止まっている。足や腰と違い、胴は止まるべくして止まっている。咎めはない。)

→ 自分の立場や力量をよく理解し、分相応の位置に止まって動かないこと。静かにしていれば無事である。

 

六五

其(そ)の輔(つら)に艮(とど)まる。言序(ことついで)あり。悔(くい)亡(ほろ)ぶ。

(口が止まっている。しかし、発言するときは秩序がある。秩序があれば心配された悔いも事前に消える。)

→ 発言を慎むこと。何も言わずに堅実に行動するのが良い。そうすれば不安は消える。

 

上九

艮(とど)まるに敦(あつ)し。吉なり。

(最後に優れた止まり方をする。吉である。)

→ 物事は終わり方が大切である。これまでの苦労や努力が実を結ぶ時。吉を得る。

 

(参考:鹿島秀峰「現代易占詳解」、本田濟「易」ほか)

  • この記事を書いた人

しんのすけ

1986年、愛知生まれ。アメリカの大学卒業。金融危機下でなんとか就職するも、会社の歯車として働くことに疑問を感じていた。その後「やりたいことをやる」という信念のもと、現在に至るまで7社5職種+独立・起業のキャリアを経験。プライベートでは易学の研究や中国語の勉強も。台湾が大好き。

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