六十四卦

42. 風雷益(ふうらいえき) -易経・六十四卦-

2020年12月27日

キーポイント

風雷益(䷩)は天地否(䷋)の上にある陽爻が下に移動した形です。

豊かな上の者が、貧しい下の者を益させた卦です。

民衆が豊かになれば国全体が安定し、最終的に上の者にも利益がもたらされます。

ただし、風雷益(䷩)は中が陰ばかりなので、内容が空虚です。すなわち外見の利益より少なくなることがあります。

 

風雷益(ふうらいえき)について

卦辞(風雷益の概要)

益は、往くところあるに利あり。大川(たいせん)を渉(わた)るに利あり

益では、積極的に進むのが良い。また、大河を渡るような冒険をするのも良いだろう。

 

六十四卦における配列(序卦伝)

損して已(や)まざれば必ず益(ま)す。故にこれを受くるに益(えき)をもってす。

(山沢損による)損をしたままでも途中で止めることがなければ、必ず益を得る時が来る。ゆえにこれを受けるに益をもって表す。

 

風雷益の占考

関連ワード

増益、増加、上を減らして下を増やす、上下和合、共同事業、利益のために動く、商売熱心

 

運勢

これまで停滞していた場合、今後は何事においても順調となる。

ただし、現在すでに順調であれば、運気下降の始まりを表す。

気の緩みから失敗や損害を被るため、注意を怠らないこと。

 

願望

自信があることに対しては、大胆に前進すると望みは叶う。

分不相応で運任せの願望は全く叶わない。

 

恋愛・関係

お互いの気が合って親和する。

ただし、表面上での付き合いとなりがち。中身が充実した関係性は構築しづらい。

 

結婚

お互いが不足を補う姿勢であれば、調和してまとまる。

予算以上の出費には注意が必要。

 

性格

商売の上手い人。ビジネスの才能がある人。

表面上はしっかりしており人付き合いも良いが、内面は空虚な人。

 

事業・方策

盛運の時ではあるが、調子に乗って分不相応な事業に手を出すと失敗する。

新規の事業や企画は控えること。

 

住居

分相応な増改築であれば問題ない。

移転も同じく、高望みしなければ無事。

 

相場

上昇傾向にあるが安定はしない。

臨機応変に対応ができれば利益が得られる。

あるいは、現在すでに利益が得られていれば、下落場面を避けられるよう売り逃げるのが良い。

 

旅行

平穏無事な旅行となる。

特に長旅が良い。

 

病気

大熱、激しい動機、結核、健忘症、季節的な伝染病など。

病勢は激しく悪化の一途。長い病の場合は一旦の安定を得る。

 

風雷益の爻辞

※爻は下から数え、九は陽・六は陰を表す
 (例えば「初九」は一番下の陽の爻のこと)

初九

用(もっ)て大作(たいさく)を為(な)すに利あり。元吉にして、咎(とが)なし。

(大きな仕事をする際には利がある。ただし、それはその仕事が完全に善のものである場合にのみである。そうすれば咎はない。)

→ 目上からの施しを受けて、自分が自信を持っている仕事が大いに発展する。逆に分不相応な仕事に対しては過失を負う。

 

六二

或(あるい)はこれを益(ま)す。十朋(じっぽう)の亀も違(たが)う克(あた)わず。永貞(えいてい)なれば吉なり。王用(もっ)て帝に享(きょう)す、吉。

(上の者が下の身分にいる自分のことを益してくれる。これは大変高価な大亀を使って占ったとしても、間違いないだろう。ただし、永く正しい道を守ることが条件である。王者の立場であれば、天を崇めての祭りをするのが良い。)

→ 目上からの協力な援助や施しによって、万事が順調に進む時。ただし、誠意を持ち続けなければ、せっかく得た利益も失ってしまう。自分が目上の立場であれば、天への感謝の気持ちを表すのが良い。

 

六三

これを益(ま)す。凶事(きょうじ)に用(もち)うるに咎(とが)なし。中行(ちゅうこう)に孚(まこと)あり。公に告(つ)ぐるに圭(けい)を用(もっ)てす。

(自分から目上に益してもらえるように頼む。本来は恥ずべきことであるが、凶事の場合には咎めはない。ただし、中庸の道に適っていることと、相手に対して嘘をつかず誠意の念を忘れないことが条件である。)

→ 緊急や非常の事態に限り、目上の人に誠心誠意をもって援助を依頼することで、困難から脱出することができる。

 

六四

中行(ちゅうこう)あれば、公に告げて従われん。用(もっ)て依(よ)ることを為(な)し国を遷(うつ)すに利あり。

(自身が中庸の道に適っていれば、気前の良い目上の人間から自分が願うままの利益が与えられる。国を遷すと良い。)

→ 目上の人間と信頼関係が構築できていれば、その人からの支援によって自分の希望が叶う時。こういう場合は、思い切って事態や環境を大きく変えるのも良い。

 

九五

孚(まこと)ありて恵心(けいしん)あれば、問うことなくして元吉(げんきつ)、孚ありて我に德を恵(めぐ)まん。

(上の者に、誠意と下の者を恵ませる心があれば、問わずとも大吉であることは間違いない。そうすれば下の者も誠意をもって、自分に徳を恵んでくれるだろう。)

→ 目上の人間とその部下との意思がお互いに通じ合い、何事も順調に進んでいく。迷うことなく目的に向かって一途に努力すべし。

 

上九

これを益(ま)すことなし。或(あるい)はこれを撃つ。心を立つること恆(つね)なし。凶。

(益を人に求めて止まないような人間には、誰も益してやろうと思わない。あるいは憎まれて撃たれることもあるだろう。利益にばかり心惹かれて、恒常性のない人間には、当然のごとく凶が訪れる。)

→ 私利私欲に溺れていれば、他人からの恨みを買って誹謗中傷を受ける。加えて損失や災害に見舞われることもある。他人を恵ませるように、自分から施すこと。

 

(参考:鹿島秀峰「現代易占詳解」、本田濟「易」ほか)

  • この記事を書いた人

しんのすけ

1986年、愛知生まれ。アメリカの大学卒業。金融危機下でなんとか就職するも、会社の歯車として働くことに疑問を感じていた。その後「やりたいことをやる」という信念のもと、現在に至るまで7社5職種+独立・起業のキャリアを経験。プライベートでは易学の研究や中国語の勉強も。台湾が大好き。

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