六十四卦

24. 地雷復(ちらいふく) -易経・六十四卦-

2020年10月6日

キーポイント

陰ばかりの中に新しく陽が下から出てきた卦です。

まだまだ辛いことが多いですが、希望が見え始めています。

地雷復は「復元」を表しているので、着実に一歩一歩前進する努力が必要な時なのです。

 

地雷復(ちらいふく)について

卦辞(地雷復の概要)

復は、亨(とお)る。出入り疾(やまい)なし。朋(とも)来りて咎(とが)なし。その道を反復す。七日にして来り復す。往くところに利あり。

復は、願うこと通る。出入りや進退に障害もない。集まる仲間に咎めもない。もとの道に帰るときで、失ったものは7日したら帰ってくる。積極的に行動すれば利がある。

 

六十四卦における配列(序卦伝)

剥とは剥(は)ぐなり。物もって尽くるに終わるべからず。剥は上に窮まれば下に反(かえ)る。故にこれを受くるに復(ふく)をもってす。

(山地剝による)剝とは取り除くことである。物は尽きることがあってはいけない。剝が上に極まれば、下に復活して帰ってくる。ゆえにこれを受けるに復をもって表す。

 

地雷復の占考

関連ワード

再来、往復、反復、希望の芽、春の兆し、初心に戻る。

 

運勢

これまで運気は衰退していたが、これからは徐々に上昇する。

新しいことが始まる兆しあり。

悪いことがあれば良いことがあり、何事も反復するということ。

 

願望

堅実に努力を重ねれば、徐々に達成する。

逆に油断すると初めからやり直しとなるので注意。

 

恋愛・関係

これまで恋愛に恵まれなかった人には出会いの兆し。

別れた相手と関係が戻ることもあり得る。

 

結婚

一度諦めた縁談がまとまる。

婚期を逃していた人は良い相手と出会う。

また再婚にも良い時。

逆に、順風満帆な人の結婚はまとまらない。

 

性格

コツコツと積み上げていく努力家。

一度挫折を味わって復活した人。

 

事業・方策

以前の事業が再興する。

足らない部分を見つめなおし、古さを修復してアレンジすること。

 

住居

住み続ければ次第に居心地が良くなる。

改築、修復は吉。

移転は取り止めるべし。

 

相場

これまで安値であれば、新たな材料が生まれて徐々に上昇する。

高値の場合は、元の安値まで下がる。

 

旅行

以前に行ったことのある旅先に行くと良い。

 

病気

腹痛、肝臓病、リュウマチなど。

再発の恐れあり。長く患っていた病気は回復傾向にある。

 

地雷復の爻辞

※爻は下から数え、九は陽・六は陰を表す
 (例えば「初九」は一番下の陽の爻のこと)

初九

遠からずして復(かえ)る。悔いに祗(いた)るなし。元(おお)いに吉。

(過ちが大きくならないうちに正しい姿勢に戻れる。そうすれば悔いに至ることもなく、大いに吉となる。)

→ 間違いに気づいたら、すぐに改善すること。どんなに面倒でも再出発することが吉に繋がる。

 

六二

休(よ)く復(かえ)る。吉なり。

(正しい姿勢に戻る美しさを得ているため、吉である。)

→ 運気が発展する時。有力者に従いながら、慎重かつ積極的に行動すれば吉。

 

六三

頻(しばし)ば復(かえ)る。厲(あやう)けれど咎(とが)なし。

(その都度戻る。よく失敗するから危ないが、その都度改めることができれば咎めはない。)

→ 同じ失敗を何度も繰り返す。気持ちが不安定になるが、初心を忘れなければ咎めはない。

 

六四

中行(ちゅうこう)独り復(かえ)る。

(悪い仲間と一緒に行く途中、ひとりだけ引き返す。)

→ 他人の言動に違和感を感じたら、別行動を取ること。反省自戒して、初心に立ち返るべし。

 

六五

復(かえ)るに敦(あつ)し。悔いなし。

(正しい姿勢に戻れるような、心の篤い人である。そういう人であれば悔いはない。)

→ 誠意をもって現状を打開するよう努める時。大きな成果はすぐには望めないが、コツコツと積み上げながら進むこと。

 

上六

復(かえ)るに迷う。凶なり。災眚(さいせい)あり。用(もっ)て師(いくさ)を行(や)る。終(つい)に大敗することあり。その国君(こくくん)に以(およ)ぶ、凶なり。十年に至るまで征する克(あた)わず。

(最後まで迷って正しい姿勢に戻らない。凶である。災害や過失があるだろう。これで軍隊を動かせば、最後には大敗することもあるだろう。そうするとその大敗が国君に及び、凶である。十年たっても敵を征伐することはできない。)

→ 全てにおいて運が悪い。身の程をわきまえずに進んでいき、やがて挫折する。人災、天災には注意すること。

 

(参考:鹿島秀峰「現代易占詳解」、本田濟「易」ほか)

  • この記事を書いた人

しんのすけ

1986年、愛知生まれ。アメリカの大学卒業。金融危機下でなんとか就職するも、会社の歯車として働くことに疑問を感じていた。その後「やりたいことをやる」という信念のもと、現在に至るまで7社5職種+独立・起業のキャリアを経験。プライベートでは易学の研究や中国語の勉強も。台湾が大好き。

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