六十四卦

21. 火雷噬嗑(からいぜいごう) -易経・六十四卦-

2020年9月30日

キーポイント

上卦(☲)を上あご、下卦(☳)を下あごと見立て、大きく開けた口の中に一つの陽爻(⚊)が挟まっていることを表す卦です。

この邪魔もののせいで困難がありますが、程なくかみ砕かれます。

早ければ十四日ほどと言われるほど、邪魔ものは早く取り除かれます。

初めは成果を得られないことでも、じっくり障害を取り去るよう心掛けることが必要です。

 

火雷噬嗑(からいぜいごう)について

卦辞(火雷噬嗑の概要)

噬嗑は、亨(とお)る。獄(ごく)を用うるに利あり

噬嗑は、思うこと必ず通る。通らない場合は邪魔者がいるため、刑罰を与えると良い。

 

六十四卦における配列(序卦伝)

観るべくして後に合うところあり。故にこれを受くるに噬嗑(ぜいごう)をもってす。

(風地観によって)仰ぎ見られるほどのものがあってこそ、人々は慕い合うのである。ゆえにこれを受けるに噬嗑をもって表す。

 

火雷噬嗑の占考

関連ワード

口の中にある物、口論、闘争、短気、中間に障害、商業、取引、刑罰。

 

運勢

初めは危険であるが、終わりは安穏。

当面は障害があって、多大な努力を必要とする。

また、相手との間に食い違いも起きやすい。

短慮な思考でいると争いごとが発生するため注意。

 

願望

障害物あって叶いづらい。

焦らずに邪魔なものを取り除くべし。

ただし、商工の道は叶う。

 

恋愛・関係

口論によって破綻しやすい。柔らかい表現を心掛けること。

あるいは直接的に言い争うのではなく、仲裁を立てると良い。

 

結婚

不和、争論が多い。未解決のまま話を進めると後の支障となる。

仲裁役を頼めば成立しやすい。

婚後は女性優位となりやすく、妻は言葉に注意すること。

 

性格

短気でわがまま、いつもいら立っている。

言葉遣いも辛らつ。

暴飲、暴食する人も多い。

 

事業・方策

内部の障害のせいで上手くいかない。

焦らずに取り除くべし。急ぎすぎると損をする。

 

住居

商工業関係は吉。

内部の改築も良い。

 

相場

売り買いが活発で上昇傾向にあるが、悪材料が発生することあり。

その場合は現状維持が続き、その後高騰する気配。

 

旅行

商業関係は良いが、他は避ける方が無難。

事故やトラブルが起きやすい。

 

病気

口内の腫物、歯痛、食中毒、暴飲暴食により疾病、胃がん、胃潰瘍など。

病勢は激しく、外科的処置が必要なことも。

 

火雷噬嗑の爻辞

※爻は下から数え、九は陽・六は陰を表す
 (例えば「初九」は一番下の陽の爻のこと)

初九

校(かせ)を履いて趾(あし)を滅(やぶ)る。咎(とが)なし。

(枷を足に着けて足が傷つく。悪いこととは言え初期段階のため、咎めはない。)

→ 方針を誤って正しい軌道から外れかねない時。今のうちに反省、自戒して修正を図ること。

 

六二

膚(はだえ)を噬(か)んで鼻を滅(つく)す。咎(とが)なし。

(罪人の肉を噛み入る。噛む側の鼻が罪人の肉にめり込んでしまうほどに深く。それでも罪人は剛情なため咎めはない。)

→ 障害を取り除くなら想定より強めに攻めても問題はない。油断や慢心は挫折のもととなる。

 

六三

腊肉(せきにく)を噬(か)んで、毒に遇(あ)えり。小(すこ)しく吝(りん)、咎(とが)なし。

(固い乾肉を噛んで毒に当たるようなもので、正しく判断できない人間が他人を裁けば意外な反抗に会うだろう。少し恥をかくが、罪を裁くことに咎めはない。)

→ 慎重に判断しなければ思わぬ失敗をする時。性急・強引は慎むこと。手に負えない場合は退くことも重要。

 

九四

乾胏(かんし)を噬(か)んで、金矢(きんし)を得たり。艱貞(かんてい)に利あり。吉。

(乾いた骨付きの肉を噛んでいるうちに、肉に埋まっていた金の矢を見つけた。金は剛、矢は直を表しており、罪を裁くには剛直でなければいけない。刑罰を困難なものと考え、正道を守った行いをすることで初めて利があり、吉を得るだろう。)

→ かなりの難題が目の前にある時。解決するのに大きな労力を費やすが、その分成果が得られる。初めに苦労があり、終わりに吉あり。

 

六五

乾肉(ほしにく)を噬(か)んで、黄金を得たり。貞厲(ていれい)なるときは、咎(とが)なし。

(乾胏や腊肉よりは固くない乾肉を噛み、めでたいことに肉の中の黄金を得る。裁きは正しく行われ、しかも信頼できる補佐もいる。しかし、罪を裁くには正道を守り、自分を戒めることで、初めて咎めから免れるだろう。)

→ 難題を抱えているが、知恵をもって解決できる。有力な協力者を得ると良い。自らは強引には進まず、臨機応変な策を取るべし。

 

上九

校(かせ)を何(にな)いて耳を滅(やぶ)るは、聡(そう)不明なればなり。

(首枷を背負わされて耳がすり潰されるような傷を受ける。それは人の言うことをよく聞き入れなかったからである。)

→ 勢いに任せて進んでいくと、災難が重なり身動きが取れなくなる。人の言うことをよく聞き、綿密な計画を立てること。時には後退をして静観するのもひとつの策。

 

(参考:鹿島秀峰「現代易占詳解」、本田濟「易」ほか)

  • この記事を書いた人

しんのすけ

1986年、愛知生まれ。アメリカの大学卒業。金融危機下でなんとか就職するも、会社の歯車として働くことに疑問を感じていた。その後「やりたいことをやる」という信念のもと、現在に至るまで7社5職種+独立・起業のキャリアを経験。プライベートでは易学の研究や中国語の勉強も。台湾が大好き。

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