六十四卦

11. 地天泰(ちてんたい) -易経・六十四卦-

2020年9月17日

キーポイント

乾(☰)の気が下から上昇し、坤(☷)の気が上から下降していくことで、天地の気が交わります。

内は剛、外は柔で和合して安泰となります。

 

地天泰(ちてんたい)について

卦辞(地天泰の概要)

小(しょう)往き大(だい)来(きた)る。吉にして亨(とお)る。

陰が外へ行き、陽が内に来ている。陰陽の気が交わることで吉となり望み叶う。

 

六十四卦における配列(序卦伝)

履んで然る後に安し。故にこれを受くるに泰(たい)をもってす。

(天沢履によって)虎の尾を履(ふ)んだあとは安らかとなる。ゆえにこれを受けるに泰をもって表現する。

 

地天泰の占考

関連ワード

安泰、安定、現状維持、和合、親和、調和、内剛健・外柔順、男女の睦まじい仲、協調、怠慢、油断。

 

運勢

何事も安泰な時だが、油断や怠慢は禁物。

現状維持に努めることを怠ると、運気が衰えることも。

過信して野心のままに猛進すると挫折に繋がるため注意。

 

願望

周囲と協力して正攻法で取り組めば叶う。

身の丈に合わない願望は失敗のもと。

 

恋愛・関係

お互いの愛情が交じり合い、仲睦まじく安泰。心身ともに釣り合った関係。

時が経つと倦怠感が起きやすくなるため注意すること。親しき仲にも礼儀あり。

 

結婚

相性が良く、夫婦となっても関係安泰。

平凡ではあるが、大きな支障なく一家繁栄する様相。

ただし、倦怠期の発生には気を付けるべし。

 

性格

落ち着いていて動じない性格。

心身共に健全。常識的で生活も安定している。

周囲とよく馴染み、良好な関係に恵まれる。あるいは没個性的。

保守的で安全主義。

 

事業・方策

可も不可もない。安泰ではあるが活気があるわけでもない。

ただし、冒険的な取り組みは慎むこと。現状維持が吉。

 

住居

当面の不満はないが、長くは続かない。

新築や増改築はしない方が良い。

 

相場

安定した状態が続いていればのちに上昇する見込みあり。

高値で留まっていた場合はこれから下落する兆し。

油断は禁物。

 

旅行

平凡ではあるが何事もなく楽しい旅。吉。

 

病気

肺の疾患、胃腸の疾患、腹部の張り、身体の倦怠。

病気の初期段階であることが多い。外見では気付きづらく、内部に病気の原因がある可能性あり。

 

地天泰の爻辞

※爻は下から数え、九は陽・六は陰を表す
 (例えば「初九」は一番下の陽の爻のこと)

初九

茅(ちがや)を抜くに茹(じょ)たり、その彙(たぐい)と以(とも)にす。往きて吉なり。

(茅(いね科の植物)を抜こうとすると根が繋がっており、その同類と一緒に抜ける。このように結束して進むことは吉である。)

→ 仲間と結束して事にあたるべし。一人でできることでさえ、独力は避けて協力し、利益を分かち合う姿勢が更なる幸運を呼ぶ。運気上昇の時。

 

九二

荒(こう)を包(か)ね、馮河(ひょうが)を用い、遐(とお)きを遺(わす)れず、朋(とも)亡(うしな)う。中行(ちゅうこう)に尚(かな)うを得たり。

(穢(きたな)いものでも包容するが、大河を徒歩で渡るほどの大胆さも持ち合わせる。遠くの賢人を忘れずに招くことで、近くの友の付き合いを失うこともある。しかし、こうして私情に流されないようであれば、中道を守り、吉を得るだろう。)

→ 私情に流されて大義名分を忘れないこと。寛容な心をもって、政治的な策を用いて事に当たると良い。運気が上がる時ではあるが、単独行動や必要以上の拡大は控えるべき。現状維持に力を注ぐ時。

 

九三

平(たいら)かにして陂(かたむ)かずということはなく、往きて復(かえ)らずということなし。艱貞(かんてい)なれば咎(とが)なし。恤(うれ)うるなかれ、それ孚(まこと)なり。食に于(おい)て福(さいわ)いあり。

(ずっと平らなままで傾かずにいるものはなく、行ったままで帰って来ないものというものもない。困難のなかにあっても正道を守っていれば咎めはない。心配せずとも、約束をたがえることはないだろう。食において福がある。)

→ 順調だった運気に傾く兆しが見える時。とにかく現状維持に力を注ぐこと。マイナスをカバーしようと新しいことに手を掛けると失敗する。正しい姿勢で物事にあたれば災いまでは起こらない。できるだけ出費は抑える必要があるが、食生活には不自由しない。

 

六四

翩々(へんべん)として富まず、その鄰(となり)と以(とも)にす。戒めずして以て孚(まこと)あり

(鳥が身軽に下降してくるように、陰の爻がもとの場所に帰ってくる。自分たちには利益はないが、六五・上六の隣人も共に帰ってくる。警告を発したわけでもないのに、約束通りに集まって来る。)

→ 衰運に見舞われる時。現状維持にのみ意識を集中し、全力を注ぐこと。新しいことには一切手を出してはいけない。謙虚な姿勢で、目上・部下・友人などの周囲の人物とともに協力するのが良い。

 

六五

帝乙(ていいつ)妹(いもと)を帰(とつ)がしむ。祉(さいわ)いを以てす元吉(げんきつ)。

(天子が末娘を下の有力者に嫁がせる。その結果は幸いであり、大吉である。)

→ 運気が下がっているときではあるが、自分の地位や身分を誇らずに身を低くして謙虚な姿勢で下の者と協力すべき時。表面的には安泰なように見えるが、油断は禁物である。気を緩めずに現状を可能な限り維持するよう努めること。初心にかえって、多少の苦労を受け入れると良い。

 

上六

城隍(ほり)に復(かえ)る。師(いくさ)を用うるなかれ。邑(ゆう)より命(めい)を告ぐ。貞(てい)なれども吝(りん)。

(城は崩れて堀に還る。このようなときに武力を使って挽回しようとしてはいけない。滅亡を早めるだけである。何も命令しない君主を見かねて、領地の村が逆に命令をしてくるようになる。これは正道を守る行為とはいえ、君主としては恥ずかしいことである。)

→ 安泰だった運気は過ぎ去ってしまい、衰運による嘆きを味わう時。財産・人間関係・信用など、あらゆるものを失ってしまう。挽回しようとする動きは逆効果になるため、事の顛末を静かに見守るのみである。

 

(参考:鹿島秀峰「現代易占詳解」、本田濟「易」ほか)

  • この記事を書いた人

しんのすけ

1986年、愛知生まれ。アメリカの大学卒業。金融危機下でなんとか就職するも、会社の歯車として働くことに疑問を感じていた。その後「やりたいことをやる」という信念のもと、現在に至るまで7社5職種+独立・起業のキャリアを経験。プライベートでは易学の研究や中国語の勉強も。台湾が大好き。

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