六十四卦

63. 水火既済(すいかきせい) -易経・六十四卦-

2021年3月17日

キーポイント

陽爻はすべて奇数位に、陰爻はすべて偶数位にあるから、六本の爻がすべて正しい位置にある卦です。

ゆえに六十四卦のなかで、最も完成した形と言えます。

ただし、既に完成されたものに更なる発展はありません。

満月が欠けていくように、現在は最盛期を迎えて吉ですが、今後は衰退していくため注意しましょう。

 

水火既済(すいかきせい)について

卦辞(水火既済の概要)

既済(きせい)は、小(すこ)し亨(とお)る。貞(ただ)しきに利あり。初めは吉にして終りには乱る。

既済では、小さい願いは叶う。ただし、正道を守ることができた場合にのみ利益がある。初めは吉だが、終わりには乱れる。

 

六十四卦における配列(序卦伝)

物に過ぐることある者は必ず済(な)す。故にこれを受くるに既済(きせい)をもってす。

(雷山小過によって)物事をやり過ぎてしまった者は、調整して必ず完成させる。ゆえにこれを受けるに既済をもって表す。

 

水火既済の占考

関連ワード

完成、終わり、必要なものが揃う、話がまとまる、過不足がない

 

運勢

現状は安定した運気の時のため、小さなことを行うには良い。

ただし、大事を成す時機ではない。

また、初めのうちは順調だが、時間が経つと乱れる。

 

願望

完成・達成が目前にある願望は順調に叶う。

ただし、叶った後には衰運が訪れるため注意。

 

恋愛・関係

恋愛成就し、初めは大いに親和する。

しかし次第に不和が生じる恐れがあるため注意。

 

結婚

縁談は何の問題もなくまとまる。

結婚直後は順調だが、次第に問題が生じる恐れがある。

怠慢にならず誠実さを維持するよう心掛けること。

 

性格

常識人で社交性もあるが、個性のない人。

感情の起伏がなく、穏やかそうな人。

 

事業・方策

現在の安定を大切にすること。

欲による新規や拡大に関する事業は転落の原因となる。

 

住居

現状すでに住み心地が良い状態。

修理や改築の必要がある場合、小規模であれば吉。

移転は控えるのが良い。

 

相場

現在の価格のまま大きな動きなく推移する。

今は安定しているが、将来的には下落傾向となる。

 

旅行

安定して楽しめる旅行となる。

ただし、旅の後半にトラブルが起こる可能性があるので注意すること。

 

病気

腎臓・膀胱・尿道などの疾病、心臓・血液の病、生殖器の疾病など。

軽症に見えても、実は病根深い可能性あり。

 

水火既済の爻辞

※爻は下から数え、九は陽・六は陰を表す
 (例えば「初九」は一番下の陽の爻のこと)

初九

其(そ)の輪を曳(ひ)く、其(そ)の尾を濡らす。咎なし。

(車の輪を後ろから引っ張る。狐が尾を濡らす。川を渡るときにこういうことが起こると、簡単には渡れない。慎重になれば咎めはない。)

→ 積極的な前進や軽率な行動は控えること。慎重な姿勢を維持することが重要な時。

 

六二

婦(ふ)其(そ)の茀(ふつ)を喪(うしな)う。逐(お)うなかれ七日にして得(え)ん。

(車内で用いる覆いを失ってしまい、婦人は顔を隠せない。しかし、わざわざ追って探す必要はなく、七日もすれば勝手に返ってくるだろう。)

→ 名声名誉を得るために必要なものや機会を失ってしまう時。しかし後悔することはない。謙虚に努力を続けていれば、すぐに失ったものは手に入るだろう。

 

九三

高宗(こうそう)鬼方(きほう)を(う)つ。三年にしてこれに克(か)つ。小人は用(もち)うるなかれ。

(高宗という王が敵国の鬼方に討ち勝つ。三年かけてようやく勝った。功労者といえども誰でも官職に登用していいわけではない。小人物には金品を与えるのに留めるのが良い。)

→ これまでの苦労が報われる時だが、多くのものを失って余裕はない。油断や慢心をせず、まずは現状の足固めをすること。

 

六四

繻(も)るに衣袽(いじょ)あり。終日(しゅうじつ)戒(いまし)む。

(舟に穴が開き浸水しているため、布切れで穴をふさぐ。事前に周到な準備をし、一日中警戒している。)

→ 現状がどんなに平穏であっても、思わぬトラブルやミスが発生する時。小さなことすら見逃さないよう、細心の注意を払って警戒すべし。

 

九五

東隣(とうりん)牛を殺すは、西隣(せいりん)の禴祭(やくさい)に如かず。実(まこと)に其(そ)の福を受く。

(牛を殺して行う贅沢な祭りを東隣の家が行っているが、その祭りに誠実さがなければ、西隣の家で行われる倹約な祭りには及ばない。誠実さが本当の福を招くのである。)

→ 高い地位にいても驕らず、見栄も張らず、初心に帰るべき時。質素で謙虚な姿勢を再び取ることができれば、福を招くだろう。

 

上六

其(そ)の首(こうべ)を濡らす。厲(あやう)し。

(狐が川を渡る時に頭まで濡れてしまう。危険である。)

→ これまで安定していたことが、崩落の危機に直面する。苦しい状況に陥っても、何事にも慎重に対処すること。

 

(参考:鹿島秀峰「現代易占詳解」、本田濟「易」ほか)

  • この記事を書いた人

しんのすけ

1986年、愛知生まれ。アメリカの大学卒業。金融危機下でなんとか就職するも、会社の歯車として働くことに疑問を感じていた。その後「やりたいことをやる」という信念のもと、現在に至るまで7社5職種+独立・起業のキャリアを経験。プライベートでは易学の研究や中国語の勉強も。台湾が大好き。

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