六十四卦

19. 地沢臨(ちたくりん) -易経・六十四卦-

2020年9月27日

キーポイント

沢(☱)の上に地(☷)があり、低い場所にある沢を高い地上が見下ろして臨んでいることを表しています。

上からだけではなく、こちらから対象の方へ進んでいって、威圧的に迫っていくという意味です。

また、陽が下から進んでいくことで、良好な将来があるということも示唆しています。

 

地沢臨(ちたくりん)について

卦辞(地沢臨の概要)

臨は、元(おお)いに亨(とお)る貞(ただ)しきに利あり。八月に至りて凶あり。

陽が下から成長して大きくなろうという卦なので、何事も叶う。また、正道を守っていれば利益もある。しかし八月になると悪いことがあるだろう。

 

六十四卦における配列(序卦伝)

蠱とは事なり。事ありて後に大なるべし。故にこれを受くるに臨(りん)をもってす。

(山風蠱による)蠱は事のことである。崩壊が起こり、事を起こした後には、成長し大きくなる。ゆえにこれを受けるに臨をもって表す。

 

地沢臨の占考

関連ワード

臨み見る、相互、希望、欲求、願望、悦んで従う。

 

運勢

運気が高まっており、何事にも活気がある時。

勢いに乗りすぎてやりすぎにならないよう注意し、柔軟・柔和に対応すること。

 

願望

運気上昇の時で望みごとは次第に叶う。

ただし、大きなことや急なことは成就しない。

将来のことを見据えながら、事に当たると良い。

 

恋愛・関係

互いに和合して順調。

これまで春が到来しなかった人にも悦びあり。

自ら進んでいく積極性が大切だが、急すぎるアプローチは慎むこと。

 

結婚

進んで求めると良い。

相手の態度があいまいではあるが、積極的に進めると結ばれる。

急いで縁談を取りまとめると破綻するので、性急にならないように注意。

 

性格

柔和でおとなしい。人と親しみ愛される。

向上心あって、活動的な人でもある。

 

事業・方策

新規事業が発展する兆しあり。

これまで不振だった事業も盛況となる可能性。

柔和な手段をとって順調に事を進めること。

例えば高級志向よりは大衆受けするものが良い。

 

住居

居心地が良い。

新築・移転に支障はないが、急に決めることは控えるべし。

 

相場

上昇機運あり。

ただし、急いで手を出すと失敗することもあるので、落ち着いて見極めると良い。

 

旅行

楽しい旅行となる。

旅先の交通事故には注意。

 

病気

消化不良、嘔吐、便秘、肺の疾患など。

これまで病状が悪かった人は良くなる。ただし、病勢が高まって悪化している人はさらに進行が早くなる。

 

地沢臨の爻辞

※爻は下から数え、九は陽・六は陰を表す
 (例えば「初九」は一番下の陽の爻のこと)

初九

咸(かん)じて臨む。貞(てい)にして吉なり。

(感動させることによって相手に臨む。正道を守っている上に吉である。)

→ 今ある力量をうまく使って、目上の引き立てに真面目に応じて前進すれば吉。

 

九二

咸(かん)じて臨む。吉にして利あらざるなし。

(感動させることによって相手に臨む。剛直さと中庸の徳をもって進めると吉であり利もある。)

→ 運気盛大の時で、目上からの引き立てによる成功がある。臨機応変に進めることが大切で、盛運の勢いに油断していると失敗する。

 

六三

甘んじて臨む。利するところなし。既にこれを憂うれば、咎(とが)なし。

(甘い悦びを餌にして民に臨む。その態度は不徳なので利益を招くことはない。しかし、この態度を反省して慎むことができれば、咎めを免れるだろう。)

→ 物事を軽視し油断することで挫折や失敗を招く。甘い言葉には注意。自己過信せずに反省する姿勢を忘れないようにすること。

 

六四

至りて臨む。咎(とが)なし

(最高の態度に至って下に臨む。咎めはない。)

→ 有力な部下や協力者に任せれば過失はないだろう。独断的に行動すると失敗を招く。

 

六五

知あって臨む。大君の宜(ぎ)なり

(自分は動かずに実力ある臣下(九二)に任せる。これが智慧のある臨み方であり、大君の取るべき態度である。)

→ 責任ある立場を任されている時。独裁的な姿勢は取らずに、有力な部下を登用して事に当たるべし。私利私欲は捨てて、大局的な見地から行動すること。

 

上六

臨むに敦(あつ)し。吉にして咎(とが)なし。

(下に臨む態度が手厚い。上に立つものとして良い在り方であるため、吉であり咎めはない。)

→ 力量がありながらも謙虚にいることが運気発展のもと。物事に直接関与しなくとも、己の人徳から他人の援助を得て解決を期待できる。

 

(参考:鹿島秀峰「現代易占詳解」、本田濟「易」ほか)

  • この記事を書いた人

しんのすけ

1986年、愛知生まれ。アメリカの大学卒業。金融危機下でなんとか就職するも、会社の歯車として働くことに疑問を感じていた。その後「やりたいことをやる」という信念のもと、現在に至るまで7社5職種+独立・起業のキャリアを経験。プライベートでは易学の研究や中国語の勉強も。台湾が大好き。

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