六十四卦

7. 地水師(ちすいし) -易経・六十四卦-

2020年9月13日

キーポイント

下の卦(☵)にある陽爻が大衆に押され、統率する将となって戦いに赴くことを表しています。

戦はやむを得ない場合に正しく用いるものであり、大義名分がなければ負けるでしょう。

戦を始めておいて負けることは罪であり、勝つことでもって初めて罪を免れることができます。

戦に勝つために策略を練り、慎重な駆け引きに注意すること。知恵を正しく用いれば吉となります。

 

地水師(ちすいし)について

卦辞(地水師の概要)

師は貞(てい)。丈人(じょうじん)なれば、吉、咎(とが)なし。

師は軍隊であり、軍隊を用いるためには正道を守らなければならない。軍隊を率いるのが老成した人物(丈人)であれば吉であり、咎めはない。

 

六十四卦における配列(序卦伝)

訟えには必ず衆の起(おこ)るある。故にこれを受くるに師(し)をもってす。

(天水訟による)訴えには必ず民衆が立ち上がる。ゆえにこれを受けるために師を用いて対応する。

 

地水師の占考

関連ワード

戦い、衆を率いて争う、衆を指導する、非常事態

 

運勢

力量ある人は周りを率いて事を起こす。

常人は困難多く、思わぬ災害に注意すべき時。

争いごとが発展して非常事態になる恐れあり。多勢を相手に一人で立ち向かわなければいけないことも。

 

願望

心配事が多く、願望は叶わない。分相応であれば兆しあり。

計画を慎重に練って、円滑な人間関係に気を遣うこと。

 

恋愛・関係

人目を忍んで隠れて進めるような恋愛。

多角関係から争いごとが起き、大きなトラブルとなりかねない。

周囲との親和を重んじる方が良い。

 

結婚

相手が浮気性のため、断ると無事な縁。

正式な婚姻関係は結ばず、同棲や内縁といった関係となる傾向。争いごとが起きやすく、関係を保つのは困難である。

 

性格

闘争心が強い。

内には才能を秘め、外には出さず。人の上に立てる人物。

軍人、警察官になると良い。

 

事業・方策

非常事態が起きやすく、綿密な打開策を練る必要あり。

やり手の部下を抜擢すると吉。

 

住居

現在の住居では平安得られない。

しかし、新築、増改築も困難を伴う。時期を待つべし。

 

相場

波乱含みの様相で下落の気配あるが、研究不足は大きな損害を被る。

急騰したり急落したりすることも。

 

旅行

団体旅行をする際には、引率者の力量に注意。

リーダーシップが弱いと凶。

 

病気

中耳炎、腹痛、結石、腎臓病、月経不順など。

激痛を伴うことが多く、迅速な治療が必要。長期の病気は急変に注意。

 

地水師の爻辞

※爻は下から数え、九は陽・六は陰を表す
 (例えば「初九」は一番下の陽の爻のこと)

初六

師(いくさ)出(い)ずるに律を以てす。臧(よ)からざれば凶。

(戦というものは出陣のときが大切なので、厳しい軍律で統制すれば吉。規律が良くなければ凶。)

→ 何事も始めるにあたっては、計画を十分に立てて規律を整えること。物事を軽視して安易に取り掛かると失敗する。大きな事を成すには時期尚早。

 

九二

師中(しちゅう)にあり。吉にして咎(とが)なし。王三たび命(めい)を錫(たま)う

(唯一の陽爻が内卦の中にある。多くの陰爻に信頼されるため吉であり咎はない。それにより王から三度も褒美が与えられる。)

→ 眠っていた才能・力量を発揮して、大いに成功を収める時。目上の命令や指示に応えるため苦労も多いが、その分手柄も大きい。

 

六三

師(いくさ)或いは尸(かばね)を輿(にな)う。凶なり。

(才能のない指揮官が指示を出せば戦は必ず負ける。指揮官は戦死し、その屍を車に載せて帰ることになる。凶である。)

→ 力量不足のまま事にあたり、挫折・失敗をして凶となる時。何があっても思い切って断念し、現状を維持するべし。

 

六四

師(いくさ)左りに次(やど)る。咎(とが)なし。

(兵法の原則に則り、軍隊が高地の左方にある安全な場所に止まっている。咎めはない。)

→ 前進の不利を悟って、安全な場所に留まる時。反省・自戒をし、しばらく休止すると良い。

 

六五

田(かり)して禽(えもの)あり。執言(しつげん)に利あり。咎(とが)なし。長子(ちょうし)師(いくさ)を帥(ひき)ゆ。弟子(ていし)尸(かばね)を輿(にな)う。貞(てい)なるも凶。

(狩りをする獲物がある。相手の非を突き、自分の言い分を通して敵を討つと良い。咎めもない。(九二の)優れた指揮官に軍隊を任せる。(六三や六四のような)小人物を登用すると、戦死者を車に載せて帰ることになる。そうなると正道を守っていても凶である。)

→ 一途に進めば成果はあるが、軸がぶれて他の策を取ると失望する。大いに得ることもあれば、逆に損失を被る可能性もある時。

 

上六

大君(たいくん)命(めい)あり。国を開き家を承(う)く。小人は用うるなかれ。

(大君が功労者に褒賞を与える。ある者には国家を持たせ政治的権力を持たせる。しかし小人物には金品を与えるのに留めるのが良い。)

→ これまでの努力が成就する時。報酬に関して問題を残さないよう注意が必要。温情によって未熟者を重用するようなことは控えること。功績を公平に判断すべし。

 

(参考:鹿島秀峰「現代易占詳解」、本田濟「易」ほか)

  • この記事を書いた人

しんのすけ

1986年、愛知生まれ。アメリカの大学卒業。金融危機下でなんとか就職するも、会社の歯車として働くことに疑問を感じていた。その後「やりたいことをやる」という信念のもと、現在に至るまで7社5職種+独立・起業のキャリアを経験。プライベートでは易学の研究や中国語の勉強も。台湾が大好き。

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