六十四卦

12. 天地否(てんちひ) -易経・六十四卦-

2020年9月18日

キーポイント

乾(☰)の気が上昇し、坤(☷)の気は下降していき、天地の気が交わりません。

外見は剛健ですが、内心は弱く、処世の道は否塞してしまいます。

無理をしても苦労があるばかりで、何事もうまくいかない卦です。時が来るのを待つ以外ありません。

 

天地否(てんちひ)について

卦辞(天地否の概要)

否の人にあらざる、君子の貞(てい)に利あらず。大往き小来(きた)る。

否は人道に背いている。君子が正道守っても、何も利は得られない。陽が外へ行ってしまい、陰が内に来ているからである。

 

六十四卦における配列(序卦伝)

泰とは通ずるなり。物はもって終に通ずべからず。故にこれを受くるに否(ひ)をもってす。

(地天泰の)泰とは通じることである。物は最終的には通じなくなる。ゆえにこれを受けるに否をもって表現する。

 

天地否の占考

関連ワード

否塞、乱世、不和、失敗、落ちぶれ、赤字損失、破産、倒産、仲間割れ、詐欺、陰謀。

 

運勢

運気が衰退し、塞がっている。何をしても形にならない。

現状維持に注力しつつ、チャンスをじっと待つ姿勢が大切。

初めのうちは苦しいが、耐えきれば上昇の兆しが見える。

 

願望

望みへの道が塞がっており、叶わない。心を改めれば後に適う。

願望を叶えることより、現状を守ることを優先すべし。

 

恋愛・関係

現在相手がいる場合は離別の兆しあり。

対話が不足しているため相互理解が不足しており、愛情が生まれない。

相手がいない場合は当分は異性に恵まれないが、将来的に希望あり。

 

結婚

縁談が得られない。縁談があってもあと一歩でまとまらない。

結婚している場合は、あらゆることに恵まれないため、家庭内の平和は得られず。

 

性格

内心は気が小さくて臆病。短気なところあり。

無口で人と交際するのが下手。

気がふさぎがちで、楽しみが少ない人。

 

事業・方策

出費の割に収入が少ない。この時期の努力は実りづらい。

環境や成り行きが変わる時を待つのが良い。

 

住居

陽当たりが悪く、衛生状態も良くない。

運気の発展が見込めない家。

新築や増改築するなら延期すべし。

 

相場

動きがない時。

現在が高値であれば下落し、低ければ将来的に上昇する兆し。

 

旅行

可能であればキャンセルする方が良い。

旅行先で大きなトラブルに見舞われやすい時。

 

病気

脳の疾患、憂鬱、咽喉閉塞、喉頭がん、声帯の疾患、肺結核、血行不順、血塊、過労など。

精神的な安定が得られず、気力が上向かない。病勢は次第に悪化していく。

 

天地否の爻辞

※爻は下から数え、九は陽・六は陰を表す
 (例えば「初九」は一番下の陽の爻のこと)

初六

茅(ちがや)を抜くに茹(じょ)たり、その彙(たぐい)と以(とも)にす。貞(てい)なるときは吉にして亨(とお)る。

(茅(いね科の植物)を抜こうとすると根が繋がっており、その同類である陰三爻すべて一緒に抜ける。まだそれほど悪くなっていないため、心を入れ替えて正道を守れば吉となり望み叶う。)

→ 交遊する友を選ぶ時。選択を誤ると正道を外れて失敗する。良き友と協力して進めば吉を得る。ただし、多くを望んでも叶うことはわずかだと心得るべし。

 

六二

包承(ほうしょう)す。小人は吉。大人(たいじん)は否にして亨(とお)る。

(陰爻陰位である六二は小人ではあるが、中庸と正義をわきまえているため、君子の言うことを受け入れて吉。大人の場合はおのれの道がふざがっていても動じずに受け入れることで望みが叶う。)

→ 目上の人物に従い、自分の力量を過信せずに分相応の努力をすれば吉。過信すると人間関係が悪化し、恨みを買うこともある。常人の望みは叶いやすいが、大人物の運気は停滞する。

 

六三

包羞(ほうしゅう)す。

(悪事を企てながらも心中に羞恥を感じている。)

→ 表向きは無難に見えても、内面には悪事や弱点を隠している。自分の力量を過信したまま物事を実行すると、面目を失い恥をかく時。

 

九四

命(めい)ありて咎(とが)なし。疇(たぐい)祉(さいわい)に離(つ)く。

(然るべき運命にめぐりあえば、志を行っても咎めはない。その時には同じ志の仲間とそろって福にたどり着くだろう。)

→ 運気の塞がりから、ようやく開運の兆しが見えてくる。真摯な姿勢でいれば、自分だけでなく周囲の人にも吉を招く。油断せずに地道に努力を積み重ねること。

 

九五

否を止(や)む。大人(たいじん)吉なり。それ亡(ほろ)びなんそれ亡びなんといいて、苞桑(ほうそう)に繋(かか)れり。

(閉塞の気運を休ませ、泰平に復帰できる。それは大人物にしかできない。そうした人物は「それ亡びるぞ亡びるぞ」と言いながら自分を戒める。頑丈な桑の根にものを繋ぎとめるように、自分の安全を確保するのである。)

→ 力量ある人がようやく能力を発揮できる時。問題や妨害が消え、安心して前進できる。ただし、油断は挫折のもととなるため、しっかり準備と注意を重ねてことにあたるべし。

 

上九

否(ひ)を傾く。先には否(ふさが)り後には喜ぶ。

(否塞が傾き覆される。初めは運が塞がっているものの、最後には喜びがあるだろう。)

→ 塞がれていた運気がようやく開通し、これまでの苦労や努力が報われる時。望みの全てが叶うことは期待せず、八割の成功で満足を覚えること。そうすることで徐々に拡大が可能となる。

 

(参考:鹿島秀峰「現代易占詳解」、本田濟「易」ほか)

  • この記事を書いた人

しんのすけ

1986年、愛知生まれ。アメリカの大学卒業。金融危機下でなんとか就職するも、会社の歯車として働くことに疑問を感じていた。その後「やりたいことをやる」という信念のもと、現在に至るまで7社5職種+独立・起業のキャリアを経験。プライベートでは易学の研究や中国語の勉強も。台湾が大好き。

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