六十四卦

3. 水雷屯(すいらいちゅん) -易経・六十四卦-

2020年9月8日

キーポイント

乾為天、坤為地の二卦が交わったあとに物を生み出そうとする卦が水雷屯。

震(☳)が動きを表しているが、その上には坎(☵)があり悩みを伴っている。

水雷屯は天地創造の卦であり、生みの苦しみを意味します。誠実にして機を待ち、短慮は控える時です。

 

水雷屯(すいらいちゅん)について

卦辞(水雷屯の概要)

屯は元(おお)いに亨る。貞(ただ)しきに利あり。用(もっ)て往くところあるなかれ。侯(きみ)を建つるに利あり。

望みは大いに通る。正しい生き方の継続を固守することで吉あり。ただし、急いで進んではいけない。まずは協力者の助けを得るべし。

 

六十四卦における配列(序卦伝)

天地の間に盈(み)つる者はただ万物なり。故にこれを受くるに屯(ちゅん)をもってす。屯とは盈つるなり。屯とは物の始めて生ずるなり。

乾坤の間にみちるものはただ万物だけである。ゆえにこれを受けるに屯をもってする。屯とはみちるである。屯とは物が始めて産み出されることである。

 

水雷屯の占考

関連ワード

創始の困難、悩み、苦しみ、短慮、忍耐、前方に障害

 

運勢

あらゆることを始めるには、困難が伴う。難しい境遇を乗り越えるために努力が必要な時。

今は困難であるが、のちに光明が見える。

 

願望

悩みや難しさが多いが、辛抱の後に思いは叶う。

 

恋愛・関係

障害があり当分は思い通りにならない仲。よき理解者を得ると吉。

 

結婚

進展しにくい。結婚してもしばらく困難あり。辛抱の後に成立する。

 

性格

内に秘めているものは多いが、内向的な性格。才能があるものの下積みに苦しむ。

 

事業・方策

新規事業には苦労が伴うが、将来的に実る。既存のことは前進に難あり。

障害を取り去る努力が必要となる。

 

住居

悩みがある時。新築は思うように進まず。

 

相場

環境や材料が良くないが底堅い。次第に上昇する兆しはあるものの、油断は禁物。

 

旅行

旅行先でトラブルが起きやすい。可能なら機を改める方が良い。

 

病気

消化不良、食もたれ、腎臓、下痢、女性はホルモンバランスの乱れ、子どもはてんかん、歩行が困難となる病気。

初期症状が明確でなく判断しづらい。急変はしないが長引くケースが多い。湿気、寒気、冷気に注意。

 

水雷屯の爻辞

※爻は下から数え、九は陽・六は陰を表す
 (例えば「初九」は一番下の陽の爻のこと)

初九

磐桓(はんかん)す。貞(てい)に居(お)るに利あり。侯(きみ)を建つるに利あり。

(進みにくくて躊躇する。正しい態度を固守すると良い。有力な協力者と関係を作るべし。)

→ 前途に困難がある。自らは行動に移さず、むしろ動かない方が良い。謙虚な姿勢をもって、協力者との人間関係を円滑にすると良い。

 

六二

屯如(じゅんじょ)たり。邅如(てんじょ)たり。乗馬班如(ばんじょ)たり。寇(あだ)するにあらず。婚媾(こんこう)せんとす。女子貞(てい)にして字せず。十年にして乃(すなわ)ち字す。

(苦しむ。立ち戻る。馬に乗っても思い通りの方向に進まない。しかし、害を与えるというものではない。女性は正道を守ることで意中の男性と結ばれない。しかし十年経てば障害が取り払われようやく結ばれる。)

→ 困難の中にあって進退定まらず、らちがあかない時。苦労に負けず継続をすることで、時間は掛かるが開運に至る。女性の婚姻も同様に時間が掛かる。

 

六三

鹿に即(つ)くに虞(ぐ)なし。ただ林中に入る。君子ほとんど舎(す)つるに如かず。往けば吝(りん)。

(鹿を追いかけるのに虞人(追い込む役)がいないようなもの。ただ林の中に迷い込むだけである。賢い人としてはきっと鹿を捨て置いた方がましだろう。追うのなら恥をかく。)

→ 目標を見失って努力が空回りしがちな時。過ちに気づいたらすぐに引き返すべし。無理に進めば困窮する。

 

六四

乗馬班如(ばんじょ)たり。婚媾(こんこう)を求む。往けば吉、利あらざるなし。

(馬に乗っても思い通りの方向に進まない。配偶者を求め、一緒に進んで困難を乗り越えるならば吉である。)

→ 進退に迷う時ではあるが、特に目下の協力者と力を合わせると良い。目下の人に求婚することは吉。

 

九五

その膏(あぶら)を屯(ちゅん)す。小貞は吉。大貞は凶。

(ほどこすべき恵み(あぶら)を持っているのに出し渋っている。小さいことなら正道を守れば吉であるが、大きいことは正道を守っても凶を免れない。)

→ 才能はあるがタイミングに恵まれない。思うように事が運ばない。小さな望みは叶うが、無理をして大きなことをすると挫折する。好機が来るのを待つ方が良い。

 

上六

乗馬班如(ばんじょ)たり。泣血(きゅうけつ)漣如(れんじょ)たり。

(馬に乗っても思い通りの方向に進まない。泣き続けて涙が出なくなり、血の涙が流れ続ける。)

→ タイミングに恵まれず、進退に苦しみ嘆き悲しむ時。新しいことに手出しせずに、誠意をもって現状の好転に努めるべし。

 

(参考:鹿島秀峰「現代易占詳解」、本田濟「易」ほか)

  • この記事を書いた人

しんのすけ

1986年、愛知生まれ。アメリカの大学卒業。金融危機下でなんとか就職するも、会社の歯車として働くことに疑問を感じていた。その後「やりたいことをやる」という信念のもと、現在に至るまで7社5職種+独立・起業のキャリアを経験。プライベートでは易学の研究や中国語の勉強も。台湾が大好き。

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