六十四卦

29. 坎為水(かんいすい) -易経・六十四卦-

2020年10月11日

キーポイント

もともと坎為水は困難の卦。水雷屯、水山蹇、沢水困と並べられる四難卦の一つです。

坎が一つだけでも苦しむのに、さらに坎が重なった卦であるから、非常な苦しみとなります。

しかし最後まであきらめずに信念を貫くことができれば、目的を達成することはできます。

 

坎為水(かんいすい)について

卦辞(坎為水の概要)

習坎(しゅうかん)は、孚(まこと)あり。維(こ)れ心亨(とお)る。行けば尚(たっと)ぶことあり。

重なった坎は、それぞれ中心に実(陽)があり、中に信念があることを表す。言い換えれば誠心が貫通する。不退転の信念を持って行動すれば、人から褒められるだけの功績があるだろう。

 

六十四卦における配列(序卦伝)

物もって過ぐるに終るべからず。故にこれを受くるに坎(かん)をもってす。

(沢風大過により)物事の度が過ぎれば平穏に終わらず、険難に陥る。ゆえにこれを受けるに坎をもって表す。

 

坎為水の占考

関連ワード

苦しみ、悩み、陥る、下る、衰運、信念、誠実。

 

運勢

困難や悩みが長く続く時。

無理に困難から脱出しようとすると、かえって事態が悪化する。

信念を持って耐え忍ぶこと。

病難、水難、色難、詐欺などに注意。

 

願望

努力した割には成果を得られない。

新規や拡大に関係することは控える方が良い。

しっかりと現状維持することに集中し、困難を耐え抜けば最後に願望叶う。

 

恋愛・関係

困難や悩みが多く、恋人がいるなら一旦距離を置く方が良い。

独り身の場合は、甘い言葉に誘惑されて悦楽に溺れたり、結婚詐欺に遭ったりすることがある。

質素な姿勢を心掛けること。

 

結婚

お互いに望みが合わず、凶である。

取り止めることが逆に幸福につながる。

仮に結婚したとしても、健康や経済に問題があって苦労が絶えない。

 

性格

苦労が多い人。

人当たりは冷たいところがある。

執念深い。

 

事業・方策

赤字に見舞われる。悪条件が重なる時。

新規事業は延期するのが良い。

就職活動、転職活動は慎重に進めるべし。

 

住居

新築、増築は先送りにすることで無事。

改築が必要な場合は最小限にとどめること。

移転はかえって悪化するので取り止めるべし。

 

相場

大いに下落する。

底値であれば上がり目もあるが、当分は停滞傾向。

 

旅行

取り止めるべし。

決行した場合は、旅先で不慮の災害に見舞われやすい。

盗難、水難、食中毒などに注意。

 

病気

泌尿器科系の疾患、肝臓や脾臓の疾患、下痢、血便、血液の病、月経不順など。

体内の液体に関わる病気が発症する恐れ。長期に悩む病気となり得る。

 

坎為水の爻辞

※爻は下から数え、九は陽・六は陰を表す
 (例えば「初九」は一番下の陽の爻のこと)

初六

坎を習(かさ)ねて、坎萏(かんたん)に入る。凶なり。

(穴の中にさらに穴があり、その底にいるようなもの。凶である。)

→ 不幸にさらに不幸が重なり、先が見通せない状況。金銭や体調に悩む。災難、盗難、水難に注意。とにかく耐え忍ぶ時。

 

九二

坎に険あり。求めて小(すこ)しく得(う)

(坎の中には険しさがある。しかし、求めれば少しは得るものがある。)

→ 困難の中にもわずかな希望が見える時。自分の役割を全うして耐え忍ぶことができれば、チャンスは到来する。

 

六三

来(きた)るも之(ゆ)くも、々(かんかん)たり。険にして且(か)つ深し。坎萏(かんたん)に入る。用(もち)うるなかれ。

(下って来ても、上って行っても、どちらにも落とし穴がある。その穴は危険な上に深い。穴の中にさらに穴があり、その底にいるようなものである。行動してはいけない。)

→ 何をしても好転せず、トラブルの連続となる時。進むことを控えて現状維持に集中すべし。焦らずにチャンスを待つこと。

 

六四

樽酒簋(そんしゅき)あり。弐(ま)すに缶(ほとぎ)を用(もっ)てす。約を納(い)るる牖(まど)よりす。終(つい)に咎(とが)なし。

(神を祀るために、ひと樽の酒とひと皿の穀物がある。そして飾り気のない甕を用意する。さらに窓からそっとささやかな供物を差し入れる。困難の中でもこのような飾りのない誠意を尽くせば、最後には咎めはない。)

→ 不運の終わりがようやく見えてくる時。質素倹約を心掛けるべし。体裁を気にするより、本質を見極めて行動すること。

 

九五

坎(かん)盈(み)たず。既に平らかなるに祗(いた)る。咎(とが)なし。

(穴に水が溜まっているが、まだ溢れるほどではない。しかし、穴の口まで水面は来ている。困難は間もなく取り除かれるため、咎めはない。)

→ 困難や悩みが解決する寸前まで来ている。しばらくすると運気は上がるが、油断はしないこと。新しい飛躍に備えて身の回りを整理すべし。

 

上六

係(しば)るに徽纆(きぼく)を用(もっ)てし、叢棘(そうきょく)に寘(お)く。三歳まで得(え)ず。凶。

(繰り返し縄で縛られて、いばらの草むらに置いて行かれるようなもの。三年間は出られない。凶である。)

→ 三年は困難から抜け出せない。何をしても逆効果となり、全く身動きが取れない時。努力をしても報われない。ただただ耐え忍ぶのみ。

 

(参考:鹿島秀峰「現代易占詳解」、本田濟「易」ほか)

  • この記事を書いた人

しんのすけ

1986年、愛知生まれ。アメリカの大学卒業。金融危機下でなんとか就職するも、会社の歯車として働くことに疑問を感じていた。その後「やりたいことをやる」という信念のもと、現在に至るまで7社5職種+独立・起業のキャリアを経験。プライベートでは易学の研究や中国語の勉強も。台湾が大好き。

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