六十四卦

13. 天火同人(てんかどうじん) -易経・六十四卦-

2020年9月19日

キーポイント

内卦の離(☲)の火の気が上昇していき、外卦の乾(☰)の天と和同し、共に輝きます。

よって、同人は自分も他人も同調すること、志を同じくすることを表しています。

単独で行うより、誰かと協力して行う方が良く、協同一致の意味となる卦です。

 

天火同人(てんかどうじん)について

卦辞(天火同人の概要)

人に同じうにするに野(や)に于(おい)てす。亨(とお)る。大川(たいせん)を渉(わた)るに利あり。君子の貞(てい)に利あり。

人と親しくする時に、広々とした野に集まるように公平無私に和同すること。これは聖人の方法であり、そうすれば望みは叶う。大川を渡ることも可能である。君子の正道を守ることで利益がある。

 

六十四卦における配列(序卦伝)

物はもって否に終るべからず。故にこれを受くるに同人(どうじん)をもってす。

物はいつまでも(天地否の)否のように塞がったまま終わることはない。ゆえにこれを受けるに同人をもって表現する。

 

天火同人の占考

関連ワード

同じ志、協力一致、公共。

 

運勢

私的なことより公的なことを優先すると良い。

社会情勢や時流に適応すると吉を得る。

協力者が多いゆえに、良く思われないことあり。人間関係でのトラブルには注意。

女性問題も起きやすい時。

 

願望

同志と協力すれば大願成就。

ただし、勢いに乗りすぎた時には上手く抑制すること。

私利私欲は禁物。

 

恋愛・関係

地位や力量のある人と結ばれるが、ライバルが多く、争いごとが発生しやすい時。

趣味、好み、考え方が一致して親密度が高い。

 

結婚

玉の輿の運気あり。

同業者など同類を相手にするのが最も良い。他の場合でも吉。

周囲からも広く祝福され、誰からも羨まれるような縁。

婚後は仕事を優先して過程を省みない可能性も。

 

性格

誰にも分け隔てなく接し、交際が上手い。

内に才知あり、学識教養のある人。

異性運が豊かであるため、浮気がち。

公平さ・公正さがない人物であれば、腹黒く邪悪な性格。

 

事業・方策

同業・同類と繋がりを作って事業を進めると吉。

大いに発展するが、勢いに任せて進みすぎないこと。

 

住居

陽当たり良く、多くの人が集まるような良い家。

新築や増改築は目上の意見を参考にすべし。

 

相場

好材料が多く上昇していく勢い。

ただし、社会情勢や天変地異に大きく左右されるため油断しないこと。

 

旅行

団体旅行など複数人数なら吉。一人旅は避けるべし。

単独行動はトラブルを招く。

 

病気

脳病、精神病、眼病、胸部の苦しみ、肺病、腰部の疾患、不眠症、大熱、流行性のもの、伝染性のもの。

重病は凶の兆し。

 

天火同人の爻辞

※爻は下から数え、九は陽・六は陰を表す
 (例えば「初九」は一番下の陽の爻のこと)

初九

人に同じうするに門に于(おい)てす。咎(とが)なし。

(人と公平で広く交わるために、門外にでて同人(交際)する。咎めはない。)

→ 幸運が発展する初期の段階にいるが、力量不足のため上手く運を活用できない。閉塞的にならず、広く交際する姿勢が重要。

 

六二

人に同じうするに宗(そう)に于(おい)てす吝(りん)なり。

(九五と応となるが、応爻は私的な繋がりを意味するので同人の卦においては良くない。宗族内で交際するようなものである。そうなると恥をかくだろう。)

→ 仲間意識が強すぎて、広い交際関係を作れずに失敗する。利己的な姿勢だと妨害や中傷に見舞われる恐れあり。人の好き嫌いをせずに、広い視野を持つこと。

 

九三

戎(つわもの)を莽(もう)に伏し、その高陵(こうりょう)に升(のぼ)る。三歳まで興(おこ)さず。

(軍隊を草むらの中に置き、高い丘に登って形勢を見る。しかし三年経っても兵を起こすことができない。)

→ 分不相応の野望を抱いて無駄な策略を講じるが、チャンスを得られず徒労に終わる。無理に争うとトラブルが起きるため、和合の姿勢を維持する方が良い。

 

九四

その墉(よう)に乗る。攻むる克(あた)わず。吉なり。

(相手と間を隔てる垣に乗る。しかし、道理として勝てないことを自覚する。苦悩を経て正道に復帰したことにより吉である。)

→ 自分の行動に誤りがある時。早めに見切りをつけて引き返すこと。苦難や憤りを感じても、耐え忍んでやり過ごすことで幸いあり。

 

九五

人に同じうするに先には号(さけ)び咷(よば)いて後には笑う。大師(だいし)克(か)ちて相い遇(あ)う。

(人と一緒になろうとして、初めは泣きわめいて、後には笑う。邪魔をする九四と九三に大軍をもって打ち勝ってのち、六二と会うことができる。)

→ 最初は悩み事があるが、間もなく解消して安心できる。人間関係の煩わしさから解放されて、運気が発展していく時。周りからの妨害には信念をもとに努力して対応すれば上手く対処できる。

 

上九

人に同じうするに郊(こう)に于(おい)てす。悔いなし。

(人と和同しようにも相手がいない。しかし自ら孤高の場所にいるため悔いることはない。)

→ 安定した運気であり、大きな過失や失敗はない。ただし、周囲から疎外されて発展性に乏しい。不必要なプライドを捨て、柔軟に周囲と広く交際することでチャンスを得ることができる。

 

(参考:鹿島秀峰「現代易占詳解」、本田濟「易」ほか)

  • この記事を書いた人

しんのすけ

1986年、愛知生まれ。アメリカの大学卒業。金融危機下でなんとか就職するも、会社の歯車として働くことに疑問を感じていた。その後「やりたいことをやる」という信念のもと、現在に至るまで7社5職種+独立・起業のキャリアを経験。プライベートでは易学の研究や中国語の勉強も。台湾が大好き。

-六十四卦
-,

© 2022 四方都好 -四方よし-